代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

安倍内閣と日大と長州レジーム

2018年05月30日 | 教育
上位下達の命令には絶対服従を強い、私を滅して「奉公」する忠実なる臣民の育成を理想とし、部下には思考を停止して上に従うことを強制しながら、指導者がどんな失態を犯しても決して責任を取らず、見苦しくウソをついて逃げおおせるという点で、安倍内閣と日大首脳部の類似性を指摘する声は高い。安倍内閣と日大の共通点はルーツが同じという点に行き着かざるを得ない。日大の学祖は吉田松陰門下の長州藩士・山田顕義であり、山田は終生松陰を尊敬し続けた。安倍首相も吉田松陰を尊敬し、伊藤・山縣・品川・山田など松陰の弟子たちが築き上げた明治の精神の復活を理想としていることは周知の事実であろう。 . . . 本文を読む
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物語なき歴史研究は最悪な物語の台頭を許す

2018年05月20日 | 長州史観から日本を取り戻す
 前の記事で紹介した『現代思想』6月臨時増刊号「明治維新の光と影」所収の論文、奈良勝司氏「明治維新論の再構築に向けて」も紹介したい。じつに興味深い内容であった。  奈良氏の主張の骨子は以下のようなものだ。  戦後歴史学を担った講座派マルクス主義による明治維新物語にせよ、高度経済成長を背景に影響力を持った近代化論にせよ、冷戦の終結とバブル崩壊後、共に時を同じくして無力化してしまった。その後は、時 . . . 本文を読む
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革命の敗者に共感し、新しい物語を創出すること

2018年05月19日 | 長州史観から日本を取り戻す
  『現代思想』2018年6月臨時増刊号は「明治維新の光と影」。いろいろ考えさせられた。  巻頭論文は、大澤真幸氏の「日本人はあの『革命』の敗者に共感している」。同氏の主張の骨子は以下のようなものであった。  日本人は、戦後民主主義体制は、所詮アメリカに与えられたものであり、日本人自らの力で何かを成し遂げたとは思っていない。それゆえ、日本人は、明治維新の記憶に立ち返ろうとする。しかし、実際の . . . 本文を読む
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ニッポンって長州のことだったの会議

2018年05月06日 | 長州史観から日本を取り戻す
 睡り葦さまから、以下のような論考をいただきました。  日本会議(→長州会議)のメンタリティとして、明治維新によって、日本人の「人工的な民族特性」として刷り込まれた、強者に自己愛を投射する「加虐者への自己同一化」と分析されています。長州藩閥権力が生み出した人工的民族特性・・・・。いやはや恐るべきことです。長州権力によって喪失させられた、本来の日本を取り戻さねばなりません。   ****以下、睡り . . . 本文を読む
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櫻井よしこさんも長州レジームの犠牲者

2018年05月05日 | 長州史観から日本を取り戻す
日本会議は、尊攘志士よろしく、斬り合うことも辞さず、改憲への執念を示している。しかし、それって護憲派をテロで葬ることなのか? ってことは幕末のように天皇も・・・・? いやはや恐ろしい。私が不思議に思うのは、「明治維新に学べ。血を流せ」という櫻井よしこさんが長岡高校出身という点である。櫻井さんは、生まれこそベトナムだが、子供のころから高校卒業まで長岡なので、人格形成は長岡で行っている。周知のとおり、長岡は戊辰戦争の折、会津と薩長の戦闘を回避させようと、中立の立場を貫こうとした結果、いきなり賊軍のレッテルを貼られ山縣有朋率いる西軍に攻めこまれ、国土を蹂躙された。7万4000石の小藩にして、西軍を何度も敗走させ、互角以上に戦ったものの、最後は兵力差を如何ともし難かった。こうした長岡の先人たちの無念さに想いを馳せれば、安易に明治維新礼賛発言などできないはずであろう。  櫻井さんと対象的な長岡人が歴史作家の半藤一利さんである。半藤さんは薩長の非道さを告発し、反薩長史観の代表的論客として活躍している。明治維新150周年も「何がめでたいもんか」と喝破している。 . . . 本文を読む
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