Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

反撥

2012年09月12日 | 1960年代 欧州

反撥

1965年 イギリス
監督:ロマン・ポランスキー
出演:カトリーヌ・ドヌーブ、イヴォンヌ・フルノー、ジョン・フレーザー

エステサロンで働く若い娘キャロルは、姉と同居している。
姉は毎日のようにボーイフレンドと会い、情事を重ねているが、
キャロルは自身の性の目覚めとともに嫌悪感を抱くようになる。
情事・・・ひいては、男というだけで。
その鬱積とした心持ちは日に日に大きくなり、彼女の精神をも蝕んでいく。

暗い目をした少女。
この役は、カトリーヌ・ドヌーブにあってないんじゃないか?
とも、感じるのだけど
演技や演出は素晴らしく、後半はかなり恐ろしかった。

暗い目がいつしか虚ろとなり、狂気に侵されていく。
現実と白昼夢が交錯する。

大人への階段は、こんなに険しかっただろうか。

地下鉄のザジ(映画)

2011年08月24日 | 1960年代 欧州
地下鉄のザジ (原題:Zazie dans le Metro) 
                 
フランス 1960年
監督:ルイ・マル
出演:カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、ヴィットリオ・カプリオリ

母親に連れられ、田舎からパリへ出て来たザジ。
ザジは好奇心旺盛で、いたずらが大好きな10歳の女の子です。
母親は、兄のガブリエルにザジを預け、自分は勝手に遊びにでかけてしまいます。

ザジはパリで地下鉄に乗りたかったのだが、ストライキのために地下鉄はストップ
しています。
しょうがなく伯父さんにつれられて街の見物。
その翌日、ザジはこっそりひとりで街に出て、パリの人たちにいたずらをして回る・・。

典型的スラップスティックコメディ(ドタバタ喜劇)とも言われる作品だけど、
それだけではなく、かなりシュール。
ザジの可愛いらしく、おしゃまで、むちゃくちゃな行動に目を奪われているうちに
いつのまにか深い闇へと引き込まれていくよう。

ガブリエルの「これも、また夢」と言う台詞が印象的です。
この映画のストーリーのことを言っているのか、
この映画を見ているわたし達の人生を指しているのか・・・。

時折、ギクッとするような台詞を散りばめて
コメディの中にある必然的な暗さを強調している気がします。