代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

【講演会のご案内】2022年12月10日三谷博氏が赤松小三郎について語る

2022年09月24日 | 赤松小三郎
 私もメンバーである赤松小三郎研究会の公開講演会のご案内です。  今年は著名な明治維新研究者の三谷博先生を講師に迎えて、「赤松小三郎の立ち位置 ~公論と暴力の比較史を背景に」をテーマにお話をお伺います。三谷先生は、この間、フランス革命や明治維新などを事例に「革命における公論と暴力」という普遍的なテーマで、世界史的な視野で革命の比較研究を行ってきました。その世界史的視野から赤松小三郎の暗殺事件を読み . . . 本文を読む

安藤優一郎著『幕末の先覚者赤松小三郎』(平凡社)

2022年08月24日 | 赤松小三郎
 このたび、歴史学者の安藤優一郎氏の著書『幕末の先覚者赤松小三郎』(平凡社新書、980円)が発売されました。いま本屋の平凡社新書の棚にいけばあるはずです。昨年、私もメンバーである赤松小三郎研究会の講演会で安藤先生をお呼びして講演会を企画し、それがきっかけで本書が誕生しました。コンパクトにお手頃な価格で、赤松小三郎の生涯をたどることができます。小三郎の生涯を知らない方が読めば、幕末史の見方が変わる一 . . . 本文を読む

資本主義の見直しは社会的共通資本の充実から

2022年01月03日 | 政治経済(日本)
 新年あけましておめでとうございます。  昨年は多忙から全くブログを更新できなくなってしまいました。今年もほとんど更新できないかと思われます。すいません。    本日(2022年1月3日)の『毎日新聞』の社説は「資本主義の見直し 人と暮らし支える経済に」というタイトルです。資本主義の見直しが、マスコミレベルで公に語られるようになってきました。社会的共通資本の概念が紹介され、私のコメントも一言ですが . . . 本文を読む

原市之進暗殺と赤松小三郎暗殺は連動している

2021年07月21日 | 赤松小三郎
品川が西郷のところを訪れたのは、挙兵計画の打ち合わせのためである。その夜、「原市之進に天刀が加えられた」と、薩摩藩士の内田仲之助が品川弥二郎に告げているのである。  「天刀」という表現の用い方は、まるで薩摩が原市之進に天誅を加えてやったと、長州藩の品川に自慢でもするかのような言い方である。もともと水戸藩周辺のテロリストは薩摩藩と深くつながっている。もともと井伊直弼の暗殺も水戸と薩摩の尊攘派の共同謀議である。5月に小三郎が議会政治の建白書を公儀に提出した折、原市之進はそれに理解を示していた一人だったと思われる。原も大政奉還を実施し、薩長との内戦を回避するというシナリオを描いていた。小三郎とは、その方向性において志を同じくしていたはずである。御所を襲撃し、天皇を拉致し、「幕府」と会津の屯所を襲撃するという壮大なテロ計画を固めた薩長にとって、原市之進も赤松小三郎も、事前に取り除かねばならない障害だった。二つの暗殺事件は連動しているのであろう。  . . . 本文を読む

徳川慶喜は議会政治を始めようと大政奉還を行った

2021年07月21日 | 赤松小三郎
徳川慶喜は、議会政治の導入を前提として大政奉還に同意したのであった。その上で渋沢は、慶喜がこのように決断するに至った背景として、当時、徳川政権の側も含めて議会政治を開始する機運が高まっていたことを論証する。嘉永年間より議会政治を求める気運が次第に高まって、大政奉還に至ったのであった。渋沢は、土佐藩の大政奉還建白書の提出に先立つ公議政体論の系譜を、ペリー来航時の老中阿部正弘にまで始原を遡って紹介している。とりわけ、その系譜についての全体の記述の半分近くを赤松小三郎の議会政治論の紹介に充て、それを評価するのである。 . . . 本文を読む

みなとかおるさんの新作「忠優伝合情記」公開 

2021年07月18日 | 松平忠固
 みなとかおるさん脚本の新作の音声歴史ドラマ「忠優伝~合情記」が完成し、公開されました。小三郎伝、忠固伝に続く第三弾のドラマです。前回の忠固伝では日米修好通商条約をめぐる井伊直弼と松平忠固の攻防が描かれましたが、今回は日米和親条約交渉の前後における徳川斉昭と松平忠優の攻防が描かれています。忠固と忠優は同一人物の信州上田藩主です。これまで知られてこなかった老中ですが、徳川斉昭や井伊直弼と闘いながら、 . . . 本文を読む

ベーシック・インカムは貧困問題を解決しない 

2021年04月06日 | 政治経済(日本)
 「現代ビジネス」で井手英策先生(慶應義塾大学教授)、ジャーナリストの佐々木実さんと共に、ベーッシク・インカムはダメで、ベーッシック・サービスの考え方で行くべきこと、またその理由は何かという対談をしました。経済学者の宇沢弘文先生が、どうしてベーッシク・インカムに反対していたのかということも論じています。  ただベーッシック・サービスの財源問題で、井手先生と私のあいだで意見の相違があり、そこで議論に . . . 本文を読む

「忠固伝」合情記 & 特別付録:「安政の平等条約の巻」

2021年04月03日 | 松平忠固
 みなとかおるさん脚本の歴史ドラマ「忠固伝~合情記」がyoutubeで公開されました。前回の小三郎伝に続く第二弾です。共有させていただきます。ドラマは30分ほどです。アメリカ領事のハリスと老中の松平忠固の二人に焦点を当ててドラマは展開されます。日米交渉が終わるとその疲れからか、ハリスが病に倒れて危篤状態に陥るのですが、そのハリスの命を何としても救おうと忠固が懸命に手を尽くしたという史実を中心にドラ . . . 本文を読む

「青天を衝け第7回」井伊を大老にしたのは松平忠固の陰謀というのは一橋派のデマ

2021年03月28日 | 松平忠固
従来の定説では、井伊を大老にする工作を影で行っていたのは松平忠固であると言われています。「忠固陰謀論」です(苦笑)。これは当時の一橋派がそう考えて、広めた噂話であり、証拠は全くありません。今も昔も、陰謀論が広がるのは、集団的な被害妄想からかも知れません。私の近著『日本を開国させた男、松平忠固』(作品社)では、井伊を大老にしたのが忠固であるという「定説」が、全くの根拠のない虚構であることを明らかにしています。 . . . 本文を読む

「青天を衝け」第5回 ―藤田東湖の発言とヘダ号

2021年03月15日 | 松平忠固
ドラマの中の藤田東湖は、過激な主君の斉昭を諫める常識的なストッパーという役柄でした。ドラマの中の東湖は「異国人といえど国には親やと友がありましょう」と言って斉昭を諫めました。結論から言えば、藤田東湖が、ロシア人の家族や友人を心配するような人道的な主張をすることはあり得ません。その前年のペリー来航の際には、薩摩藩士の有村俊斎に向かって、「私が当局者であったら、交渉と見せかけてペリーに接近し、隙をついてペリーの首を刎ね、私も当日のうちに死ぬ。しかし私の正気は残り、後に続く者が国を守るだろう」というように語っています。斉昭も斉昭なら東湖も東湖という、じつに似た者同士の主従です。超過激攘夷論者の東湖の口から、ドラマの中でのような発言が出るということはあり得ません。 . . . 本文を読む

「青天を衝け」第4話 日米和親条約の裏話

2021年03月07日 | 松平忠固
 本日(2021年3月7日)の大河ドラマ「青天を衝け」、あっというまに日米和親条約が結ばれてしまいました。本日も私の研究してる松平忠固との関係で、本当のところを補足しています。本日は松平忠固が登場するかなと思っていたのですが、登場せずでした。残念。  本日のストーリーでは、何か日米和親条約で開国になったかのようなニュアンスでした。和親条約は従来の長崎に加えて新たに下田、箱館を開いて外国船の寄港を . . . 本文を読む

徳川斉昭の参与就任は簡単には決まっていない ―「青天を衝け」第3話

2021年02月28日 | 松平忠固
 大河ドラマ「青天を衝け」、藍や養蚕を手掛ける江戸時代の百姓(≠農家)の生活がよく描かれていて非常に見ごたえがあります。水戸学礼賛ドラマになったら・・・と危惧していましたが、そういう描かれ方もされていないので、その点も一安心です。幕末舞台の大河ドラマで、百姓が主人公となると、百姓出身の近藤勇や土方歳三を描いた「新選組!」以来でしょうか? しかし「新選組!」以上に、百姓の暮らしが詳細に描かれています . . . 本文を読む

音声ドラマ「小三郎伝」合情記 •You Tube版公開

2021年01月28日 | 赤松小三郎
 みなとかおるさん原作の音声ドラマ「小三郎伝」の動画付きのバージョンがYouTubeに公開されました。ぜひご視聴ください。   「小三郎伝」合情記 •みなとかおる作:声の出演: アライジン•森山高至•大矢敏幸•氏家信樹•三輪和音 (音声ドラマとして制作) 【ネタバレ注意】  このドラマはフィクションであり、赤松小三郎暗殺事件の背後に大英帝国の影ありという筋書きです。ドラマの終盤で、イギリス . . . 本文を読む

日本のMMT論者のどこが間違っているのか?

2021年01月26日 | エコロジカル・ニューディール政策
MMTで金をバラまいて、ベーシックインカムや輸入資源多投型の土建ケインジアン路線を繰り広げれば、ただちにインフレに帰結するだろう。財の供給量が増えないのに、マネーだけ増えればインフレスパイラルに陥るのは当たり前だ。  そうならないための方策はただ一つである。化石燃料の使用量をゼロにすることを目指し、再生可能エネルギー100%を実現することである。  レアメタルや鉄やアルミなどの金属資源に関しては、完全にリサイクルし、新規採掘を限りなくゼロに近づける定常社会を目指すことである。それらを実現するため、政府投資を集中させるのがグリーンニューディールだ。それが資源量の制約から発生するインフレを回避する唯一の方法だろう。 . . . 本文を読む

パリ協定とWTO協定どちらを取るのか?

2021年01月24日 | 自由貿易批判
マクロン大統領が、ブラジルからの大豆の輸入制限という手段をとっても大豆の国産化を図った場合、ブラジルは「WTO協定違反」として、フランスをWTOに提訴することになるだろう(トランプ政権の妨害のおかげで、WTOの上級パネルは現在機能していないが)。WTOのこれまでの判例から判断すれば、ブラジルが提訴すればブラジルが勝ち、フランスは負けるはずである。  しかし、今世紀後半に炭素排出を実質ゼロにするというパリ協定を満たすためには、アマゾンをこれ以上破壊してはならない。  問題なのは、パリ協定とWTO協定のどちらが大事なのか、という点である。私たちはパリ協定を優先すべきであり、森林を農地転用して生産された作物や牛肉などを、もはやこれ以上輸入してはならないのだ。 . . . 本文を読む