代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

ベーシック・インカムは貧困問題を解決しない 

2021年04月06日 | 政治経済(日本)
 「現代ビジネス」で井手英策先生(慶應義塾大学教授)、ジャーナリストの佐々木実さんと共に、ベーッシク・インカムはダメで、ベーッシック・サービスの考え方で行くべきこと、またその理由は何かという対談をしました。経済学者の宇沢弘文先生が、どうしてベーッシク・インカムに反対していたのかということも論じています。  ただベーッシック・サービスの財源問題で、井手先生と私のあいだで意見の相違があり、そこで議論に . . . 本文を読む
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「忠固伝」合情記 & 特別付録:「安政の平等条約の巻」

2021年04月03日 | 松平忠固
 みなとかおるさん脚本の歴史ドラマ「忠固伝~合情記」がyoutubeで公開されました。前回の小三郎伝に続く第二弾です。共有させていただきます。ドラマは30分ほどです。アメリカ領事のハリスと老中の松平忠固の二人に焦点を当ててドラマは展開されます。日米交渉が終わるとその疲れからか、ハリスが病に倒れて危篤状態に陥るのですが、そのハリスの命を何としても救おうと忠固が懸命に手を尽くしたという史実を中心にドラ . . . 本文を読む
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「青天を衝け第7回」井伊を大老にしたのは松平忠固の陰謀というのは一橋派のデマ

2021年03月28日 | 松平忠固
従来の定説では、井伊を大老にする工作を影で行っていたのは松平忠固であると言われています。「忠固陰謀論」です(苦笑)。これは当時の一橋派がそう考えて、広めた噂話であり、証拠は全くありません。今も昔も、陰謀論が広がるのは、集団的な被害妄想からかも知れません。私の近著『日本を開国させた男、松平忠固』(作品社)では、井伊を大老にしたのが忠固であるという「定説」が、全くの根拠のない虚構であることを明らかにしています。 . . . 本文を読む
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「青天を衝け」第5回 ―藤田東湖の発言とヘダ号

2021年03月15日 | 松平忠固
ドラマの中の藤田東湖は、過激な主君の斉昭を諫める常識的なストッパーという役柄でした。ドラマの中の東湖は「異国人といえど国には親やと友がありましょう」と言って斉昭を諫めました。結論から言えば、藤田東湖が、ロシア人の家族や友人を心配するような人道的な主張をすることはあり得ません。その前年のペリー来航の際には、薩摩藩士の有村俊斎に向かって、「私が当局者であったら、交渉と見せかけてペリーに接近し、隙をついてペリーの首を刎ね、私も当日のうちに死ぬ。しかし私の正気は残り、後に続く者が国を守るだろう」というように語っています。斉昭も斉昭なら東湖も東湖という、じつに似た者同士の主従です。超過激攘夷論者の東湖の口から、ドラマの中でのような発言が出るということはあり得ません。 . . . 本文を読む
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「青天を衝け」第4話 日米和親条約の裏話

2021年03月07日 | 松平忠固
 本日(2021年3月7日)の大河ドラマ「青天を衝け」、あっというまに日米和親条約が結ばれてしまいました。本日も私の研究してる松平忠固との関係で、本当のところを補足しています。本日は松平忠固が登場するかなと思っていたのですが、登場せずでした。残念。  本日のストーリーでは、何か日米和親条約で開国になったかのようなニュアンスでした。和親条約は従来の長崎に加えて新たに下田、箱館を開いて外国船の寄港を . . . 本文を読む
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徳川斉昭の参与就任は簡単には決まっていない ―「青天を衝け」第3話

2021年02月28日 | 松平忠固
 大河ドラマ「青天を衝け」、藍や養蚕を手掛ける江戸時代の百姓(≠農家)の生活がよく描かれていて非常に見ごたえがあります。水戸学礼賛ドラマになったら・・・と危惧していましたが、そういう描かれ方もされていないので、その点も一安心です。幕末舞台の大河ドラマで、百姓が主人公となると、百姓出身の近藤勇や土方歳三を描いた「新選組!」以来でしょうか? しかし「新選組!」以上に、百姓の暮らしが詳細に描かれています . . . 本文を読む
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音声ドラマ「小三郎伝」合情記 •You Tube版公開

2021年01月28日 | 赤松小三郎
 みなとかおるさん原作の音声ドラマ「小三郎伝」の動画付きのバージョンがYouTubeに公開されました。ぜひご視聴ください。   「小三郎伝」合情記 •みなとかおる作:声の出演: アライジン•森山高至•大矢敏幸•氏家信樹•三輪和音 (音声ドラマとして制作) 【ネタバレ注意】  このドラマはフィクションであり、赤松小三郎暗殺事件の背後に大英帝国の影ありという筋書きです。ドラマの終盤で、イギリス . . . 本文を読む
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日本のMMT論者のどこが間違っているのか?

2021年01月26日 | エコロジカル・ニューディール政策
MMTで金をバラまいて、ベーシックインカムや輸入資源多投型の土建ケインジアン路線を繰り広げれば、ただちにインフレに帰結するだろう。財の供給量が増えないのに、マネーだけ増えればインフレスパイラルに陥るのは当たり前だ。  そうならないための方策はただ一つである。化石燃料の使用量をゼロにすることを目指し、再生可能エネルギー100%を実現することである。  レアメタルや鉄やアルミなどの金属資源に関しては、完全にリサイクルし、新規採掘を限りなくゼロに近づける定常社会を目指すことである。それらを実現するため、政府投資を集中させるのがグリーンニューディールだ。それが資源量の制約から発生するインフレを回避する唯一の方法だろう。 . . . 本文を読む
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パリ協定とWTO協定どちらを取るのか?

2021年01月24日 | 自由貿易批判
マクロン大統領が、ブラジルからの大豆の輸入制限という手段をとっても大豆の国産化を図った場合、ブラジルは「WTO協定違反」として、フランスをWTOに提訴することになるだろう(トランプ政権の妨害のおかげで、WTOの上級パネルは現在機能していないが)。WTOのこれまでの判例から判断すれば、ブラジルが提訴すればブラジルが勝ち、フランスは負けるはずである。  しかし、今世紀後半に炭素排出を実質ゼロにするというパリ協定を満たすためには、アマゾンをこれ以上破壊してはならない。  問題なのは、パリ協定とWTO協定のどちらが大事なのか、という点である。私たちはパリ協定を優先すべきであり、森林を農地転用して生産された作物や牛肉などを、もはやこれ以上輸入してはならないのだ。 . . . 本文を読む
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社会的共通資本とベーシックサービスとグリーンニューディールの統合

2020年12月28日 | エコロジカル・ニューディール政策
 ユーチューバーの北畑淳也さんが運営する「哲学入門チャンネル」に呼んでいただきました。今回はポスト新自由主義の社会を展望するということで、社会的共通資本とベーシックサービスとグリーンニューディール政策の考え方を統合するという話をしてきました。以下、動画を張り付けておきます。話のアウトラインは以下のような感じになっています。 (1) 宇沢弘文先生が目指していた脱成長の定常社会とはどのような状態か . . . 本文を読む
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丸山茂徳氏がすべきことはクズ本の出版でなく謝罪である

2020年12月26日 | 温暖化問題
なぜ日本の「知識人」なるものは、自分の言論活動にちゃんと責任を負えないのだ。なぜ間違ったことを言っても、どこ吹く風で、平気な顔をしている人間が多いのだ。なぜ日本人は、こうした「知識人」たちを許すのだ。地質学者の丸山茂徳氏は、2008年に書いた『「地球温暖化論」に騙されるな!』(講談社)で次のように主張していた。「この問題は、おそらく10年もしないうちに決着がつくと思います。21世紀の地球の気温変化は2035年頃が最低値となる寒冷化を示します」。あれから12年。地球は寒冷化するどころか、気温上昇はとどまるところを知らない。IPCCの予測通りだ。「寒冷化」という予測が外れたのだから、科学者としての良識があるのであれば、丸山氏は世間を騒がせたことに対して謝罪すべきであろう。 . . . 本文を読む
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【書評】斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書、2020年)

2020年12月14日 | 運動論
私は、いまさらマルクスなんか読んでも未来は何も見えないと考えている。このブログでもたびたびマルクスを批判してきた。それゆえ「資本論」がタイトルに入る本など、敬遠してほとんど読んでいなかった。しかしこの本に関しては、内容はほとんど環境問題についてということなので、読んでみた。  本の内容を簡潔に述べれば、晩年のマルクスは、『資本論』までに自ら構築した理論の誤りに気づき、成長神話を捨て、エコロジーの原則に立脚して、循環型で自然と調和していた資本主義以前の農村共同体を評価し、それを発展させる形での「脱成長コミュニズム」という境地に達していたということ。そして、その晩年のマルクスのビジョンを活かして未来社会を構想しようということである。 . . . 本文を読む
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日米修好通商条約に関税自主権はあったという問題

2020年12月11日 | 歴史
問題は、日米修好通商条約の付属文書である「貿易章程」の末尾にある次の文章である。  和文正文 右(注:関税率規定)は神奈川開港の後五年に至り日本役人より談判次第入港出港の税則を再議すへし 英文正文 Five years after the opening of Kanagawa, the import and export duties shall be subject to revision, if the Japanese government desires it.  和文では、5年後には日本側が提起次第、関税率規定を再議すべしとなっていて、関税率の改訂には再交渉が必要ということになり、日本に関税自主権があるとは言えないことになる。  しかし英文の方を見て欲しい。英文の方を訳せば、「神奈川開港から5年の後、日本政府が望めば、輸入・輸出税は改訂される必要がある」という意味になる。つまり日本が関税率を改訂する(revision)と希望すれば、法的義務としてアメリカ側はそれを承認せねばならないのだ。すなわち、関税率を決める権利は日本側にのみ帰属するのであるから、日本に関税自主権はあることになる。 . . . 本文を読む
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ポスト新自由主義に向けた日本の税制改革

2020年12月09日 | 政治経済(日本)
いま日本が取り組まねばならない二大課題は、(1)拡大しすぎた格差を是正し人びとの暮らしを守ること、(2)温室効果ガスの排出ゼロを目指して産業構造とライフスタイルを根本的に変えていくこと、であろう。これは別段日本のみならず、人類が生き残りかけて取り組まねばならない二大課題である。そのために必要な税制改革は、金融所得への課税率をアップ、グッズ減税バッズ課税の原則の導入である。 . . . 本文を読む
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百田尚樹氏が意外にもアンチ長州史観なのに驚いた

2020年11月26日 | 長州史観から日本を取り戻す
百田尚樹氏をベタ誉めした上で、やはり問題は残るのだ。それは日米修好通商条約の評価である。徳川政権の近代化努力を高く評価する百田氏でも、この条約に対する評価の低さだけは、従来の右派左派に共通する「不平等条約史観」を踏襲してしまっているのだ。 それにしても百田氏が、ここまでのアンチ長州的な認識を示しているということは、この間の、薩長史観見直しの大きなうねりが、日本人の歴史認識を大きく変えてきているということだろう。あとは「日米修好通商条約=不平等条約」という史観の誤りを正すことができれば、明治維新史は完全に書き変わる。 . . . 本文を読む
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