代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

信濃毎日新聞の一面コラム「赤松小三郎と選挙」

2019年07月25日 | 赤松小三郎
江戸時代から身分・財産・性別に関係のない「入札(いれふだ)制」(=普通選挙)を唱えていた人物がいたという事実は、日本人として記憶すべきと思われます。もしかしたら慶応年間に達成されていたかも知れない男女普通選挙。赤松小三郎が暗殺されてから、実際に実現されるまで78年間の月日を費やしたということは肝に命じるべきでしょう。赤松小三郎の内弟子の中には新選組の隊士もいたと、暗殺者の中村半次郎の日記に記されています。つまり、小三郎の唱える議会制民主主義の理念に共鳴していた新選組の隊士もいたということなのです。しかし、いまだに新選組の誰が小三郎の内弟子だったのか特定されていません。新選組が復活したことに、あの世の小三郎も喜んでいるかも知れません。 . . . 本文を読む
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【宣伝】岩下哲典先生講演会「赤松小三郎と坂本龍馬・中浜万次郎」

2019年07月17日 | 赤松小三郎
 赤松小三郎研究会主催で9月28日に以下のように講演会を実施いたします。  本年度はNHKの歴史番組などにもよく出演されていて洋学史に造詣の深い岩下哲典先生(東洋大学教授)にお願いしました。  赤松小三郎と坂本龍馬と中浜万次郎という三人の思想の関連性を探るというチャレンジングな内容です。  岩下先生は、「情報」の伝達を軸に幕末社会を研究した名著『幕末日本の情報活動 「開国」の情報史』(雄山閣)の他 . . . 本文を読む
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近刊書紹介『不平等でなかった幕末の安政条約 関税障壁20%を認めたハリスの善意』

2019年06月22日 | 長州史観から日本を取り戻す
 共著で以下のような本を書きました。  『不平等でなかった幕末の安政条約 関税障壁20%を認めたハリスの善意』(勉誠出版)  7月1日から書店に並ぶ予定です。新書で800円+税とお求めやすい価格になっています。出版社のサイトは以下です。  http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101025  数 . . . 本文を読む
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国有林コンセッションの悪夢

2019年05月17日 | 世界の森林問題
コンセッションという経営形態は盗人の原理。コンセッションという経営形態は市場原理にも反する。通常の企業であれば、自らが所有する資産を使って、社会的責任を伴って経営するものだ。しかるに、コンセッションという経営形態は、国民の資産に寄生し、リスクは納税者に負わせ、利益だけをかすめ取ろうという経営形態なのである。 新自由主義というのは、その生産手段の所有者が責任をもって生産するという、通常の市場原理にも反するようになる。すなわち、新自由主義の最終形態とは国民の資産と税金に寄生し、納税者にひたすら負担を強いながら、ボロ儲けしようという経営形態が跋扈するようになるのだ。 . . . 本文を読む
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丸山穂高議員の「戦争しないと取り返せない」発言を考える

2019年05月15日 | 歴史
丸山穂高衆院議員(大阪19区)が北方領土を取り返すには「戦争をしないと、どうしようもなくないですか」と発言。この発言の真偽を検証してみたい。    そもそも択捉島とウルップ島のあいだに日露の国境線が引かれるのが確定したのは、1855年の日露和親条約においてである。この条約では択捉島まで日本領とするとともに、ロシアが領有権を主張していた樺太についても、真に友好的な協力関係を進める中で、交渉によってロシアを譲歩させ、樺太を両国の雑居地とするという大きな交渉成果を勝ち取った。困っている相手国を助けてこそ、友情を深めてこそ、領土交渉もうまくいくのだ。 . . . 本文を読む
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【書評】『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』(佐々木実著、講談社)

2019年04月24日 | 新古典派経済学批判
本書を、経済学に関心をもつすべての人々に薦めたい。本書は、単なる宇沢弘文伝ではない。宇沢伝を超えた、第二次大戦後の経済学史でもあり、世界の経済政策の論争史でもある。ミルトン・フリードマンがなぜあのような主張をしたのか、なぜそれは勢いを得て拡散されていったのか、そうした事々の時代的・社会的背景まで見えてくる。ケインズの衰退から新自由主義の興隆を経て、今後の世界経済がどのような方向に向かっているのか、向かうべきなのか、未来を展望する上でもじつに多くの示唆を与えてくれる一冊である。 . . . 本文を読む
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ポスト・グローバル時代の構想 -ケインズのバンコールの復活

2019年01月06日 | 自由貿易批判
日本政府が頑迷なまでに自由貿易に対する原理主義的な信仰を維持し、それのみを守るために、他の米国の干渉をすべてを受け入れ、日本経済がもっていたすべての強みを失ってきたのが、プラザ合意以降の日本経済の流れである。貿易収支は均衡させるべきなのだ。たとえ、総量規制をしてもである。それさえ実施していれば、他のすべての米国からの干渉を跳ねのけることができたのだ。 元外務官僚の藪中三十二氏が番組の中で、「日本の仕事のやり方、あるいは最終的には生きざままで変えろと、こういうのが向こうの(アメリカの)要求だった」と語っていた。「生きざま」を否定されてでも、貿易黒字が欲しいのか? 日本は、貿易黒字を捨てて、「生きざま」を守るべきだったのだ。 . . . 本文を読む
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水道再公営化を切望するイングランド市民

2018年12月29日 | 政治経済(国際)
 世界で235の水道事業がいちど民営化されたのちに再公営化されているという事実が大きく報道されてきた。しかし、一部のマスコミで流されていた報道で、「再公営化された事例は235あるといっても、全体の10%くらいだ。失敗したのはわずかで、成功している事例もまた多いということだ。パリでは再公営化されたが、イングランドは民営のままだ。イングランドは成功しているのではないか・・・・」などというものがあった。 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「西郷どん」と明治6年政変 ―桐野利秋と山縣有朋

2018年12月15日 | 歴史
 気が付いたら大河ドラマ「西郷どん」も明日で最終回を迎える。  幕末編は、あまりの歴史改ざんぶりに辟易とした気分で視聴していたのだが、明治時代に入ってから結構面白くなった。  長州閥の汚職体質 -国家予算・資産を私物化して政権中枢を取り巻くお友達に分配し、私腹を肥やすという現在に続く体質- もちゃんと描かれていた。長州政権の肝いりで制作されたドラマにしては、がんばったと思う。  山縣有朋は、長 . . . 本文を読む
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水道民営化の利益相反パラダイス

2018年12月04日 | 政治経済(日本)
 水道法改正案が、十分な審議もされぬまま強行採決される見通しである。  先週、水道民営化問題でコメントを求められテレ朝の羽鳥慎一のモーニングショーに呼んでいただいた。その後、フジテレビの日曜のプライムニュース(12月2日放映)からもコメントを求められた。  質問の中で、浜松市の水道民営化の中間報告書の妥当性について聞かれた。  数字の妥当性の以前の根本的な問題として、報告書の作成過程で民間企業から . . . 本文を読む
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水道民営化詐欺

2018年10月12日 | 政治経済(日本)
日本ではとてつもなく矛盾した事態が同時進行しているのだ。水需要の減少は全国一津の現象である。しかるに、水道を民営化したい自治体では、「水需要が減少するから民営化せねばならない」と主張し、前提は正しくとも、解決策がまったく解決にならないトンチンカンな主張をする。他方で、ダムを建設したい自治体では、水需要が増加するという、事実そのものも全くのデタラメ、ねつ造の予測をし、全くムダなダムに湯水のごとく予算を投じている。ダムに投じられている年間2340憶円ものムダ金を、老朽水道施設の更新に転用すれば、問題は解決するのだ。民営化はもちろん解決策ではない。 . . . 本文を読む
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武田邦彦は印税収入をすべて水害対策に寄付せよ

2018年10月03日 | 温暖化問題
武田邦彦氏には、国民を騙して、温暖化対策を遅らせてきた罪に対して、損害賠償を請求したいくらいである。実際、武田氏のデマによる被害総額は数千億円では足らないのではないか。少なくとも、これまで温暖化していないというデマを流し続けたゴミのような著作の数々で儲けた印税は、すべて水害対策予算として政府に寄付すべきだろう。それが、せめてもの誠意ある責任の取り方ではないのか。 . . . 本文を読む
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不敬・大逆の長州神社

2018年10月03日 | 長州史観から日本を取り戻す
 長州神社(a.k.a 靖国神社)のトップである小堀邦夫宮司が「陛下は靖国を潰そうとしてる」と発言したそうだ。この発言をスクープした週刊ポストに敬意を表します。  問題の発言は以下のようである。 https://www.news-postseven.com/archives/20180930_771685.html 「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。そう . . . 本文を読む
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大河ドラマの脚色はどこまでが許されるのか?

2018年09月22日 | 歴史
テロを実行するまでに西郷を追い込んだ原因としてドラマで描かれたのは、「フランス公使のロッシュが徳川慶喜に薩摩の割譲要求をしている」という、史実にない虚構であった。この虚構を、「脚色」として許してしまってよいのだろうか? これは「脚色」といっても許されるレベルではないと思う。フランスという現存する国家の行為にかんして、当事者たちがやっていないことが明らかであるにもかかわらす、「やった」ことにしてしまうのは、「ねつ造」であり、創作とは違う。これは許されないだろう。フランス大使館はNHKに抗議せねばならないレベルだ。 . . . 本文を読む
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西郷どんの謀略とテロ

2018年09月17日 | 歴史
日本を外国に売り渡そうとしたのは、ロッシュと組んだ慶喜ではなく、イギリスと組んだ西郷であったのだ。実際、少なくともフランスは横須賀製鉄所(横須賀造船所)の建設などを援助し、日本が自力で製鉄をし、造船もできるようになるよう支援していた。イギリスはどうか。日本が自力で製鉄をし、軍艦を国産できるように促すのではなく、むしろそれを奪い、戦艦や武器などイギリス製のものを売りつけていく戦略であった。日本を、イギリスの軍事産業の従属国に変えていったのだ。 . . . 本文を読む
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