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夏海にSFは似合わない

2012-07-29 | 読書【SF】

コニー・ウィリス「ブラックアウト」(新☆ハヤカワSFシリーズ)が8月8日発売。

768ページ何だから仕方ないにしろ、2520円って高過ぎ。

ポケミスのサイズは2000円以下でないのか…。

とはいえ上下巻で出てたら目も当てられない。

 

ディックは「高い城の男」、「ユービック」、「流れよわが涙、と警官は言った」、まで読了完了。

ディックと言えどもSFっぽくないものばかり、しばらくSFはいいか。

倉橋由美子祭りも、あとエッセイ2冊。

今年の夏こそ、本棚の中から未読本を減らす努力をしようかな。

講談社文芸文庫、岩波文庫とか大量に未読があるから。

 

 

 

 


ふわふわの泉、読了

2012-07-16 | 読書【SF】

本屋を4軒はしごしてようやく見つけた野尻抱介「ふわふわの泉」(ハヤカワ文庫JA)。

ピアピアの時も探すことを強いられた気がする。

たぶん、発行部数が少ないんだよな、ニーズに対して。

古参のSFマニアが買っているのか、野尻抱介の新刊はいつも大変。

 

そういえばカバーにはJAノ-3-12の文字。

そうか12冊も出たかと思ったら、3-10がない。

例のピアピアが3-11。

沈黙のフライバイが3-9。

太陽の簒奪者が3-8。

クレギオンシリーズが1~7。

何で?

 

まあ、読めたからいいけど、実に何年ぶりの復刊なのだろうか。

こういった安定したSFが読めないのが現状なのだ。

とはいえ、今更読めた感は否めない。

 

 

 

 


ぼくらは都市を愛していた、読了

2012-07-14 | 読書【SF】

神林長平の新作長編書き下ろし「ぼくらは都市を愛していた」(朝日新聞出版)、読了。

 

久々の神長の新作です。

アンブロークンアロー以来だから、3年ぶりか。

初っ端から、うぐっ?という内容である。

男が基本、一人しか出てこず、あとは女3人が主要登場人物という、

摩訶不思議、過去にこんなのあったかな?と思う変化だ。

 

弟視点と姉視点が今後にストーリーは進む。

著者の携帯電話に対する回答みたいなものがある。

それは言葉世界による逆襲というより、穏やかな宣言といったところではないかと。

まあ、だれがなにを言おうと、我は我である、といういつもながらの宣言ではあるのですが。

分裂していく意識に世界はどう答えるのか、現実とはいったいどこまで希薄になるのか、

強い意志を持ち、なにとどう戦うべきなのか?

相変わらず意識を強く持て、というメッセージが残る一冊である。

データがどう変容しようが、変わらないものがここに。

言葉使い師、を読み返したくなった。

 

倉橋由美子祭りのあとは、数年ぶりの夏のSF崩しです。

未読本を片づけたいが、読まず嫌い本の方からかな。

 

 

 

 

 


偶然世界、読了

2012-07-14 | 読書【SF】

P・K・ディック「偶然世界」(ハヤカワ文庫SF)、読了。

 

何だかよく分からん。

ストーリーだけ追っていくだけでは何だか意味不明。

宇宙に行ったのかと思えば、地球に戻ったり、いったい何の話なのか、まったく意味不明。

細部や展開はおもしろいと思えるのですが、

根本のストーリーが全く分からないので、再読した方がいいかも。

難しいのではなく、読んでも頭に残らないのです。

ヴォークトの非Aシリーズに似ていると解説に書いてあったのですが、

非Aの方が全然、おもしろいだろ、という感じです。

キャラクターが没個性なのが、読みにくい原因だと思う。

このあと、高い城の男、ユービックと続けるつもりなのですが、

短篇の方がましなのかな、ディックは。

 

SFに何を求めているのか、最近そこがズレているからなのかも。

ミステリのと違いは破綻ではなく、ガジェットでもなく、

何を描きたいか、ただその部分だけだと思う。

あとは、小説としてよくできているかどうかの問題ではないかと。

 

 

 

 

 


世界の中心で愛を叫んだけもの、読了

2012-07-07 | 読書【SF】

今更ながら、ハーラン・エリスン「世界の中心で愛を叫んだけもの」(ハヤカワSF文庫)を読了。

ずっと読まなければと思いつつ、読んでいなかった一冊。

エヴァのタイトルになっているためか、周知度は高い、

が、ただそれだけなのだ。

本当にそれはただ、それだけの意味しかない。

う~ん、それ以外に語ることがないぞ。

 

ハヤカワSF文庫は、ディック、ティプトリーといわゆる古典になりつつあるものを

そろそろ読まなければと思ってはいるのですが、

果たして今年の夏に何冊読めるやら…。

 

そういえば今年も夏の100冊の時期です。

悲しみよ、こんにちはを買ってしまいました。

だって、青いんだもんカヴァーが。

あと、三島由紀夫の不道徳教育講座も買ってしまった。

和風カヴァーが何ともやられました。

 

 

梅雨の中、新居昭乃「雨の日」(Blue Planet収録)を聴きながら。

 

 


next stage

2011-04-02 | 読書【SF】

新しい年度が始まった。

今年の目標に“継続”を掲げたが、

新しい何かを目指さないと世界は変わらない。

目指すべき未来があるのならば、

最大限の努力をしないといけないのに

それはまだ先のことだろうか?

 

読書は、福島正実「未踏の時代 日本SFを築いた男の回顧録」(ハヤカワJA文庫)。

本棚が埋まり、欲望の波は治まった。

 

今年は、次のステージに上がる準備をすることが必要なのだろう。

 

 

 

 

 


星を継ぐもの、読了

2010-11-01 | 読書【SF】

ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」(創元SF文庫)を読了。

読まず嫌いだったホーガンの名作。

SFマガジン12月号が追悼特集であり、この機会に読まねばと思い、手に取った。

初読ではさっぱり意味が分からず、もう一度最初から読むことに。

初読は、大分、飛ばして読んでいたので、最後の意味が分からず、苦戦。

再読時になるほどと理解できたところからじわっと感動が生まれた。

内容はどう考えてもFFⅣだよ~とうれしくなりましたが、

まあ今更あんましネタバレは問題でもないか。

とはいえ巨人に関する謎は何一つ解決されないので、

続編の「ガニメデの優しい巨人」を読まないと完結しないようです。







SFモノの翻訳読まず

2010-09-25 | 読書【SF】

SFマガジンを久々に購入中。

(前回は4年前の2006年11月号のシェクリィ追悼特集号!!)

というのもハヤカワSF文庫40周年記念特集part1と2があるから。

全部のカヴァーが乗っていますが、カラーでないので非常に残念。

SFマガジン50周年記念アンソロジーが刊行中ですが、

タイトルやカヴァーには確かに購買意欲が惹かれるも、

特に欲しくもないというのが正直な感想。

アンソロジーが昨今、多過ぎて、

だからどうしたという感じで付いていけない自分がいます。

じっくり腰を据えてSFを読むまでにはいかないのです。

とはいえ今年買った翻訳SFモノは以下の7冊。

アーサー・C・クラーク「楽園の泉」(ハヤカワSF文庫)
アーサー・C・クラーク「渇きの海」(ハヤカワSF文庫)
アーサー・C・クラーク「海底牧場」(ハヤカワSF文庫)
アーサー・C・クラーク「楽園の日々」(ハヤカワSF文庫)
R・A・ハインライン「宇宙船ガリレオ号」(創元SF文庫)
スタニスワフレム「エデン」(ハヤカワSF文庫)
オールディス「グレイベアド」(創元SF文庫)

ヴァーリィの「へびつかい座ホットライン」が読みたいのですが、

本棚のどこにあるのか分かりません。






タイム・リーパー、読了

2010-07-19 | 読書【SF】

何度目の読了であるか分かりませんが、

大原まり子「タイム・リーパー」(早川書房)を読了。

たぶん、4回目かな。

いわゆる時空警察、タイム・パトロールという組織が描かれています。


「時間はほころびだらけの織り物である、それを織り直すのが我々の仕事」


森坂徹、山崎数子、中川春名という主要人物に

キサラギ、アマカス、フジオミ、の時間工事課の3人、

キーマンである間宮武雄。


話自体は、特に急激な展開があるわけではないのですが、何度も読み返してしまいます。

たぶん、時間と恋のロマンスよりも今の現実をどう生きるかを描いているからだと思います。

そういった魅力のある一冊です。

アマカスがイイキャラしてます。







きみがぼくを見つけた日、読了

2010-03-14 | 読書【SF】

オードリー・ニッフェネガー「きみがぼくを見つけた日」(講談社ランダムハウス文庫)を読了。

設定はタイムトラベルものなのでSFとしていいと思うのですが、

小説自体は、全くSFではない。


ストーリーは現在を基点に、過去・未来と話が織り交ぜられ、

ヘンリーとクレアの視点が入れ替わります。

この切り替えをもっと効果的に使えれば、小説としての完成度は上がったと

思えるのですが、特に驚きもなく淡々と話が進むので、

お話の展開の盛り上がりに欠けます。

結局、タイムトラベラーとしての主人公ヘンリーの苦悩というより、

その妻クレアの苦悩の物語としての側面が強過ぎるので、

SFモノというよりは、恋愛モノとして読むしかないのでしょう。

娘アルバの存在もどうも弱い。

非常に中途半端な読後感で、正直、残念でなりません。