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オーバーブッキング

2017年05月01日 | 社会派らぼ
米国ユナイテッド航空の旅客機で、血だらけになったアジア系の男性が航空警察官によって引きずり降ろされるという映像に、非難が殺到しました。航空会社へのボイコット運動呼びかけも起こり、株価が一時下落する騒ぎとなりました。結局、航空会社の全面的に謝罪をしています。

社会は、一体何が起こったのだろうか?と驚きましたが、騒動の発端となった「オーバーブッキング(飛行機の座席数以上の予約を受け付けている)」がごく普通の状態なのだと知って、2度驚かされることになりました。航空会社には、このような裁量が認められているというのです。

航空会社では、あらかじめ予約を受け付けていますが、予約をしている乗客が100%搭乗するのかというとそうではありません。直前になってドタキャンする客がある程度の比率は居るわけです。キャンセルがあると、飛行機は空席のまま飛ぶわけで、それでは勿体無いと、キャンセル分を見越して多めの予約を受け付けているのだそうです。結果、キャンセルがあっても、満席で飛行機を飛ばすことができ、その分航空会社の利益が増える事になります。ですが、見越したキャンセル分と、実際のキャンセル客の間に差が生じると、定員オーバーになる、これが今回生じたわけで、特別珍しいことでもなんでもないと、知りました。定員オーバーになった場合、飛行機には「立ち席」というのが認められませんので、前便、次便(時に翌日便)などに回ってもらう客を募るそうです。多少の謝礼金があったり、クラスを上げるサービスがあったりして、応じてくれる人がいる場合は円満に収まりますが、そういう人がどうしても見つからない場合15分前までに保安検査場を通過していない人が切られるのだそうです。

これは別段航空会社だけの珍しいケースという訳ではなく、ホテルの宿泊予約なども同様の措置が取られていると言います。そう言えば、大学入試の合格発表も、辞退者が出るのを見越して多めの合格者を出すのが通例と聞いています。私たちの日常生活の中で、オーバーブッキングというのは、殊更珍しい例では無かったことに、今更のように気づきました。

だから、そうならないように…必ず15分より前に保安検査場を通過するようにしなさい…などの「howto」がネットを賑わせています。それが当たり前と言われても、なんか納得がいかない部分があります。確かにドタキャンというのは「よくある話」で、それでも損をしないように、もしくはもっと得をするように…と説明されると、「それが当たり前」の世の中に多少の違和感がぬぐえません。

全ては「1円でも多く」収益を上げなければならない…この社会がもたらしているもののように思えてきます。会社は収益を上げる事が必須で、その努力を放棄している会社には、大ブーイングが起きるはずですし、第一生き残ってはいけません。支出をいかに抑え、収入をいかに増やすか…が、経営者の腕の振るいどころに違いありません。

米国のトランプ大統領は「失われた雇用をアメリカに取り戻す」と公約し、実際Apple社などに製造拠点を米国内に移すよう求めています。しかし先日アメリカの大学生が、身分を隠して中国のiPhone製造工場に6週間潜入した結果、「アメリカにiPhone製造を呼び戻せはしない」とその感想を語って注目を浴びています。理由は、現在の中国工場の賃金では、アメリカの働き手は見つからない事、高いアメリカ人を雇用するくらいならその製造はロボットに任されるであろう事…が、彼がそう感じる理由なのだそうです。

いずれにしても、そうでなければ話にならない…という言わば当たり前中の当たり前ですが、現代社会では収益を上げる事が何よりも大切です。それが資本主義の世の中なのだと理解しています。ですが、私には「資本主義」が、人間が到達する理想の社会だとは思い難いところがあります。お金という分かりやすいツール以外に価値を置く社会…というのは望めないのでしょうか。

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