チェイサー(原題:Mort d'un Pourri)
1978年 フランス
監督:ジョルジュ・ロートネル
製作:ノルベール・サーダ
脚本:ジョルジュ・ロートネル、ミシェル・オーディアール
出演:アラン・ドロン 、モーリス・ロネ、ミレーユ・ダルク、ステファーヌ・オードラン、クラウス・キンスキー、オルネラ・ムーティ
親友から殺人のアリバイを頼まれた男は、事件に関わるうちに財界を揺るがす書類を手に入れ、
警察からも犯行グループからも追われる立場に・・・。
ジャズのリズムにのせて、とんとん拍子に事件の深みに嵌まっていきます。
男臭さがムンムン薫る、アラン・ドロン43歳の時の作品です。
ただ、ドロンと親友のシーンは仲の良さがあまり感じられなくって、なぜ、この人のために
こんな骨を折ってやるのか、納得いきません。
なにが起きても表情はさほど変えなくて、まさに苦虫を噛みつぶすだけ。
これは文化の違いだと思うのですが、小説にしてもドラマにしても日本のハードボイルドものには
とことん侠気を感じるのに対して、欧州のそれは淡々としています。
泥臭さはなく、あっさりと。
しかし、そんな渋い演技の中でも、嘘をつくときの瞳のきらめきは
アラン・ドロン独特のものがあって、思わずほくそ笑んでしまいます。
エンドロールへの流れのキザったらしさときたら・・・さすが世紀の二枚目ですね。