裏切りのサーカス(原題:Tinker Tailor Soldier Spy)
2011年 イギリス=フランス=ドイツ
監督:トーマス・アルフレッドソン
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロビン・スロヴォ
製作総指揮 :ピーター・モーガン、ライザ・チェイシン、ロン・ハルパーン、デブラ・ヘイワード、ジョン・ル・カレ、
ダグラス・アーバンスキー
脚本:ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン
出演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング
ベネディクト・カンバーバッチ、キーラン・ハインズ
冷戦時に暗躍した、イギリスの秘密情報収集機関・通称「サーカス」。
「サーカス」のボス、コントロールは内部に二重スパイがいると確信していたが、
探りきれぬまま責任を問われ引退、そして死去。
部下であったスマイリーも、コントロールとともに引退に追い込まれていたが、
再び「サーカス」内に二重スパイの存在が浮上し、スマイリーは調査を依頼される。
亡きコントロールの推測を追っていくと、二重スパイの候補にはそれぞれ
「ティンカー(鋳掛屋)」、「テイラー(仕立屋)」、「ソルジャー(兵隊)」、「プアマン(貧乏人)」
というコードネームが付けられていた。
そしてスマイリーも「ベガマン(乞食)」という名を与えられていた。
自分が右腕となって支えてた上司に「ベガマン」と思われてたなんて、キツいなあ。
しかし裏切り者を追うスマイリーは、何があっても、もとより寂しげな表情を崩さないまま
静かに状況を受け入れていく。
イギリスの名優を揃え、東西冷戦時代の裏切りをテーマに描く本作の雰囲気は、ずっしり重い。
サスペンス映画によくあるスピード感とは無縁。
情感たっぷりに、絡み合いよれていく糸を1本1本ほぐしていく。
なぜ、そこに至ったのか、ひとつずつの事柄に対しても理由をたっぷり考えさせられるので
見終わって、随分後になってからも思い返してしまいそう。