ITなるものが出現して、世の中は便利になりました。キット今の時代に生まれた世代には特別なものではなくて、これが当たり前なのですね。多分「便利」という言葉が、一番当てはまるのだと思います。
昔、英文タイプライターを使っていました。キーボードをたたくと、先端部に活字が付いたアームがインクリボンの上から紙に叩きつけられて、印字することができます。キーから指を離すことで、ローラーが1文字分ずつ右にずれていき、右端まで行くと改行レバーで左に戻す…という原始的な構造ですが、それ以前は個人で活字を印字をすることはできませんでしたから、画期的な発明だったと思います。タイプミスをした場合は、訂正用紙の(修正テープ)を挟んで、同じ活字を上からもう一度打ち込んで、白く消していました。入力を済ませた紙を、全く同じ位置に同じ文字が打ち込めるよう、ピンポイントで紙をセットするのに神業(笑)が必要でした。
タイプライターが手動式から電動式に進化したので、改行や紙送り、打刻などが楽に均一の力で行えるようになりましたが、その後登場することになるコンピューターのようにいくらでも印字文字の訂正ができるようになるのは、画期的でした。ですから、レトロ以外の理由で、昔のタイプライターに戻りたいとは思わないのですが、「やり直しが効く」か「効かない」かが、デジタルとアナログの分かれ道のような気がします。
何度でもやり直すことができる方が、便利で、その分仕上がりもきれいになるのは当然ですが、一方でやり直すことができると思うと、そこには「覚悟」が失われたのではないかという気がします。
書は、墨をするところから、それが始まります。短時間でチャチャッと墨は濃くはなりません。単調な墨の往復運動をしている間、他の事ができるわけではありません。そうやってすった墨を筆にたっぷり含ませて、紙に筆を下ろす瞬間…には緊張があります。一旦下ろしてしまったら、修正はできません。筆を下ろした瞬間に後悔をしても、戻すことはできません。勿論反故にして、新たな紙に向き合う事で、また「1」から始めることはできるにせよ、清書用の紙…というのは数が限られていたりもしますから、常にこれで仕上げるのだという「覚悟」を持って、筆を下ろします。
デジタルな世界には、その覚悟が要りません。切り貼りをすることも簡単ですから、安易な気持ちで取り組むことができます。下手をすると、テンプレートなどといったものがたくさん出回っていますから、自身は殆どクリエイティブなことをせずに、イッパシの文書を仕上げることができます。それがデジタルな世界の醍醐味ではありますが、「覚悟」を失ったもの…には、もしかすると籠る魂も違うのかも知れません。
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「プリンタのインク残量を表示させる」
パソコンのご質問を(ぱぁと2)にまとめています。ご連絡の際は、メール(chiko_419@yahoo.co.jp)をお送りください。
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タイプライターが手動式から電動式に進化したので、改行や紙送り、打刻などが楽に均一の力で行えるようになりましたが、その後登場することになるコンピューターのようにいくらでも印字文字の訂正ができるようになるのは、画期的でした。ですから、レトロ以外の理由で、昔のタイプライターに戻りたいとは思わないのですが、「やり直しが効く」か「効かない」かが、デジタルとアナログの分かれ道のような気がします。
何度でもやり直すことができる方が、便利で、その分仕上がりもきれいになるのは当然ですが、一方でやり直すことができると思うと、そこには「覚悟」が失われたのではないかという気がします。
書は、墨をするところから、それが始まります。短時間でチャチャッと墨は濃くはなりません。単調な墨の往復運動をしている間、他の事ができるわけではありません。そうやってすった墨を筆にたっぷり含ませて、紙に筆を下ろす瞬間…には緊張があります。一旦下ろしてしまったら、修正はできません。筆を下ろした瞬間に後悔をしても、戻すことはできません。勿論反故にして、新たな紙に向き合う事で、また「1」から始めることはできるにせよ、清書用の紙…というのは数が限られていたりもしますから、常にこれで仕上げるのだという「覚悟」を持って、筆を下ろします。
デジタルな世界には、その覚悟が要りません。切り貼りをすることも簡単ですから、安易な気持ちで取り組むことができます。下手をすると、テンプレートなどといったものがたくさん出回っていますから、自身は殆どクリエイティブなことをせずに、イッパシの文書を仕上げることができます。それがデジタルな世界の醍醐味ではありますが、「覚悟」を失ったもの…には、もしかすると籠る魂も違うのかも知れません。
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