喫煙所騒動

愛知県の全寮制私立高校に喫煙所が設けられていたとして、県警の家宅捜索を受け、関係者が書類送検されると報じられました。未成年者の喫煙を容認するかのような、呆れた教育現場に非難の声が上がっています。

その一方で、同校は全国から不登校や、高校中退の生徒を広く受け入れている学校として知られているようです。教育の場から締め出されていく子ども達に手を差し伸べる学校づくりを目指し、市民立の学校としてスタートしています。

子ども達は、その殆どが一度や二度、社会から追われるような心持を味わっていると想像されます。その荒んだ10何年を取り戻させようとする場で、「たばこ」という社会悪と簡単に決別できない生徒の指導に苦悩した現場も分からないでもありません。

法律は法律です。駄目なものはダメと教えることが教育です。ですが、ここから追われた生徒を受け入れる場はなく、見捨てられて社会の中に散ってしまう彼らが何年かの後に、荒んだ気持ちのやり場に苦悩することも十二分に考えられます。規則とは切り捨てるものでなく、その背景の志を生かすものでなくてはなりません。今回の県警の対処は正しいと思いますが、ただ単に切り捨てるのでなく、そうした彼らをどのように指導していくか、どうやって社会ルールの場に引き戻すかを、親身に考える必要が一方にはあると思います。

規則を一方的に振り回すだけで、実のところは民間の善意に頼るしかない政治は貧困です。


「冷却ファンの音が大きい」
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