プロフェッショナル仕事の流儀 file,098

　テレビでここまで見せるかと、久々に鳥肌が立ちましたね。プロフェッショナル・仕事の流儀 file no,098 は、秋田県出身で横浜郊外にある昭和大学横浜市北部病院副院長兼消化器センター長、大腸内視鏡医工藤進英（61）。

　奇しくも9/14米国で最も権威ある医学賞とされ、ノーベル賞の登竜門ともいわれる「ラスカー賞」を、秋田県由利本荘市出身の応用微生物学者、遠藤章氏（74）が受賞されました。また「秋田県立脳血管研究センター；通称脳研」は全国的にもトップレベルの研究機関です。このように秋田の医療レベルは高いんです。


　大腸がんでは年間４万人が命を落としているそうです。やはり早期発見早期治療が大事なのでしょう。その昔、内視鏡検査は「お産より苦しい」という時期もあったようです。私も１０年ほど前検査を受けてますが、それほど痛い記憶はないです。尿道検査に比べれば屁みたいなもんです。

　早期だと内視鏡による切除ができることがメリットです。生理食塩水を注入し、ポリープを盛り上がらせ、細いワイヤーをかけて、高周波電流を流し一気に焼き切る。切り取った腫瘍はネットに包んで回収、と比較的短時間で済むとか。

　上の写真の内視鏡には、空気が出たり掃除機のように吸う、あるいは水が出る、１００倍まで画像の拡大が出来るなど多機能が盛り込まれています。内視鏡メーカーは伏せられていましたが、世界シェアー７０パーセントの「オリンパス（株）」以外ないでしょう。『カプセル内視鏡』も開発されており、いよいよ虫型ロボットみたいなのを遠隔操作して手術したりする日も近いと思われます。

　内視鏡での除去が難しい場合には、お腹に小さな穴を開けての「腹腔鏡（ふくくうきょう）手術」になり、それがダメな場合に外科手術となるようです。がんの広がりと深さ、リンパ節転移、転移の範囲の判断と判断の連続になります。

　実は身内が外科手術を受けており、切り取った腸も見ています。やはり転移を考慮して多めに切り取られていました。ところが、外科手術はその後お腹に力が入らず、腰折れ状態になり歩くのも大変になります。


　あるいは直腸を全摘出するような手術だと人工肛門になってしまい、その後の生活が大変なものになります。なので『命を救うだけじゃない、その後の人生も、救う』という言葉には大変な重みがあります。
　右上は、腸の模型ですが工藤先生は内視鏡の最終到達地点（盲腸）まで、普通２０分かかるところを５分で済むそうです。３０年で１３万件という実績があり、現在でも２５人／１日診てるとか。外科と内科の垣根がないのもいい方向に作用しているのではないでしょうか。

　「内視鏡にのめり込みすぎだ」と言われた時期もあったようですが、信念を持ち続けることが大事だということを番組を通して教わりました。

　「自分の経験と知識と技術を総動員して、かつ結果について全ての責任を負える人間」と結ばれていました。

※素人による記述だということを考慮して下さい！