日本の国家債務は国内総生産の二倍の約1000兆円に達している。その多くは1989年を頂点とするバブルの崩壊以後に発行されている。これほど多額の国債を発行しているにも関らず日本の景気は上向く気配もない。最近日本国債の格付けが引き下げられたのも国債発行額の多さを背景にしている。無論、日本政府は年金資産などの多額の金融資産を保有しており、純債務で見るとそれほど金額は多くないという指摘は重要である。諸外国では年金資産などの金融資産を差し引いた純債務を政府債務として公表しているのに対して、日本は国債発行総残高のみを公表して日本の財政危機を煽っている。これは、日本の弱体さを宣伝することで円を弱くする、あるいは米国からの強請たかりを防ぐ為の戦略でもあるのだろう。
もし日本が国債を今ほど発行していなかったら、日本はもっと酷い大不況に苦しんでいた筈である。日本の国債発行は明らかに景気下支えの効果があったと考えられる。それ以前に、企業分野と家計分野の状況変化によって国債発行増加は避けられない状態になっているのだ。かつての高度成長時代には、工業製品は作れば売れる状態であり、企業は借金して工場を建設し製品を製造した。しかし、バブル以降のゼロ成長時代では市場が飽和状態になっており、売れる商品と売れない商品の二極化が進んでいる。このような時代では、借金して製品を製造するのは製品が売れなかった時のリスクが大きすぎる。そのため、借金ではなく自己資金、つまり内部留保で工場を建設し製品を製造する方向に進んでいる。つまり、製造業の借金が減って貯蓄が増えているのだ。
家計分野でも変化が起きている。日本の金融資産の大部分は高齢者に保有されている。金融資産以外の不動産などでも事情は同じだろう。つまり、日本人は一部の富裕な高齢者とその他大勢に二極化し始めているのだ。そして、高齢者は青壮年と異なりあまり消費を行わない。高齢化社会の到来に伴って、この二極化は進む一方である。従って、高齢者が増加するに従い今後も家計分野の貯蓄は増えていくことだろう。長生きして貯蓄が尽きる危険を考えると、高齢者はあまり貯蓄を取り崩せないことも重要である。長寿は素晴らしいことだが、何事も負の側面がある。
企業部門と家計部門が貯蓄を増やすならば、当然ながら経常黒字が増加することになる。しかし、経常黒字の増加は貿易不均衡として諸外国からの批判を招くために回避する必要がある。そうすると、政府・地方自治体などの公的部門が借金を増やしていくしかなくなるのだ。日本の国債発行残高増加はこのような必然性に基づいているのである。
ただ、企業部門は既にかなりの内部留保を行っている。また、団塊の世代ももうすぐ65才に到達し、高齢者の貯蓄増加は一段落すると考えられる。従って、今後の日本は今ほどは国債を増発する必要はなくなるだろう。国債に代わる財源として考えられるのは、相続税しかないと思われる。一部の富裕な高齢者からの相続税が国家歳入の柱の一つになっていくことだろう。
また、高齢者の保有する財産が消費に廻る様に誘導することも重要である。その為には、高齢者から子供への資産贈与に対する贈与税の軽減が必要であろう。更に、青壮年が退職後に備えて貯蓄に励むことを回避するためにも、年金や健康保険制度の充実が必要不可欠である。年金や健康保険で少ない貯蓄でも生き延びられる確信があれば、青壮年は退職後に備えて貯蓄する必要が無くなるからだ。
日本はバブル崩壊と高齢化社会到来を先進国の中で最も早く体験している。恐らく他の先進国も今後同様の問題を抱え込み、国債増発を余儀なくされるであろう。しかし、国債増発に耐えられる力のある先進国・先進地域は日本・ドイツ語圏・米国西海岸の三地域だけである。その他の地域は貿易赤字に苦しんでおり、新興国に対する技術的優位性をもはや失っている。従って、日・独・米国西海岸の三極以外の先進国は福祉水準の切り下げを余儀なくされ、国民の多くは貧困に苦しむことになるだろう。
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もし日本が国債を今ほど発行していなかったら、日本はもっと酷い大不況に苦しんでいた筈である。日本の国債発行は明らかに景気下支えの効果があったと考えられる。それ以前に、企業分野と家計分野の状況変化によって国債発行増加は避けられない状態になっているのだ。かつての高度成長時代には、工業製品は作れば売れる状態であり、企業は借金して工場を建設し製品を製造した。しかし、バブル以降のゼロ成長時代では市場が飽和状態になっており、売れる商品と売れない商品の二極化が進んでいる。このような時代では、借金して製品を製造するのは製品が売れなかった時のリスクが大きすぎる。そのため、借金ではなく自己資金、つまり内部留保で工場を建設し製品を製造する方向に進んでいる。つまり、製造業の借金が減って貯蓄が増えているのだ。
家計分野でも変化が起きている。日本の金融資産の大部分は高齢者に保有されている。金融資産以外の不動産などでも事情は同じだろう。つまり、日本人は一部の富裕な高齢者とその他大勢に二極化し始めているのだ。そして、高齢者は青壮年と異なりあまり消費を行わない。高齢化社会の到来に伴って、この二極化は進む一方である。従って、高齢者が増加するに従い今後も家計分野の貯蓄は増えていくことだろう。長生きして貯蓄が尽きる危険を考えると、高齢者はあまり貯蓄を取り崩せないことも重要である。長寿は素晴らしいことだが、何事も負の側面がある。
企業部門と家計部門が貯蓄を増やすならば、当然ながら経常黒字が増加することになる。しかし、経常黒字の増加は貿易不均衡として諸外国からの批判を招くために回避する必要がある。そうすると、政府・地方自治体などの公的部門が借金を増やしていくしかなくなるのだ。日本の国債発行残高増加はこのような必然性に基づいているのである。
ただ、企業部門は既にかなりの内部留保を行っている。また、団塊の世代ももうすぐ65才に到達し、高齢者の貯蓄増加は一段落すると考えられる。従って、今後の日本は今ほどは国債を増発する必要はなくなるだろう。国債に代わる財源として考えられるのは、相続税しかないと思われる。一部の富裕な高齢者からの相続税が国家歳入の柱の一つになっていくことだろう。
また、高齢者の保有する財産が消費に廻る様に誘導することも重要である。その為には、高齢者から子供への資産贈与に対する贈与税の軽減が必要であろう。更に、青壮年が退職後に備えて貯蓄に励むことを回避するためにも、年金や健康保険制度の充実が必要不可欠である。年金や健康保険で少ない貯蓄でも生き延びられる確信があれば、青壮年は退職後に備えて貯蓄する必要が無くなるからだ。
日本はバブル崩壊と高齢化社会到来を先進国の中で最も早く体験している。恐らく他の先進国も今後同様の問題を抱え込み、国債増発を余儀なくされるであろう。しかし、国債増発に耐えられる力のある先進国・先進地域は日本・ドイツ語圏・米国西海岸の三地域だけである。その他の地域は貿易赤字に苦しんでおり、新興国に対する技術的優位性をもはや失っている。従って、日・独・米国西海岸の三極以外の先進国は福祉水準の切り下げを余儀なくされ、国民の多くは貧困に苦しむことになるだろう。
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今 ある現状が 想定内の景気の悪さである事を祈ります。
パソコンや 機械化が発達した事によって 人材がいらなくなり
更に、情報が乱雑している現代では 人の和も乱れやすくなり 生きている価値観をみいだせにくい時代であると感じます。メディアは我欲をあおり 精神的な幸福感がわからなくなっているのでは?
>そうすると、政府・地方自治体などの公的部門が借金を増やしていくしかなくなるのだ。
>日本の国債発行残高増加はこのような必然性に基づいているのである。
というよりも、単純に日米構造協議による圧力では。迂回貿易も含めた対米総攻撃の結果、国内産業が崩壊した米からの反撃を食らって国債発行して内需拡大を強要されたわけですよね。
それを日本は円安誘導に利用し、円キャリーによるバブルが発生し、それがはじけたのが現在ですね。
問題はその税収の使い道です。私は、消費税の逆進性を緩和する為に、国民全員に一律の金額を配るミニマムインカム制度の導入が良いと思います。生活保護や基礎年金はこのミニマムインカム制度に発展的解消させていくべきでしょう。また、長生きして金がなくなり生きていけなくなるリスク、病気の治療費が払えずに死ぬリスクをなくすためにも、年金と健康保険の維持が必要です。ただし、高齢者の医療については、どこまで治療すべきかの基準を若年者と変えるという社会的合意も必要になってくると思います。現状では、高齢者でも家族や本人が希望すれば高額医療が行われていますが、団塊の世代が高齢化した時にはこのシステムは破綻してしまいます。
この上さらに政府までもが公共事業を縮小したら
消費者が居なくなりますね
日本国内には"お客さん"が居なくなってしまいます
(輸出で稼げばいいというのは、円高なので論外でしょう
また人件費の低い新興国、途上国と消耗戦になるだけです)
コンクリートから人へなどという愚かな事をやってないで
今こそ、国債を発行して公共事業を行うべきだと思います
小中学校の耐震化工事や、混雑する首都高に、地下にでもバイパスを作るべきではないでしょうか
高度経済成長時代に建設された各インフラも、耐用年数を迎える頃です
消費税も下げれば、消費が活性化し、かえって増収になるかもしれません
こんなに借金が増えたのは、消費税を5%に上げたからです。
消費税は、消費禁止税ですから、景気が悪くなのは当たり前です。
ですから、上げる、上げると言いながら絶対上げないことです。
先の大戦で、奥の院が馬鹿な海軍軍人をだましたように。
今は、馬鹿(テスト秀才)の財務省の馬鹿連中を騙しているんです。
そうやって王子様がおっしゃるとおり、
ダメリカを騙しているわけです。
アメリカと中国が滅びて独立する日が来たら、
消費税は下げるべきです。
それに国債で一番重要な事は借り換えができるかできないかです。
全部返す必要はないのです。
国の寿命は人より当然長いのですから、
長い期間で増えたり、減ったりすればいいだけなのです。
国債発行が多くなったわけは一例を挙げれば健康保険の負担を一割にしたことである。
前と同じ5割負担にしておいて、保険料を下げればいいものを人口構造からくる、保険収入の増加に対して自己負担分を少なくした。この判断はよかったか?
多くのわが国の公的負担は中身が空っぽで、ただただ銭勘定で、しただけである。
反対に負担を増やさなければいけないものがあるがそれはしない、そのれいは年金保険料だが、これは健康保険の逆だっただろう。
>そうすると、政府・地方自治体などの公的部門が借金を増やしていくしかなくなるのだ。日本の国債発行残高増加はこのような必然性に基づいているのである。
ということは結果としてなっただけで、元は別である。
健康保険の自己負担を始めたときと同じように5割負担をして、おけば、国債発行など今ほど多くはなかっただろう。
国債を発行していッたい何をしてきたか?
つまり国債の反対項目を見ると、そこになにがあるか?
また国債の仕組みを見るとそれは後払いの税金である。それ以外に国債のメカニズムを見るとありえない。
多くの経済学者はそれを知っておりながら、だんまりをしていたに過ぎない。
すべてはインフレを前提に動いていた世界へデフレがきたから、手がなくなったに過ぎない。
国債の償還は仕組み上、できないもので、もはや国民は国債をかってはならない。
つまり貯金をしてもそれは意味が無いということである。
早く使うことだろう。しかし在る程度の人々は今使うものが無いのではないか?