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CPO(先任伍長)は神である〜空母「ミッドウェイ」博物館

2018-05-03 | 軍艦

CPOの中でも先任の執務室にお邪魔しました。

椅子から立ち、ご挨拶してくれています。
ゴミ箱に紙くずがいっぱい入っているのがありがち。

横須賀を母港としていた時代手に入れたものでしょうか。

「流水不争先」

流水先を争わず。

日本の本因坊高川格(たかがわ かく)が信条としていた言葉で、
読んで字のごとく「流水は先を争わない」という意味です。

人を掻き分け、人に先んじて自分が先に出ようとする心を
戒め、自然に身を委ねることを説く意味があると思われます。

もちろんこれを手に入れたCPOは、(名札によると名前はモストラーさん)
この言葉の意味に感銘を受けてここに掲げていたのでしょう。

空母って結構いびつな形なのね、と思わせる空母型のボード。
結構大きいんですが、何に使うんでしょう。

個室に洗面台は「艦内特権階級」の証。

壁に貼られているポスターは、水兵さんが魚雷に乗っていて
(まるでロデオのように)、

海軍に来たれ!戦う男たちの職場へ

と勧誘しています。

元あった室内の装備は全部運び出されてしまったらしい部屋。
鏡の扉は洗面台の上にあるアメリカおなじみの薬棚だと思われます。

最先任チーフならではの一人でのお食事。
まるでリッツのような青いグラスにバラの一輪挿し。
後ろに謎の人影?があり、パイプむき出しの部屋とはいえ、
最大級に特権階級をエンジョーイ!しておられます。

この区画も時鐘で時間を知らせていたんですね。
取っ手が永年の使用黒ずんでいます。

どこか海外にいった時に屋台のお土産(貝殻があるので多分海沿い)を
難しい顔で物色しているCPO?

「CPOとして、上陸した時のパトロール任務の時、私はいつも
我々の水兵たちと地元の商人の間にいざこざが起こらないか見て歩いた。
とにかく彼らは何かと水兵から暴利を貪ろうとしたものでね」

つまりこれは物色しているのではなく、

「こんなものをうちの乗員に高値で売りつけているんじゃなかろうな」

とお店を調査して歩いているといったほうがよさそうです。
彼の右腕にはパトロールを表す「P」が縫い付けられています。

売り場のおばちゃんがむっちゃ怯えてる〜〜(笑)

ここがCPOのメス、食堂です。
床のタイルの配色といい、固定椅子の色といい、
アメリカンダイナー、って感じですね。

朝ごはんのトーストを焼いたりジュース、サラダを取る台は皆ほぼ同じ。

出たー!「サーフ&ターフ」のステーキとロブスターが!
これをどちらも食べるなんてカロリー取りすぎじゃね?

こんなカリカチュアもありました。

「ネイビーチーフ、〇〇から見れば・・・・?」

左回りに行きます。

上半身が全部口でできてるモンスター;水兵たちから見れば。

シャツからお腹が見えてるだらしない男;所属部隊の士官から見れば。

手のつけられない赤ん坊;彼の妻から見れば。

粋でダンディ、ちょいワルでスマート;自分から見れば。

「靴ばっかり磨かせやがって!」;彼の直属の部下から見れば。

「何でもかんでも持ち出すんじゃねえ!」;補給士官から見れば。

壁には先ほどのカリカチュアと並んでこのような文言が。

チーフはいつも正しい

彼は間違った思い込みをしてるかもしれないし、
不正確で、頑固で、
気まぐれで、無知で、
おまけにありえないくらい馬鹿者かもしれないが、

しかし!決して間違っていない

とほほ・・・・。
水兵の皆さん、士官の皆さん、御愁傷様です。



そして、その横の「ネイビー・ストラクチャー」ですが、面白いので全部訳しました。

「アドミラル」

高層ビルを飛び越えることが出来る;
機関車より力強く、弾丸より早い;
水の上を歩くことができる:

神に対して説教することが出来る

「キャプテン」大佐

中くらいのビルなら一回のジャンプで飛び越える;
スイッチエンジンよりもパワフル;
水の上を歩くことが出来る。もし海が穏やかなら;
神と話すことが出来る。

「コマンダー」中佐

低いビルなら助走をつけて風の勢いを借りれば飛び越える;
ほとんどスウィッチエンジンと同じくらいパワフル;
スピードのついたBB?よりは速い;
室内プールの水の上なら歩ける;
もし特別に望みを聞き届けられれば神と話せる。

「ルテナント・コマンダー」少佐

かろうじてとても低い建物なら飛び越える;
機関車と綱引き(tug-of-war)出来る;
スピードのある弾丸を撃つことができる;
ほんの時々、神に呼ばれることがあれば話せる。

「ルテナント」大尉

飛べば低層のビルの高いところまで届く;
機関車を追い越すことができる;
自分を怪我させることなく銃を持つことができる;
プールで犬かきができる;
動物と話すことができる。

「ルテナント・ジュニアグレード」中尉

ビルを掃除するためにそこまで走っていくことができる;
3回のうち2回は機関車だとわかる;
弾薬を支給されない;
施設が許せば救命胴衣を着て浮かんでいることができる;
壁と話すことができる。

「エンスン」少尉

ビルに入ろうとするときにドアの階段でこける;
「見てー!ポッポー!汽車ポッポー!」と喋れる;
水鉄砲で自分がびしょ濡れになる;
水たまりで遊ぶことができる;
独り言を言う。


「CPO」先任伍長

ビルを持ち上げ、さらに歩くことができる;
機関車をひと蹴りして遠くに飛ばすことができる;
歯で弾丸を受け止め、さらにそれを噛み砕くことができる;
人睨みすれば、水をも凍らすことができる;

彼こそが、神である。



続く。








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3 Comments

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結構テキトーな展示ですね (Unknown)
2018-05-03 20:53:28
CV61はRangerです。

個室に洗面台の部屋は散髪用です(笑)
内張り (お節介船屋)
2018-05-04 13:41:03
米海軍及び海自はダメコン上、艦内艤装に木材を使用しないとコメントしてきましたが、ここ数回のミッドウェー艦内の写真を見て訂正しなければならないのではと思っています。
天井部がなく、壁も最上部がない内張ですが盾や看板がビス止めしてあり、何か所か切り取った後を部分補修してある事から表面化粧合板が使用してあるように見えます。
CPO先任執務室は明らかに改造で内張仕切り壁等を取り付けた事が分ります。
天井部なし、壁最上部もない内張りは加工し難い事と既存の空調の空気流れのためであり、扇風機がある事は壁等の影響で撹拌する必要を表しています。
CPOメスも相当無理して内張りが張ってありますが人間工学上は安らぎを醸し出すとか額を取り付けたりするには便利でしょうが、どうしても必要かは疑問です。
市松模様の床タイルも明るいでしょうが色や掃除上もちょっと疑問?
海自も艦内写真が雑誌等に出ていますが木材を使用しているのかなと思える部分もあり、米海軍、海自ともダメコン上の厳しさを人間工学等で少し緩めてきたのかと感じています。
みなさま (エリス中尉)
2018-05-08 09:42:12
unknownさん
しかもこれ、お土産のカッティングボード(まな板)ではないかと。

お節介船屋さん
わたしも思いましたが、結構人間工学の方に重きを置いているんですよね。
第二次大戦の時の軍艦の内部とはその点が大いに違っています。

まあただ、実際にその中で生活していた人たちにとっては焼け石に水というか、
空調一つとっても大変過酷ではあったようですが。

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