詠里庵ぶろぐ

詠里庵

キログラム原器廃止の方向

2011-10-22 21:49:56 | サイエンス
というニュースがありました。今日二つ目の投稿ですが重要なので書きましょう。長さ、時間、質量、電流のうち質量だけキログラム原器というレトロな方法で定義されていたので、廃止は時間の問題と考えられていましたが、国際度量衡総会として廃止の方針が昨日決まった、というわけです。では新しい定義は何かというと、未定です。何年かかけて決めるのでしょう。それまではキログラム原器は博物館に行かず人類のご神体としてパリに鎮座ましましているのですね。

新しい定義の候補はいろいろありますが、その筋の専門家によれば、有力なのは高純度シリコンの原子の数を数え上げて、ある決まった数まで数えて質量の基準とするという方法なのだそうです。いつごろからそういう案が出て来たのか知りませんが、詠里庵科学エッセイの最初のエッセイ死者は我々の内に甦るに書いたことを思い出しました。「アボガドロ数はどうやって同定されるだろうか?(中略)今思い着いたが、(3)の変形として、最近では走査型トンネル顕微鏡で直接結晶格子が見えるので、アボガドロ数の直接数え上げ・・・なんてのもあるかも知れない」というやつです。思えば大学に移籍する直前の1998年のことでした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ピアニスト松浦豊明 | トップ | NHK手話ニュース845 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サイエンス」カテゴリの最新記事