ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

アメリカ到着〜MKの卒業式

2022-05-14 | アメリカ

早いもので、MKの大学生活もあっという間に終わりました。
4年間無事に学業をして卒業の運びとなり、
わたしはその出席のために今アメリカにおります。



今回のPCR検査は空港で受けることにしました。
検査結果が出るのに3時間は見ておかなくてはならないため、
夕刻の出発だというのに、家を出たのは朝早く。

今回は11日と滞在が短いこともあり、空港近くの駐車場に車を預けました。

今の出国は、事前にワクチンの接種などについて書類提出が必須です。
それをデータとして前もって使用する航空会社に送っておいたのですが、
それを窓口で係員がチェックするのに結構時間がかかりました。

しかし前もってデータを送っておかないと、空港窓口で職員に
ゼロから手作業で入力させることになり、時間はさらにかかるのだとか。

来るたびに空港の状況と対応が変わっているのには驚きますが、
いちいちそれに対応する空港の職員は本当に大変だと思います。

さらに空港でのPCR検査は24,000円、もし予約しなければその倍かかり、
この非常識な値段にはどうにも納得いかないのですが、仕方ありません。

しかも、結果によっては飛行機に乗れなくなるわけですよ。

わたしたちは預ける荷物を三つに分け、「第3の荷物」は、
どちらかが陽性だった場合にも無事だった方がもって行くことにして、
そこにMKに頼まれたものとかお土産、卒業式で必要なものを入れました。

ちなみにMKが今回特に持ってきて欲しい頼んできたのは、ノギスでした。
ノギスなんか何にするのと聞くと、『あると便利だし』

わけわからんが、何かを測りたいのはわかった。

世界的にも有名な精密測定機器のミツトヨのノギスがいいけど、
アメリカで買うと高いからもってきて欲しいと息子に頼まれて、
TOは、わざわざ新宿東急ハンズまで行って調達してきました。

なんでも都内ではそこに一つしか在庫がなかったということです。



PCRの検査結果が出るまで、昼ごはんを食べにモールに行きましたが、
ちょっと変わった物販店などは軒並み閉鎖したっきりになっていました。

メインの通りのいわゆるハイブランド店は復活していました。



空港のラウンジはここ最近で最も混雑していました。



便数は一時より増えているようです。



シカゴまでの便も、満席ということでした。
飛行機会社も徐々に回復して行くことを期待しているでしょう。


離陸直後の成田付近を上空から。



アミューズはパテのようなものとクッキーのようなもの。



ANAは一時に比べるとコロナが流行り出してからの方が
食事に関しては良くなったような気がします。
選んだ和食は二の膳が刺身、冷しゃぶ、ぬたはホタルイカ。

噂によると、今年はホタルイカが大漁らしいです。



これまでなかった企画のような気がしますが、和食は
有名どころの料亭と提携してメニューをコラボしているようです。

今回のコラボ先は銀座の「奥田」でした。
膳には小さなカードが添えられ、よく見ると、これを持ってきたら
ファーストドリンクサービスをするという広告を兼ねています。


飛行機の中でiPhoneを使って写真を撮ると、どうして不味そうなのか。
これは兼ねてから不思議に思っていることの一つですが、
このサワラの主膳?は写真で見て思うよりずっと美味しかったです。



降機前の最後のご飯にも和食を選んでしまうのだった。
ビーフのパスタか魚だったら日本人ならこっちを選びがち。



アメリカ大陸横断中。
今回のフライトは立っていられないくらいの揺れが二、三回来ました。

そしてシカゴに到着して気温32度の暑さに驚きました。
機内から出たときにも真夏のムッとする暑さです。

冬尋常でなく寒いのに(マイナス12度とか)夏はこの時期から暑いなんて、
シカゴって大変な気候だなあとちょっと住んでいる人に同情しました。



トランジットまで3時間あったのですが、なんとびっくり、
今回新しくいつものターミナルに寿司レストランができていました。

もちろん回る寿司とかではありませんし、カウンターの中で
中国人寿司職人が握ってくれるという(直接注文はできない)方式の店です。

ターミナルを確認に行ったらアメリカ人が皆
枝豆をボウルから摘んでいたので、ついフラフラと入ってしまいました。

枝豆はいかにも解凍したもので、味噌汁にはなぜか天かす入りですが、
まあとりあえずそれらしい味にはなっていました。
アメリカ人もスシという食べ物を普通に味わうようになり、
アメリカン寿司とでもいうジャンルとして成立している今日この頃です。


この店は、空港という配膳までのスピードを問われる場所で、
実際に寿司職人が握るという形態をとっているわけですが、
オーダーしてそう待つこともなくこの「ロール」が到着し、
ことスピードに関しては十分クリアしているかに思われました。

しかし、アボカドと鰻と海苔を内側に巻き込んだ、
(アメリカ人が黒い海苔が外にある寿司を嫌うため)
この「カリフォルニア式」の巻物、一つ一つの形が皆違い、
端っこは切り揃えられておらず、すし飯は箸で持つとぐずぐずに壊れ、
先日TOと一緒に「次郎は寿司の夢をみる」を見たばかりのわたしには
とても同じジャンルの(というか同じ名前の)料理には思えませんでした。

日本の寿司職人なら100年洗い場から出るんじゃねえ、
と即座に言い渡されそうなくらい壮絶に下手っぴーな巻きです。

しかし、不味くない。
いや、積極的に美味しいのです。なんか悔しいけど。

前にもオヘア空港で寿司を食べて美味しかった記憶がありますが、
下手な日本の寿司よりずっとまともなのがアメリカの寿司です。


3時間待って時刻通りにピッツバーグ行きが出発しましたが、
今回、コロナ前とはずいぶん変わったことがありました。

まず、入国審査にESTAの機械による自動受付がなくなったこと。
一律人間による本来の入国審査が行われていました。
これは空港によるのかもしれません。

ブースに立つと、入国の目的を聞かれ、TOは簡単に
「息子に会いに」とだけ言いましたが、それだけではいかんらしく
管理官は「学校にいるんですか」と聞いてきたので、わたしが
「卒業式なんです」と答えました。

そして、地方便に乗るためのゲート検査ですが、

ここ何年かで初めてアメリカで靴を脱がずに済んだのです!

靴を脱がなくていいし上着も取らなくていい、しかも
カバンからパソコンやタブレットを取り出して並べなくていい、だと?

一体何があったオヘア空港。

ただ荷物をそのまま預けて、金属検査の前で手足を広げて立つだけ。
わたしは金属探知機がぴーッと鳴りましたが、係官が向こうから

「ブレスレット外してください」

わたしが外して彼女に渡したものだけ通して鳴ったのを確認すると、
出た後に体を触るなどのボディ検査一切なしで通して貰えました。

アメリカの手荷物身体検査が厳しくなったのは911以降のことですが、
今時は手荷物より、検査のために人が並ぶこと、そして係官が
体に触れる検査を極力排除することを優先した結果かと思われます。

そのおかげで、手荷物検査に並ぶ人の数は驚異的に少なくなっていました。

あと大きく変わったのは、手荷物検査の前の通路の中ほどに
「K-9検査スペース」があって、そこを全員が通過していくことです。

靴や服を金属探査機に通すより、K-9に手伝ってもらって
その分検査手順を簡略化させることにしたんですね。

K-9とはここでは検査犬のことですが、その何分か前にわたしは
麻薬犬(オヘアの麻薬犬は超可愛いビーグル)を見ながら
「K-9」についてその語源などについてTOに説明をしたばかりでした。

彼はさっき知ったばかりの言葉が早速目の前に現れたので、
この偶然にことのほか感激していました。

ちなみにここでお仕事していたK-9は麻薬探査犬より大型で強そうでした。


そして時間がきてピッツバーグ行きが出発したのですが、わたしはまず、
機内のヘッドレストの小さなモニターがなくなったのに気がつきました。

ユナイテッドでは、国内便のモニターは廃止しているようです。
その理由は、ほとんどの乗員が今は自分のデバイスを持っているから。

機内のWi-Fiは全便無料になっていて、デバイスで指示された
ユナイテッドのHPに飛ぶと、そこからWi-Fiも使えますし、
HP内で配信された番組をフライト中のみ鑑賞することができます。


そして、一番驚いたのが到着してからの乗客たちの振る舞いでした。

機体が降機場所に到着して、ポーンと音がすると、
全員がほぼ同時に立ち上がって押し合いへし合い?しながら
とりあえず上からの荷物を出し、降りる順番が来るまで立って待つ、
というのがこれまでのおなじみの光景だったのですが、
ポーンが鳴っても誰も立ち上がらず、自分の順番が来て初めて荷物を下ろし、
整然と一人ずつ出て行きます。

これだと後ろの方の人はずっと座ったまま待っていられます。

特にアメリカの国内便は機内の荷物入れが小さくて数が少ないので、
自分の席より後方に荷物を入れなくてはいけなくなることが多いのですが、
この方法だと人波に逆らったりすることなく、
誰もいない通路をさっさと歩いて荷物を取りに行くことが可能です。

おそらくCOVID19流行以降、できるだけ人の接触をなくすこと目的に
このような降機方法が編み出された?のだと思われますが、
どうしてこれまでこうしなかったんだろう、と思うくらい合理的です。

日本の航空会社もぜひこの方法を取り入れていただきたいです。

疫病流行は悪いことばかりではありません。
どんな事故も、それを教訓に良い方に変わるシステムの礎となり、
時にはこんな美しい?習慣が短期間で導入されることもあります。



ピッツバーグ空港に到着したのは夜9時でした。
この時間にしてもう空港内は深閑と静まり返っています。

エスカレーター前に歴史博物館の衣装が展示されていました。



今からエスカレーターに乗ろうとしている二人は、
この(昔の)スティーラーズの人と記念写真を撮っていました。



そして次の日。
時差ぼけで早く起きてしまったので、MKを誘って、
あの伝説のカフェ、コンステレーションにコーヒーを買いに行きました。



わたしがMKに続いて入っていくと、女性のバリスタさんが
わたしに向かって、「ウェルカムバック」と手を振ってくれました。

色々あって、ここのバリスタには、

「この人たちは超コーヒー好きでしかも味がわかる」

といい方に勘違いしてもらっているらしいとは思っていましたが、
お帰りなさいと迎えられるとさらに嬉しいではありませんか。



今回、お店の名前「星座」デザインのアパレルが登場していました。



なかなか絵心のあるオーナーと見た。




お店の隣は今空き地になっているのですが、
そこは暖かい時期、アウトドアのカフェになっています。

今回初めてここでコーヒーをいただきました。



この辺の建築物も普通に築100年越えで煉瓦造りです。
地震のない地域って羨ましい。






コーヒーを楽しんだ後、いつもの公園に散歩に行きました。
夏はもうこの時間暑くて歩くのが辛いですが、
5月のピッツバーグは暑くも寒くもなく、気候は最高です。



去年あたりから地域で警戒している害虫、
「スポッテッド・ランタンフライ」駆除啓蒙看板。
(見つけたら車を)停めて、(車から)剥がして、
(足で)踏み潰してください、と穏やかではありません。

そうでもしないと、地域の植生が変わってしまうくらいの害虫なのです。



帰りの道で黒いリス発見。



この後スーパーに買い出しに行ったところ、
鮮魚カウンターでなんと鮭のハラミ(スナズリ)発見。
日本だと生で売っていますが、なぜか焼き上げ済みです。

珍しいので買ってフライパンでもう一度焼いていただきましたが、
なかなか美味しかったです。



今週末はいよいよMKの卒業式です。



今日卒業式を行う学部もあって、ガウンを着た人たちが
あちこちで記念写真を撮りあっていました。

この写真では木にぶら下がっている人を撮影しています。

コロナ禍で卒業式が行えなかった去年と一昨年の卒業生に、
普通の式で卒業させてあげたいという学校の親心?により、
今年は三年分の卒業生(希望者のみ)が式に参加する予定となっていて、
参加人数がいつもより多く、三日に分けて行なわれているのだそうです。

今日はぎりぎり晴れていますが、明日明後日と雨の予報。

アメリカの大学の卒業式はTOの時以来となりますが、
その時は滅多に降らない大雨に祟られた大変な卒業式となりました。

今度も雨なら、わたしはいよいよ「雨女」決定ですが、どうなりますことやら。