元ページの科学の間を更新しました。今年は学部1年の物理が回ってきたので、その授業のために作った余談です。コリオリの力のところで挿入しました。それにしても1年生は始まる前ガヤガヤしてるし、寝てる人が結構いますね。まあついこの間までは高校生だったんですからね。余談コーナーになるとムクッと起きる人が少なからずいますが、本チャンのときこそ起きてて欲しいなあ。これが大学院の講義となると逆。寝てる人はまずいない。むしろ余談コーナーでは気を抜く顔もあるので、余談を入れる必要はなさそうだ。学部高学年はその中間。まあ、学部1年とM2では小学1年と6年の年の差がありますからね。
の対象の一つが「光周波数の安定化と光コム」(Optical comb)だったわけですが、これはせいぜい10年くらいの新しい技術で、既にGPSなどにも実用になっている画期的技術です。大ざっぱには次のようなものです。
(1)基準レーザーの発信周波数を極めて安定にする。(常にJ.Hallが世界をリード)
(2)LiNbO3等の光変調器で強い変調をかける→超安定なサイドバンドがいっぱい立つ。
(3)サイドバンドは櫛の歯状なので光コムと呼ばれる。
(4)その光と未知の周波数の光を混ぜる→再近接サイドバンドとの間にウナリを生ずる。
(5)そのウナリは低周波電気信号として高精度周波数測定可能。(Haensch発明・開発リード)
(6)従って元々高周波である光の周波数測定としては未曾有の相対精度が得られる。
これって、私の元ページを丹念に読んだ方にはどこかで聞いたような話かもしれません。そう、ピアノ調律の原理とほとんど同じです。なぜ「人間の絶対音感や相対音感などよりはるかに高精度で調律ができる」のか? 二つの音(ドとミなど)を同時に弾くと、それぞれの倍音(間隔の違う「音のコム」が2系列)のうち近接した2本の間のウナリが、人間がカウントできる程度の低周波で聞こえるので、カウントの精度(1ヘルツよりずーーっと良い:1秒間に3拍子か4拍子かは誰でも区別がつく)でもって4200ヘルツ(ピアノの最高音)の調律ができるという寸法です。ちなみに調律の場合上記(1)の基準発振器は簡単に得られ、音叉または電気的発振器を使います。音叉で十分なので私は音叉を使います。
(1)基準レーザーの発信周波数を極めて安定にする。(常にJ.Hallが世界をリード)
(2)LiNbO3等の光変調器で強い変調をかける→超安定なサイドバンドがいっぱい立つ。
(3)サイドバンドは櫛の歯状なので光コムと呼ばれる。
(4)その光と未知の周波数の光を混ぜる→再近接サイドバンドとの間にウナリを生ずる。
(5)そのウナリは低周波電気信号として高精度周波数測定可能。(Haensch発明・開発リード)
(6)従って元々高周波である光の周波数測定としては未曾有の相対精度が得られる。
これって、私の元ページを丹念に読んだ方にはどこかで聞いたような話かもしれません。そう、ピアノ調律の原理とほとんど同じです。なぜ「人間の絶対音感や相対音感などよりはるかに高精度で調律ができる」のか? 二つの音(ドとミなど)を同時に弾くと、それぞれの倍音(間隔の違う「音のコム」が2系列)のうち近接した2本の間のウナリが、人間がカウントできる程度の低周波で聞こえるので、カウントの精度(1ヘルツよりずーーっと良い:1秒間に3拍子か4拍子かは誰でも区別がつく)でもって4200ヘルツ(ピアノの最高音)の調律ができるという寸法です。ちなみに調律の場合上記(1)の基準発振器は簡単に得られ、音叉または電気的発振器を使います。音叉で十分なので私は音叉を使います。
が量子光学で親しみのあるビッグ3に与えられました。Glauberはコヒーレント展開の創始者でそれに対して賞が与えられたわけですが、それ以外にIsing dynamics厳密解と核物理でも大きな仕事をしています。J.Hallは元々laser周波数安定化の最前衛で、その実験室は見ただけで絶句。Haenschも光コム発明後精度向上記録を次々塗り替え、記録更新予測を自らの退官時までしか描かないという自信!それとは別にアトムチップを初めて開発していますから、本当に凄い人です。ま、この3人なら当然ですね。
の美しい映像がNASAから公開されました。お奨めはここにある四つのうち衛星から撮った左上の南極オーロラのmovieと太陽フレアのmovie。いやあ、フツーに、simply、感激しません?
左上の方は幻想的にゆらめくオーロラはもとより、地球そのものの映像も美しい。まれに見る水浸しの惑星を保護する細胞膜のような大気の層のなんと薄くてデリケートなこと。右下の太陽フレアは、その地球を何個も飲み込む規模の生きた磁力線。
いつぞやか、夜の北極圏を飛ぶ飛行機から見えた、遠くの空と地球の境目を頻繁に交錯する光の舞。あれは雷だったのだろうか、オーロラだったのだろうか?
左上の方は幻想的にゆらめくオーロラはもとより、地球そのものの映像も美しい。まれに見る水浸しの惑星を保護する細胞膜のような大気の層のなんと薄くてデリケートなこと。右下の太陽フレアは、その地球を何個も飲み込む規模の生きた磁力線。
いつぞやか、夜の北極圏を飛ぶ飛行機から見えた、遠くの空と地球の境目を頻繁に交錯する光の舞。あれは雷だったのだろうか、オーロラだったのだろうか?
での集中講義が昨日終わりました。3日半、たっぷりの講義でした。主催のX教授はン十年前某会社の研究所に就職したころの上司、ずっと聴講してくれたY教授もそのころの先輩という関係です。ウチの学生数人も出向いて聴講していたこともあり、結構気合い入ったかも。最終日にX教授とY教授の実験室を見せてもらいましたが、その充実ぶりに驚きました。今回の甲南大学といい、この前の高知工科大学といい、研究内容、施設、装置、どれもすばらしいものでした。私学助成ってのがあるんですよと言ってましたが、それだけでは無理でしょう。競争的研究資金を獲得している各個人の力が効いているのは間違いありません。
それにしても六甲ふもとの高みにあるX教授の執務室から望む神戸市と大阪湾の眺めは絶景。ちょうどクッキリと晴れた日でしたが、高速道路、タンカー、対岸の大阪市街、その後ろの山々、飛行機の舞う関空がハッキリ。自席からこんな眺めが見られる教授室なんて初めてでした。
それにしても六甲ふもとの高みにあるX教授の執務室から望む神戸市と大阪湾の眺めは絶景。ちょうどクッキリと晴れた日でしたが、高速道路、タンカー、対岸の大阪市街、その後ろの山々、飛行機の舞う関空がハッキリ。自席からこんな眺めが見られる教授室なんて初めてでした。
が日本科学未来館というところでありました。昨日までそれに出ていたのですが、この日本科学未来館、元宇宙飛行士の毛利さんが館長をしている科学の展示施設で、お台場にあります。夏休みも大詰めだからでしょうか、親子連れで賑わっていました。開館時間の10時にはもう長蛇の列。台場駅前やお台場海浜公園のすごい人の波には負けますが、子供の理科離れの心配が声高に叫ばれる昨今、大変結構なことでした。昼時にはレストランも溢れんばかり。新橋からの新交通システム「ゆりかもめ」は乗ってるだけでもなかなか景色が楽しめます。夏休みも終われば混雑もなくなると思います。カップルでも一人で行っても違和感ありません。機会があれば一度いかが?
の研究の手書き草稿が見つかったそうですね。ボーズ・アインシュタイン凝縮を予言した1925年の論文の草稿です! オランダはライデン大学のページにリプリントも含め詳しく出ていますが、まさしくこのリプリントの手書き草稿ですね。ところでどうでもいいことですがゼータ関数の3/2における値(位相空間でこれを越すと凝縮に相転移する値)がなぜか2.612でなくて2.615となっています。コンピューターのない当時はζ(3/2)=2.615と計算されていたのでしょうか。
それにしても今の教科書でも見慣れた式がいっぱいで、なるほど現代物理の黎明期から文字の使い方なんか今に繋がっているんだなとわかります。さすが、現代のメソスコピック物理のメッカ、ライデン大学ですね。修士学生が図書館で発見したようですが、日本の大学でも図書館をあさると大物の手書き草稿が見つかったりしないでしょうか。
(しかしカタカナでライデンと変換させるの苦労しました。どうしても電信の来電とか相撲取りの雷電になってしまって。)
それにしても今の教科書でも見慣れた式がいっぱいで、なるほど現代物理の黎明期から文字の使い方なんか今に繋がっているんだなとわかります。さすが、現代のメソスコピック物理のメッカ、ライデン大学ですね。修士学生が図書館で発見したようですが、日本の大学でも図書館をあさると大物の手書き草稿が見つかったりしないでしょうか。
(しかしカタカナでライデンと変換させるの苦労しました。どうしても電信の来電とか相撲取りの雷電になってしまって。)
無事帰還おめでとう!最近新しい惑星の話など、宇宙の話題が多いですね。この惑星日本でも観測されたということですが、この矢印の先の星がそれであるということ、天文台の自己申告以外にどのような外部チェックが行われるのか、仕組みを知りたいですね。
さてここ数十年、太陽系に関する知見が増えて来ています。要するに「冥王星を惑星というならなぜこれが惑星でないのか」という天体がいくつもあるようです。発見者にも「私が発見したのは小惑星というべきだろう」という人と「私のは惑星だ」などいろいろあって、どこかで惑星と小惑星の区別をしなければなりません。言葉の定義は知識の増大とともに変化して構わないと思いますが、現時点の科学知識では、冥王星を含めQuaoar、Sedna、2003UB313、2004DWなどは「準惑星」とするのがいいように思います。この場合太陽系の惑星は海王星までの八つということになりますが。国際天文会議でこの新しい星、惑星と見なされるかどうか注目ですね。
さて、冥王星は惑星に入れない方がいいかもと自分で言っておきながら、少し困ることがあります。ご存じのようにホルストの「惑星」は作曲当時冥王星は発見されていなかったので海王星が終曲です。(曲は1916年完成、冥王星は1930年発見) そこで私はPlutoという曲を作り、テープ録音しました。冥王星という名の由来の「黄泉の国」のイメージで。これはシンセサイザーを入手する直前、一瞬エレクトーンを所有していたことがありますが、そのときに重ね録音したものです。万一また新しい惑星が発見されたらまた作曲して行こうと思ったわけです。
ま、次々見つかる星がこうも惑星らしくないとすれば、この先クワイワーとかセドナとかいう曲を作っても、あまり意味はないでしょう。組曲「惑星」は海王星で打ち止めでちょうどいいのかなという気もします。
さてここ数十年、太陽系に関する知見が増えて来ています。要するに「冥王星を惑星というならなぜこれが惑星でないのか」という天体がいくつもあるようです。発見者にも「私が発見したのは小惑星というべきだろう」という人と「私のは惑星だ」などいろいろあって、どこかで惑星と小惑星の区別をしなければなりません。言葉の定義は知識の増大とともに変化して構わないと思いますが、現時点の科学知識では、冥王星を含めQuaoar、Sedna、2003UB313、2004DWなどは「準惑星」とするのがいいように思います。この場合太陽系の惑星は海王星までの八つということになりますが。国際天文会議でこの新しい星、惑星と見なされるかどうか注目ですね。
さて、冥王星は惑星に入れない方がいいかもと自分で言っておきながら、少し困ることがあります。ご存じのようにホルストの「惑星」は作曲当時冥王星は発見されていなかったので海王星が終曲です。(曲は1916年完成、冥王星は1930年発見) そこで私はPlutoという曲を作り、テープ録音しました。冥王星という名の由来の「黄泉の国」のイメージで。これはシンセサイザーを入手する直前、一瞬エレクトーンを所有していたことがありますが、そのときに重ね録音したものです。万一また新しい惑星が発見されたらまた作曲して行こうと思ったわけです。
ま、次々見つかる星がこうも惑星らしくないとすれば、この先クワイワーとかセドナとかいう曲を作っても、あまり意味はないでしょう。組曲「惑星」は海王星で打ち止めでちょうどいいのかなという気もします。
の打上げ、成功してよかったですね。
そういえばアメリカ出張のときスペースシャトルの本物が見たくて、かのスミソニアン博物館に行きました。これは博物館というより、一大博物館・美術館ゾーンですね。半日の空き時間に行ったのですが、全部を見るなんてとてもとても。
で、そのスペースシャトル、置いてませんでした。がっかり。まだ使えるから展示に回していないのかわかりませんが。
しかしアポロ11号をはじめそうそうたる展示に大満足。高校生の頃アポロ11号の月旅行を一部始終釘付けで見ていたのを思い出します。それにしても初期の友人宇宙船の小さいこと。私の部屋に展示しようと思えばできそう。座席は手を回し首を回すくらいしかできないくらいです。
こういうのを見ると、傲慢なアメリカを忘れて、さすが世界一の超大国と思います。悠々自適と思われるお年寄り達に混じって、修学旅行(もちろん制服なんかありませんが)のような高校生らしき一団(連中でかいから中学生かもしれませんが)。クラスの社会学習でしょうか、必死にノートを取る子供の一群。大人になったら自国への自信が潜在意識に宿っているんだろうなあ。
一つだけ注文をつけると、ソ連の業績ももっとパネル展示して欲しい。スプートニクもガガーリンも一応あるけど見過ごしそうな程度。これはやっぱりメインイベントでしょー。深刻な冷戦は過去のことなんだから、そろそろ余裕を見せては?
そういえばアメリカ出張のときスペースシャトルの本物が見たくて、かのスミソニアン博物館に行きました。これは博物館というより、一大博物館・美術館ゾーンですね。半日の空き時間に行ったのですが、全部を見るなんてとてもとても。
で、そのスペースシャトル、置いてませんでした。がっかり。まだ使えるから展示に回していないのかわかりませんが。
しかしアポロ11号をはじめそうそうたる展示に大満足。高校生の頃アポロ11号の月旅行を一部始終釘付けで見ていたのを思い出します。それにしても初期の友人宇宙船の小さいこと。私の部屋に展示しようと思えばできそう。座席は手を回し首を回すくらいしかできないくらいです。
こういうのを見ると、傲慢なアメリカを忘れて、さすが世界一の超大国と思います。悠々自適と思われるお年寄り達に混じって、修学旅行(もちろん制服なんかありませんが)のような高校生らしき一団(連中でかいから中学生かもしれませんが)。クラスの社会学習でしょうか、必死にノートを取る子供の一群。大人になったら自国への自信が潜在意識に宿っているんだろうなあ。
一つだけ注文をつけると、ソ連の業績ももっとパネル展示して欲しい。スプートニクもガガーリンも一応あるけど見過ごしそうな程度。これはやっぱりメインイベントでしょー。深刻な冷戦は過去のことなんだから、そろそろ余裕を見せては?
発見されたというです。太陽系ではありません。HD149026という太陽型恒星の灼熱の巨大惑星だそうです。詳しくはすばる望遠鏡(ハワイにある日本の天文台)サイト内のここを見ていただくとして、ちょっと今日はワキの話題へ。
このニュース、6月14日このブログでとりあげたGliese 876のニュースに似ていますね。これはアメリカのNSF(National Sience Foundation)発、今回のHD149026は日本の国立天文台発。これは科学研究の競争が如何に熾烈かを物語っています。それはそうでしょう。どちらも巨額の税金を使っていますから、誰も施設を使わず何の観測成果もない、というわけには行かないのです。幸いどちらも最先端の精鋭達がこぞって施設利用し、成果を出していますが。
さて、どちらもAstrophysical Journalという専門誌に論文を投稿したということです。この、投稿した段階で一般向け発表、というのが、天文学の競争の熾烈さを物語っています。通常は「明日発行のネイチャー誌に掲載される」などと結ばれる新聞記事またはテレビ報道になります。明日発行ということは、既に他の研究者達によるpeer review(同業専門家達によるcriticismで、editorがrefereeを指名し、忌憚のない批評を得るため通常editor以外は知らず匿名で行われる)を経ているということです。天文学の分野では取り決めが異なるのでしょう。
では信頼性はどう確保するのでしょう? まあ、NSFや国立天文台ですから、自らの発表がいい加減だったら国の威信に関わります。それと、Gliese 876の方はよく知りませんが、HD149026の方は日本だけでなくアメリカも含めた多国籍混成チームによる20人以上もの連名による論文ということで、個人の解釈間違いなどはあり得ないでしょう。
私の研究の一つに量子暗号というのがありますが、現在伝送速度は遅いです。まあクレジットカード番号をインターネットに打ち込むときに使う程度なら伝送速度は遅くてもいいかなと思っていたところ、天文台の人は「大事なデータをハッカーに取られては大変なのでハワイから膨大な観測データを手で運んだりする。早くあなたの量子暗号を高速伝送で使いたい」などと言われたことがあります。
それにしても、どちらも見てきたような想像図が出ていて、私なぞ研究者はつい笑ってしまうのですが、やはり世間へのアピールも重要なので、その努力には頭が下がります。上記サイトを是非見てやってください。
このニュース、6月14日このブログでとりあげたGliese 876のニュースに似ていますね。これはアメリカのNSF(National Sience Foundation)発、今回のHD149026は日本の国立天文台発。これは科学研究の競争が如何に熾烈かを物語っています。それはそうでしょう。どちらも巨額の税金を使っていますから、誰も施設を使わず何の観測成果もない、というわけには行かないのです。幸いどちらも最先端の精鋭達がこぞって施設利用し、成果を出していますが。
さて、どちらもAstrophysical Journalという専門誌に論文を投稿したということです。この、投稿した段階で一般向け発表、というのが、天文学の競争の熾烈さを物語っています。通常は「明日発行のネイチャー誌に掲載される」などと結ばれる新聞記事またはテレビ報道になります。明日発行ということは、既に他の研究者達によるpeer review(同業専門家達によるcriticismで、editorがrefereeを指名し、忌憚のない批評を得るため通常editor以外は知らず匿名で行われる)を経ているということです。天文学の分野では取り決めが異なるのでしょう。
では信頼性はどう確保するのでしょう? まあ、NSFや国立天文台ですから、自らの発表がいい加減だったら国の威信に関わります。それと、Gliese 876の方はよく知りませんが、HD149026の方は日本だけでなくアメリカも含めた多国籍混成チームによる20人以上もの連名による論文ということで、個人の解釈間違いなどはあり得ないでしょう。
私の研究の一つに量子暗号というのがありますが、現在伝送速度は遅いです。まあクレジットカード番号をインターネットに打ち込むときに使う程度なら伝送速度は遅くてもいいかなと思っていたところ、天文台の人は「大事なデータをハッカーに取られては大変なのでハワイから膨大な観測データを手で運んだりする。早くあなたの量子暗号を高速伝送で使いたい」などと言われたことがあります。
それにしても、どちらも見てきたような想像図が出ていて、私なぞ研究者はつい笑ってしまうのですが、やはり世間へのアピールも重要なので、その努力には頭が下がります。上記サイトを是非見てやってください。
として最も『地球似』の惑星発見というニュースが今日(アメリカは時差で13日発になっていますが)流れました。こういうニュース、興奮します。それも地球からたった15光年のところだそうです。
発見したといっても天文台から直接見えたわけではなく、Gliese 876という恒星に木星型のガス惑星が二つあって、その軌道の異常性から第三の惑星が存在しなくてはならない、というわけです。その惑星の重さが具体的に地球の7.5倍しかないと計算されたため、それは木星・土星タイプでなく地球・火星・金星・水星のような岩石型に違いないということです。上のサイトでいきなり現れる星の絵は想像図です。
この発見のされ方は海王星と似ています。天王星の軌道の異常性から海王星の存在が予言され、1846年に実際に予測された位置に観測されました。同じ言葉遣いをするならばGliese 876の第三惑星はまだ予言の段階ですが、軌道面が私たちの視線より40度傾いていることもわかっていたりします。Gliese 876から非常に近く、一年が48時間しかないなど、細かいことは上記サイトに。
さてこのネタはいろんな話題への展開が可能なので、後日いくつかの方向に話を進めようと思いますが、とりあえず今日は、さすがアメリカと言っておきましょう。先頃の出張で見たスミソニアンのこともそのうち書きますが、やはりすごいと思います。傲慢でヤなアメリカでもありますが、こういう活動は素直に世界から尊敬を集めるでしょう。
一応日本も頑張っていることを言うために、国立天文台も紹介しておきましょう。ここのニュースリリースはさすがに表現が学問的でお固いです。ま、無責任なことは書けないんでしょうが、夢のあるSF的説明のサイトがあってもいいように思います。その辺は本来科学マスコミの領分かな。
発見したといっても天文台から直接見えたわけではなく、Gliese 876という恒星に木星型のガス惑星が二つあって、その軌道の異常性から第三の惑星が存在しなくてはならない、というわけです。その惑星の重さが具体的に地球の7.5倍しかないと計算されたため、それは木星・土星タイプでなく地球・火星・金星・水星のような岩石型に違いないということです。上のサイトでいきなり現れる星の絵は想像図です。
この発見のされ方は海王星と似ています。天王星の軌道の異常性から海王星の存在が予言され、1846年に実際に予測された位置に観測されました。同じ言葉遣いをするならばGliese 876の第三惑星はまだ予言の段階ですが、軌道面が私たちの視線より40度傾いていることもわかっていたりします。Gliese 876から非常に近く、一年が48時間しかないなど、細かいことは上記サイトに。
さてこのネタはいろんな話題への展開が可能なので、後日いくつかの方向に話を進めようと思いますが、とりあえず今日は、さすがアメリカと言っておきましょう。先頃の出張で見たスミソニアンのこともそのうち書きますが、やはりすごいと思います。傲慢でヤなアメリカでもありますが、こういう活動は素直に世界から尊敬を集めるでしょう。
一応日本も頑張っていることを言うために、国立天文台も紹介しておきましょう。ここのニュースリリースはさすがに表現が学問的でお固いです。ま、無責任なことは書けないんでしょうが、夢のあるSF的説明のサイトがあってもいいように思います。その辺は本来科学マスコミの領分かな。
と仕事の打合せ。雑談時に次のようなことを言われました。「あなたは物理を情報通信に応用する研究をやっておられるようだが、あまりテクノロジーが早く進歩しても困るんですよね。昔の巻物に書かれた文字は今でも誰でも読めますが、重要文書を収めた8インチのフロッピー読める機械、もうないですよ。永久に読めなくなったらどうします」云々。単に科学や技術のことだけでなく、社会への影響を考えることも大事だという意見でした。
実は同様な問題意識を持っていました。たとえば「ショパンの手紙」「ジョルジュ・サンドの手紙」などを通じてショパンやサンドの生活の一端に触れることができます。当時は離れていたら手紙しかなかったのですから、かしこまった書簡だけでなく結構人間的なやりとりまで残っているわけです。でも今や全てメールで済ませる時代。将来の歴史的人物がいま直筆あるいはサインしたワープロ文書など普段使っていません。メールやケータイ交信記録が残ったとしても、本人のものだと死後は誰が証明できるんでしょう? ひょっとすると昔の人の交信記録は残るけど、これからの人の交信記録は(確かな史料としては)大部分残らない、ということになるかも。テクノロジーの進歩が文化・人類史のあり方を変えてしまうかもしれません。
ま、文化・人類史まで壮大な話に行かなくとも、卑近なところでも問題は起きています。私なぞ、長らくVHSに抵抗してβビデオテープをわんさか持っているのをどうしてくれる、という感じです。自演紹介コーナーもオープンリールデッキが錆び付いていて難航しています。撮り貯めた8ミリを(8ミリビデオも8ミリフィルムも)今どうやって再生したらいいのか? もし子供や親戚の子が将来大人物になってマスコミが赤ん坊の頃の動画を見せろと言って来ても困りますよね。(なんとおめでたい想像)
初めは無責任なテクノロジー開発をたしなめられるはずの雑談が、いつの間にか意気投合していました。
(三日坊主返上!)
実は同様な問題意識を持っていました。たとえば「ショパンの手紙」「ジョルジュ・サンドの手紙」などを通じてショパンやサンドの生活の一端に触れることができます。当時は離れていたら手紙しかなかったのですから、かしこまった書簡だけでなく結構人間的なやりとりまで残っているわけです。でも今や全てメールで済ませる時代。将来の歴史的人物がいま直筆あるいはサインしたワープロ文書など普段使っていません。メールやケータイ交信記録が残ったとしても、本人のものだと死後は誰が証明できるんでしょう? ひょっとすると昔の人の交信記録は残るけど、これからの人の交信記録は(確かな史料としては)大部分残らない、ということになるかも。テクノロジーの進歩が文化・人類史のあり方を変えてしまうかもしれません。
ま、文化・人類史まで壮大な話に行かなくとも、卑近なところでも問題は起きています。私なぞ、長らくVHSに抵抗してβビデオテープをわんさか持っているのをどうしてくれる、という感じです。自演紹介コーナーもオープンリールデッキが錆び付いていて難航しています。撮り貯めた8ミリを(8ミリビデオも8ミリフィルムも)今どうやって再生したらいいのか? もし子供や親戚の子が将来大人物になってマスコミが赤ん坊の頃の動画を見せろと言って来ても困りますよね。(なんとおめでたい想像)
初めは無責任なテクノロジー開発をたしなめられるはずの雑談が、いつの間にか意気投合していました。
(三日坊主返上!)