代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

TPP:記録的水不足でもなおコメ輸出という狂気 

2015年07月30日 | Stop! TPP
カリフォルニア州ではコメ生産だけで、州の全水需要の6%を消費しているという。この記録的な大干ばつの中で、カリフォルニア州全域で給水制限が実施されている中、水田に高さ5インチもの水をなみなみと貼って、スシや日本への輸出のためのコメ生産などしている余裕があるのか? TPPで日本のコメ市場が開放されれば、ますます多くのカリフォルニアの農家は対日輸出向けのコメ生産の方が収益性が高いと判断し、コメ生産に傾斜するだろう。それはアメリカ国民の対日感情をも悪化させていくだろう。TPPなど日米関係を悪化させる要因にしかならない。TPP交渉など早々に打ち切ってしまうことが、日米双方の市民のためなのだ。 . . . 本文を読む
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吉田松陰と安倍晋三の自己陶酔

2015年07月27日 | 長州史観から日本を取り戻す
 昨日(2015年7月26日)の『東京新聞』(29面)において、安倍首相が、吉田松陰の愛した孟子の言葉「自ら省(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人といえども、吾往かん」という言葉を繰り返し口にし、自己陶酔状態に陥っているようだと指摘する記事が掲載されていました。民意や憲法の制約も無視してでも、「私が省みてなお(主観的に)正しいと思ったら、千万人を敵にしても、絶対に突き進むのだ」などと主張されたら、立憲民主主義国家の指導者としては、完全に不適格と申し上げざるを得ません。孟子も吉田松陰も安倍首相もアスペルガー? 孟子や吉田松陰は一国の政治指導者になることはなかったからいいですけど、安倍首相はそうではありません。 . . . 本文を読む
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宇加治新八の1874年の憲法構想 ~近代の呪いか天皇制の呪いか

2015年07月26日 | 歴史
りくにすさんから、明治7(1874)年8月に、民主主義的な内容の憲法構想を建白した宇加治新八(旧米沢藩士の置賜士族)の紹介をいただきました。いわゆる「民撰議院設立建白書」が提出された半年後に提起された非常に民主的な憲法構想です。恥ずかしながら、私も全く不明な人物でした。これだけの人物が歴史の闇に埋もれているのですから、日本の近代史の闇はまだまだ深いといえそうです。 長州=靖国史観系の人々は、左派史観を批判しながら「汚辱の近現代史」とかおっしゃいますが、実際には左右両派の双方の史観がともに結託して、当然に光をあてるべき人物をに光を当てないまま、非常に偏った歴史観を日本人に押し付けてきたように見えます。「パンドラの箱に封印された闇の中の近代史」とでも言うべきものがありそうです。 . . . 本文を読む
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責任を取るのは政治家ではなく官僚だ! 新国立競技場問題に寄せて

2015年07月23日 | 政治経済(日本)
新国立競技場計画の騒動の責任は誰が取るべきであろうか。民主党の枝野幹事長は「文科相の辞任が相当」と述べていたが、政治家など何人切っても何も変わらないだろう。文科省とその天下り先であり新国立競技場の事業主体であるJSCの幹部に責任を取らせて更迭せねばならない。巨大な失敗の源泉は、安倍首相の大先輩であるところの長州の維新官僚たちが創り上げた「巨大無責任体制」としての日本の官僚システムである。戦前は、陸軍の巨大無責任体制が暴走したが、現在も文科省やら国交省やらに陸軍の体質が引き継がれ、暴走しているのだ。日本の官僚機構がここまで増長し、血税浪費の伏魔殿と化したのは、血税を浪費してどんなに失敗を犯しても、政治家の責任に転嫁して、自分たちは決して責任は取らないというぬるま湯体質が染みついているからである。実質的に権力は官僚に集中しているにも関わらず、名目的に立法府が行政府の上に立つという憲法の規定を悪用して、政治家にばかり責任を取らせて自分たちは安穏としている。 . . . 本文を読む
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講座派史観・労農派史観とハーバード・ノーマン

2015年07月23日 | 歴史
ノーマンは日本生まれ日本育ちのカナダ人歴史家で、同時に外交官としても活躍、戦後はGHQのメンバーとして日本の民主化にも尽力しました。昭和天皇とマッカーサー会談のGHQ側通訳を務めるなど数々の歴史的な舞台に立ち会った人物です。日本人でも忘れていた大思想家・安藤昌益に注目し、昌益の思想を世界に向けて紹介した歴史学者としても知られています。GHQの一員として戦後の日本民主化計画にも携わったので、「日本国憲法も戦後の民主化もGHQの押し付け」と主張する安倍晋三首相からしてみたら、「(長州的な)日本を(長州的な)日本でなくした、日本の(=長州の)仇」の一人と思うかもしれません。しかし、信州で生まれ育ったノーマンは、自己アイデンティティーの形成を日本の文化と風土の中で行っており、その考え方も、濃厚に欧米的価値観というよりも、日本的な内発的な左派思想だと思います。それゆえ安藤昌益にも注目できたのでしょう。 . . . 本文を読む
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黒船来航神話の虚構をはがす

2015年07月23日 | 長州史観から日本を取り戻す
 ご存知の方も多いと思いますが、「太平の眠りを覚ます上喜撰 ( じょうきせん )、たった 四杯で夜も眠れず」という狂歌は、ペリー来航時に詠まれたものではなく、ペリー来航から25年後の明治11年に詠まれたものだそうです。 最近の教科書はどうか知らないのですが、私が中高生のころは、あたかもこの歌がペリー来航当時に江戸市中で詠まれたものであるかのように教わったものでした。明らかに、教科書で堂々とウソが教えられていたわけです。これも、長州史観のプロパガンダといえるでしょうか。幕府が狼狽し、外交能力がなかったかのような虚構をねつ造することで、日本人全体に明治維新の「正当性」なるものを刷り込もうとする意図を感じます。 . . . 本文を読む
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