左上の写真は、今日で言うところの「トランシット」に相当する測量器具である。初めて見た時には、あまりの精巧さに、にわかに江戸時代の国産品とは思えなかった。江戸時代の末期には、すでに近代化の歩みが着実に始まっていたことがうかがわれる。
赤松小三郎が、これらの器具を使って、藩士たちに手ほどきをしていたのだろう。余談だが、老中を務めた藩主の松平忠固の四男の松平忠厚は、廃藩置県後にアメリカに渡り、アメリカにおいて新しい測量器具を発明してその名を全米に轟かせた。明治の初期から、測量学の世界の最先端で活躍した忠厚のような人物が出たのも、これらの測量器具を見ていると頷ける。 . . . 本文を読む
「耐越水堤防を地道に整備し続けていれば、(昨年の台風19号水害でも)かなりの破堤は防げたと推測できる」と指摘。「決壊の可能性のある堤防を放置したまま、多額の費用をかけてダムを造り続けたことが本末転倒だった」 . . . 本文を読む
このたび赤松小三郎が出てくる音声ドラマが制作されました。以下の『日本史別天地』というサイトの第1作目として制作されたそうです。興味のある方、ぜひ聴いてみてください。
日本史別天地 『小三郎伝』合情記
https://anchor.fm/devision-division/episodes/ep-ekinv9
原作はみなとかおるさんです。みなとさんは、拙著を読んで評価して下さり、そこから赤松 . . . 本文を読む
日本学術会議の任命拒否事件も、中国の軍事的強大化に対して対抗しようとして、日本学術会議に軍事研究をさせようと、それに反対しそうな学者をあらかじめ排除しようという意図で行われたことだろう。学問を国家が支配している中国の共産党国家に対抗するために、自らが中国のようになっていく。対抗すればするほど、お互いに似た者同士の醜悪な国家へと変貌していくのである。
この悪循環を断ち切るには、お互いの経済にマイナスでしかない軍拡競争の愚を認め合い、軍事費の歯止めない拡大に、両者合意のもとに、互いにブレーキをかけるしかないだろう。 . . . 本文を読む
日本学術会議、山極寿一会長の下では、安倍政権の暴走に対する抑止力としての機能は一定果たせていたとは思う。人を得れば、それなりの機能を果たせるということだ。しかし、そうした人材を行政権力がブロックし、御用学者のみで組織を固めるというのであれば、政権に対するチェック機能も何も果たせなくなるのだから、もはや税金を出すに値しない。権力を監視する組織として機能すればこそ、国民が税金を払ってでも維持する価値のある組織になるのだ。 . . . 本文を読む
中央に鎮座している「稀代な名医」が大奥の最高権力者である上臈御年寄の姉小路局である。歌川は、江戸城の実質的な最高権力者は姉小路局であると認識し、病気を抱えて問題のある男たちを適材適所で配置して、なんとか政権を切り盛りしているという様子を風刺している。
諸役人の人事を指揮するのは(現在でいえば内閣人事局)、大奥の姉小路だというのは、当時の江戸市中では評判だった。 . . . 本文を読む