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2022年04月03日 | 命の生き方
命より大切なものはありません。

では今海の彼方で砲弾が飛び交う中、敢えて祖国に留まり身を呈して国を守ろうとしている人は、その何よりも優先されるべき命を投げ出して、何を守ろうとしていると考えれば良いのでしょうか。それはまさに、命よりも優先すべき事が、この世の中には存在することを、まざまざと証明しています。

学校教育では「命の大切さ」を実感させることに、重きが置かれています。まずは自分の存在そのものを価値あるものとして認めることができなければなりません。生きていることの素晴らしさを感じなければなりません。そして、自分の命と同様に、他人の命が大切にされなければならないという事を、繰り返し教えていかねばなりません。壮絶ないじめや凶悪な犯罪が起こる度に、改めて背筋を伸ばし、一層声を大にして「命」の教育が叫ばれます。

「生きていること」それ自体が、それだけで素晴らしいのです。それなら、他国に占領されようと、自由を奪われようと、命を大切に考えれば良いのではないか…という暴論が成り立ちます。でも現実はそうでは無いことを、私たちは彼の国から学びます。

ただ単に「命を大切にしましょう」「自分を大切にしましょう」と唱える事とは違った視点から、私たちは考えなければならないのではないでしょうか。命を大切にして「何を」すべきなのか。「何のために」命は燃やすべきなのか。つまり、どう生きるべきなのか。自分の理想とする生き方は、どういう事なのか。そういう問いかけが必要なのではないでしょうか。「自分を大切にする」「自分を活かす」というのは、一体どういうことなのか。

「人は何のために生きるのか」。かつては永遠のテーマであったはずの事が、今は掘り下げられなくなったような気がします。「生きているだけで素晴らしい」のだという理論にいつの間にかすり替わっていて、自分軸ばかりが重んじられる場面にいくつも遭遇します。軸は自分の中…というよりも、もっと遠い彼方の一点から引っぱられている…そんな気がします。

君は何のために生きるのですか。あなたはどのように生きたいのですか。人はどうあるべきなのですか。それぞれが心に刻んで生きなければならないのではないでしょうか。どんな人でも、明日命が終わりを迎える可能性はゼロではありません。

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