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お盆墓参に帰省中、フランス・ブリュッヘン

2014-08-17 01:57:14 | 日々のこと(音楽)
訃報に接しました。8月13日、享年79才。

 フランス・ブリュッヘンといえば、少し骸骨のような彫りの深い顔の指揮者(写真右)というのが一般的イメージでしょう。しかし私にとってはリコーダー奏者の貴公子(写真左)です。ずいぶん変貌していますね。私がよく彼のリコーダーソロ(主に無伴奏)のレコード聴いていた頃と、指揮者としての彼も聴くようになった最近の風貌を連続的に接続する彼の風貌を知らないので、彼の演奏を聴かなかった長い空白の時間が私にあったんだなぁと感じます。指揮者になってからの彼は18世紀オーケストラというのを組織して古楽器演奏の大家としてスタートし、そのうちロマン派まで手がけるようになりました。
 しかし私にとってブリュッヘンといえば何といってもリコーダーの大家です。フラーンス・ブリュッヒェンと呼ばれたりしていました。若くして歴史的リコーダーの蒐集家として知られ、膨大なコレクションがあるということです。しかもそれら全てを吹きこなします。リコーダーって小学生の楽器ではないか?と思ったら大間違い。オカリナのような哀愁からパガニーニの弾くヴァイオリンかと思うような超絶技巧まで幅広く、深い。日本の小学校で教えるリコーダーはソプラノリコーダーで、それよりちっこいリコーダーもいくつかあり、最小のリコーダーの最高音域はピアノより高かったり、バスリコーダーの最大のものは人間よりはるかにでかく、コントラバスに近い最低音域が出たりします。まさにオーケストラが編成できますね。
 彼のリコーダー演奏で有名なものとしては涙のパヴァーヌやラ・フォリアがあります。本当に心に染み入る音楽です。昔の話なのでもしご存じなければ是非聴いていただきたく思います。CDはまだまだ売っています。
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