代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

正しくテロと描いた「花燃ゆ」の評価が上がっている件

2015年04月12日 | 長州史観から日本を取り戻す
 大河ドラマの「花燃ゆ」、第14回は、幕府による梅田雲浜の投獄に抗議した吉田松陰が老中・間部詮勝の暗殺を計画し、松下村塾が閉鎖され、松陰が再投獄される回だった。  この暗殺計画をどう脚色・美化するのだろうという興味で、一週遅れの土曜の再放送を観てみた(日曜は観れなかったので)。予想に反して、吉田松陰とは距離を置いて、松陰の老中暗殺計画に批判的だった吉田稔麿の視点から客観的にテロの現実を描いていた。 . . . 本文を読む

新刊書紹介:宇沢弘文・関良基編『社会的共通資本としての森』(東京大学出版会)

2015年04月10日 | 自分の研究のことなど
 宇沢先生は、経済学以外の諸分野の研究者たちと協働で、社会的共通資本概念を深化・発展させるため、東大出版会から「社会的共通資本シリーズ」の刊行しておりました。これまで『社会的共通資本としての医療』『社会的共通資本としての川』が出て、この『森』で三冊目です。以下、教育、都市、金融・・・・と宇沢先生の構想の中で続刊の計画はできていましたが、先生の逝去にともない、先生が自ら編集された本としてはこれが最後の本になりそうです。  本書において、社会的共通資本のネットワークは、人間の経済活動・制度資本・自然環境などが相互に作用しながら共進化し、生成・発展していくシステムであると捉えています。社会的共通資本概念の深化を試みました。本書は、森林を事例に、森林の公益的機能、森林文化、森林管理制度が相互に作用しながら進化・発展していくという認識で叙述されています。社会的共通資本に関して、啓蒙的な本よりも一歩踏み込んだ内容を理解したい方、ぜひ参照下さりたく存じます。 . . . 本文を読む