戦後の歴代大統領の中で新しい戦争を始めていないのはトランプだけというのは、あながち誇張ではない。バイデンは、トランプの武器輸出がイエメン内戦を劇化させていると批判しているが、それを言うのであれば、オバマ政権時代に副大統領である自分の責任をまずは自己批判すべきであろう。バイデン新大統領が自己批判をした上で、トランプが布いた「脱帝国化」の途を継承するのであれば、それは称賛されるだろう。バイデンも、新しい戦争を始めないという点で、トランプのレガシーを継承して欲しいものである。いずれにせよトランプは、アメリカの戦争中毒を終わらせ、脱帝国化の途を歩み始めた歴史的な大統領と言えることは間違いない。 . . . 本文を読む
4年間を総括してみると、80点というところであろうか。木村太郎氏よりは採点が辛いが、トランプが平和に貢献したという点について、心情的に木村太郎氏に賛同するものである。選挙終盤でトランプがコロナにかからなかったら、トランプが逆転勝利していたのではないかと思う。あそこまでコロナへの無策ぶりを徹底的に印象付けてしまったのが痛かった。
というわけで、トランプ大統領、お疲れさまでした。トランプ政権は終わっても、いちど進んだモンロー主義への途は巻き戻すことはできない功績となるでしょう。 . . . 本文を読む
先週のことだが、NHKのBSで平日の夜10時から放送している「国際報道2020」が、「コロナ後の世界はどうなるのか」というテーマで、世界の三人の識者へのインタビューを三夜連続で報道していた。1日目はフランスの経済学者のジャック・アタリ、2日目は『サピエンス全史』でおなじみのイスラエルの歴史家のユヴァル・ノア・ハラリ、3日目はアメリカの政治学者のイアン・ブレマー。
三人の描く未来図がそれぞれ . . . 本文を読む
コロナ対策で高い評価を得ている指導者は、ドイツのメルケル首相、台湾の蔡英文総統、ニュージーランドのアーダーン首相、アイスランドのヤコブスドッティル首相、ノルウェーのソールバルグ首相・・・・。迅速な対応、積極的な検査、自由の制限に対するちゃんとした補償・・・・これら成功している国々の指導者の共通点を挙げると、なんと、いずれも女性の指導者。こういう非常時の危機管理能力は女性指導者の方が高いようだ。今回の事態は、とりわけ好戦的な性格の右派の男性指導者ほど、こういう非常時に全く役に立たないことが証明されたように思える。 . . . 本文を読む
世界で235の水道事業がいちど民営化されたのちに再公営化されているという事実が大きく報道されてきた。しかし、一部のマスコミで流されていた報道で、「再公営化された事例は235あるといっても、全体の10%くらいだ。失敗したのはわずかで、成功している事例もまた多いということだ。パリでは再公営化されたが、イングランドは民営のままだ。イングランドは成功しているのではないか・・・・」などというものがあった。 . . . 本文を読む
GPIFは、2017年3月末で運用資産時価145兆円という「世界最大の機関投資家」であり、その規模から投資行動が世界的影響を与えます。世界最大のファンドGPIFは軍事企業のロケット的株価上昇に貢献し投資利益を得ているわけです。軍事に対する投資は資本市場=金融資本にとってミツバチの巣箱であり、ミツバチの花畑をあらゆる方法で拡げることが彼らのひそかな仕事です。
GPIFは年間400億円の手数料を外資系を含む金融機関に与え全資産を丸投げして公的年金全体を国際金融資本化しているわけです。 . . . 本文を読む
私も、国連安保理常任理事国の五か国のうち、米・英・仏が左派政権になれば、常設国連軍(地球警察軍)の建設も可能になると考えます。それが建設されれば、さしもの北朝鮮も、それに刃向おうとはしないでしょう。アメリカが旧態依然とした「悪の帝国」であり続けるところに、北朝鮮による核とICBM開発の根拠も生まれてしまうのです。
今後も米国が正しく自国優先主義を強めれば、「世界の警察を止めてしまおう」という主張は強まります。そのとき、世界の安全保障は常設の国連軍に肩代わりさせようという主張は、米国の中から当然湧き上がってくるでしょう。膨大な軍事費負担を減らし、それを教育・福祉・環境部門に転用できれば、アメリカ国民にとって、これ以上ない福音になります。ただし「世界の警察」であることは、アメリカ国民の大多数にとって不利益でしかないのに、軍産複合体にとっては明確に利益ですから、アメリカ国民と軍産複合体のいずれが勝つのかという問題になります。
. . . 本文を読む
もし軍事産業がすべて公有化され、彼らが公務員になったとしたら?
武器の売れ具合が良かろうが悪かろうが関係なく、公務員として安定した固定給が国から支払われるようになれば、こっそりテロリストに武器を流すといった裏工作を行ってまで、無用な戦火を煽る必要はなくなるように思えます。アメリカでサンダース、フランスでメランション、イギリスでコービンのような人物が指導者に選ばれるようになれば、これも夢物語ではなくなるようにも思えます。
. . . 本文を読む
北朝鮮は玉砕覚悟。たとえ滅びても、ただ一発の核ミサイルをワシントンにブチ込むだけでも本望である、と。一億玉砕を叫んでいた戦中の大日本帝国にそっくりだ。自国民の人命損失など全く意に介さないから恐ろしい。北朝鮮こそ、大日本帝国の統治原理を継承した、大日本帝国の後継国家と言えるだろう。日本の右翼は、あの姿勢を評価すべきではないのか? このような手負いの虎に経済制裁は通用しない。かえって逆効果であろう。北朝鮮は大日本帝国の後継国家であれば、石油の全面禁輸など仕掛けられれば、「ならば石油備蓄のあるうちに先制攻撃を・・・・・」と考えるだろう。
. . . 本文を読む
どんなに問題があろうとも、私がトランプを応援したい気持ちになる理由の一つは、彼がCIAと対立していて、これまでの歴代政権にとってアンタッチャブルだったCIAという闇の権力に切り込み、それに打撃を与えてくれる可能性があることだ。
先日、ウィキリークスがリークしたCIA文書は、映画「スノーデン」でも暴露されていた手口をさらに一歩先に進める、戦慄する内容のようだ。CIA、スノーデン事件でも全く懲り . . . 本文を読む
新年あけましておめでとうございます。
2017年度元日、首都圏で読める新聞各紙を買い求め、その社説(産経は論説委員の主張)を読み比べてみた。ここ近年、どこの新聞の年頭社説もグローバル化やTPPを礼賛するステレオタイプな社説ばかりで、みな右へ倣え、まったく変わり映えしなかった。さすがにこの激動の時代、論調が各紙ごとに変化が出だしている。興味深いものがあった。論調に個性が出てきたのは良いことだと思 . . . 本文を読む
今年マスコミなどで飛び交った政治用語で、聞くたびに嫌悪感を抱くのが「ポピュリズム」という言葉だ。トランプには「右派ポピュリスト」、サンダースには「左派ポピュリスト」といったレッテルが貼られてきた。
トランプやサンダースなど、絶望的な状況に追いやられた人々の声を代弁した政策を掲げ、支持を集め、その政策を実行に移そうとすると、ただちにこのレッテル攻撃がされる。TPPを攻撃すると、ただちに「ポピュ . . . 本文を読む
現在の世界に生存している中で、「歴史上の英雄」という定義が該当した最後の人物が逝った。
トランプの米国がどうなっていくのか、見届けることができずに旅立つのは少々心残りだったかも知れない。しかし、いまは90年の疲れを癒してもらいたい。盟友のチェ・ゲバラが死してまさに50年が経とうとしている。カストロは、あの世でゲバラに報告すべきことは山のようにあるだろう。
第二次大戦後、旧植民地の独立と革命 . . . 本文を読む
先ほどNHKのクローズアップ現代を観ていた。堤美果氏が「トランプが格差縮小策を実現できるか」とトランプに期待する発言をしていたことに対し、藤原帰一氏は「私は堤さんに反対です」とそれを言下に否定したうえで、「排外主義者が大統領になったことに戦慄する」と発言し、それこそトランプ顔負けで過激にアジッておられた。
私は同じフィリピン研究者として藤原氏も知っているが、最近の藤原氏の、TPPを推進し . . . 本文を読む
イギリスのEU離脱に続き、またもや事前の世論調査を覆した。マスコミの世論調査などまったく当てにならないことが、浮彫になった。そりゃ「トランプに投票する人間は低学歴」なんて、さんざん選挙民をバカ扱いしながら、その同じマスコミが「トランプとヒラリー、どちらに投票しますか?」なんて聞いても、すなおに回答しないのも無理はない。
グローバル資本主義を礼賛し、ヒラリー以外に選択がないかのように煽り続けたマ . . . 本文を読む