Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

モンテーニュ通りのカフェ(映画)

2011年09月21日 | 2000年代 欧州
モンテーニュ通りのカフェ(原題:FAUTEUILS D'ORCHESTRE/AVENUE MONTAIGNE)

2006年 フランス
監督:ダニエル・トンプソン
出演:セシル・ド・フランス、ヴァレリー・ルメルシエ、アルベール・デュポンテル、クロード・ブラッスール、クリストファー・トンプソン

パリ・モンテーニュ通りに面する実在のカフェ「バー・デ・テアトル」
を舞台に、パリの著名人達の悲喜こもごもを描く群像劇。

ギャルソン見習いとして働くことになったジェシカは、そのカフェで、
さまざまな人々の出会いや別れ、それにまつわる想いを、好奇心旺盛な
子猫のように、あちこちに首をつっこみ、気まぐれに、軽やかに、時に
は所在なさげに、時には寄り添って、見て回る。
(セシルの仕草、表情ひとつひとつがかわいい~!! so so cute!!)


テレビドラマで人気の女優カトリーヌは、重厚な作品に出れない、と
嘆き、美術収集家のグランベールは今まで必死になって集めて来たコレ
クションをすべて手放すオークションを開く。世界的な人気ピアニスト
のジャン=フランソワは、営利主義の演奏会にうんざりし、田舎にすん
で病人や子どもたちの心を癒す音楽を演奏したいと言う。

彼らは皆、恵まれた地位にあるにもかかわらず、手の届いていないもの
に想いをよせる。
そんな想いを知らず、無邪気によっていくジェシカの無邪気な笑顔が
実に愛らしい。舞うように軽やかなステップに見惚れ、次々にシーンが
入れ替わる見事なこと。

このカフェや周辺に登場する魅力的な人物たちが、単にキャラで魅せる
のではなく、人生そのもの!というような苦悩や決断や、希望をこの
短いフィルムの中に詰めこんでいるところが、何とも素晴らしい。
素朴でいて、贅沢な、山盛りの砂糖菓子のような作品です。