ゲンスブールと女たち(原題:GAINSBOURG,VIE HEROIQUE)
フランス=アメリカ 2010年
監督:ジョアン・スファール
出演:エリック・エルモスニーノ、ルーシー・ゴードン、レティシア・カスタ、
ダグ・ジョーンズ、アナ・ムグラリス 、ミレーヌ・ジャンパノイ、
サラ・フォレスティエ 他
数々の名曲を生み出し、名だたる美女たちと浮き名を流したセルジュ・
ゲンスブールの破天荒な人生を描いた作品。
ナチス支配下のフランスで、ユダヤ人の両親の元に生まれた彼は
煙草を吸いながら絵を描き、ヌードモデルを口説くようなマセた少年。
バーのピアノ弾きとして働きながら美術学校で絵を学んでいたが、
やがて音楽の道で生きていくことを決意し、セルジュ・ゲンスブールと
名乗るように。
バーで作った歌が認められると、ゲンスブールに曲を提供してもらいたい
という歌手は列をなし、ジュリエット・グレコ、ブリジット・バルドー、
ジェーン・バーキン等々、美女達とのロマンスに明け暮れた。
この映画で、ゲンスブール自身は多くを語らない。
その代わりに、心理描写として彼につきまとう分身が、実に雄弁。
子供の頃は醜いユダヤ人の顔を持ち、風船のように膨れたお化けが
相棒の様についてまわり、コンプレックスの具現化とも思われたのだけど
いつしか分身のパンパンに膨れた顔は破裂し、嫌われ者の教授として
生まれ変る。
この分身である教授がゲンスブールの背中を押し、そそのかし、
あの手この手で操って、ついには彼を呑み込んでいってしまう。
スキャンダラスな人生は分身のせいだ、なんて、もちろん言い訳だけど。
わたし達もそれぞれ、もう一人の自分(分身あるいは自我のかたまり)を
抱えていながら、知らず知らずのうちに呑みこまれたり、呑みこんだり
しているのかなあ。
「夢見るシャンソン人形」「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」といった
手がけた曲の素晴らしさや、女優・歌手たちとの華々しい遍歴とは対比的に
酒と煙草に溺れて行く男の姿が哀しく、切なさが胸を撫でる。
見どころはいっぱいあったけど、好きなのは
ピアノを弾きだしたら女性を口説かずにはいられないところ
さずがはフランスきっての伊達男だなあと、納得。
フランス=アメリカ 2010年
監督:ジョアン・スファール
出演:エリック・エルモスニーノ、ルーシー・ゴードン、レティシア・カスタ、
ダグ・ジョーンズ、アナ・ムグラリス 、ミレーヌ・ジャンパノイ、
サラ・フォレスティエ 他
数々の名曲を生み出し、名だたる美女たちと浮き名を流したセルジュ・
ゲンスブールの破天荒な人生を描いた作品。
ナチス支配下のフランスで、ユダヤ人の両親の元に生まれた彼は
煙草を吸いながら絵を描き、ヌードモデルを口説くようなマセた少年。
バーのピアノ弾きとして働きながら美術学校で絵を学んでいたが、
やがて音楽の道で生きていくことを決意し、セルジュ・ゲンスブールと
名乗るように。
バーで作った歌が認められると、ゲンスブールに曲を提供してもらいたい
という歌手は列をなし、ジュリエット・グレコ、ブリジット・バルドー、
ジェーン・バーキン等々、美女達とのロマンスに明け暮れた。
この映画で、ゲンスブール自身は多くを語らない。
その代わりに、心理描写として彼につきまとう分身が、実に雄弁。
子供の頃は醜いユダヤ人の顔を持ち、風船のように膨れたお化けが
相棒の様についてまわり、コンプレックスの具現化とも思われたのだけど
いつしか分身のパンパンに膨れた顔は破裂し、嫌われ者の教授として
生まれ変る。
この分身である教授がゲンスブールの背中を押し、そそのかし、
あの手この手で操って、ついには彼を呑み込んでいってしまう。
スキャンダラスな人生は分身のせいだ、なんて、もちろん言い訳だけど。
わたし達もそれぞれ、もう一人の自分(分身あるいは自我のかたまり)を
抱えていながら、知らず知らずのうちに呑みこまれたり、呑みこんだり
しているのかなあ。
「夢見るシャンソン人形」「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」といった
手がけた曲の素晴らしさや、女優・歌手たちとの華々しい遍歴とは対比的に
酒と煙草に溺れて行く男の姿が哀しく、切なさが胸を撫でる。
見どころはいっぱいあったけど、好きなのは
ピアノを弾きだしたら女性を口説かずにはいられないところ
さずがはフランスきっての伊達男だなあと、納得。