朝令暮改

朝令暮改という４文字熟語は「命令や方針が絶えず改められてあてにはならないこと」を意味しています。言葉通り、朝出された命令が夕方には改められるといった漢書の記述に基づいているといわれます。どうも、こうしたことは日本の今に始まったことではないようです。

野党４党が後期高齢者医療制度の廃止で合意したということです。この制度は、その呼称と共に、保険料の年金天引きなどお年寄りの負担を増やすものとして、国民の反発も大きかったものです。ガソリン税の暫定税率延長問題も、結局は１ヶ月の間に、下がって上がりました。衆参ねじれ国会になっているがための現実です。

ですが、ゆとり教育がそうであったように、最近の政治はまさに朝令暮改だと言われても仕方がなくはありませんか。新幹線栗東駅も結局は朝令暮改に至りました。いったんは定まったことが、やはり様々な批判があって、結局は廃止に至るという過程は、実は悪くはないはずです。間違った道を思いとどまる理性を持っているということですから。

世の中にはいろいろな考え方が存在します。どれが正しくて、どれが間違いかが、透けて見えれば問題はないのでしょうが、そうはいきません。２転３転して結局落ち着いた結論が、本当に正しいかどうかなんて誰にもわかりません。要は、それだけの議論が噴出することを、議論を尽くさず安易に定めてしまうところに問題があるのでしょう。

密かに裁判員制度も然り？と思っています。新制度が走り出してからの見直しは、遠回り過ぎます。司法に民意を反映させると言われてはいますが、そうしたルールを定める際に民意を反映させる議論が十分に尽くされていたのでしょうか。あまりにも簡単に法がコロコロ変わるという現実は、立法の権威に幻滅を招きそうです。


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