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季節を巻き戻す方法

2009-02-28 | 読書【未カテゴライズ】

米澤穂信「秋期限定栗きんとん事件 上」(創元推理文庫)を買って1時間ほどで読了。

下巻が3月11日発売。完全に生殺し状態ですが、こういう出版形式はおもしろいです。

話自体は、前巻が3年前なので…、全く覚えていない。

新聞部の部長。いたのようないないような。

あれ、新聞部でしたっけ?

という具合で。

上巻は視点を変えながら予想通りに進むのみ。

ブラックなオチがあるであろう下巻に期待です。




ダブル・ルーツ

2009-02-25 | 読書【SF】

斎藤文一「アインシュタインと銀河鉄道の夜」(新潮選書)を読む。

アインシュタインに関しては諸作あり、

例えば、矢野健太郎「アインシュタイン伝」(新潮文庫)などがあります。

(少し前に生誕100年で復刊されたました。)

といっても、この本は同時代に生きていた宮沢賢治との関連を説いた本であって、

その辺が読むべきところであるようなのです。


アインシュタインの件では、かの天才“ニュートン”に通ずる部分が

やっぱりあるんだなと再確認しました。

(もちろんその仕事のみではなく、成功後の人生という意味でも)

宮沢賢治は、童話作家や「銀河鉄道の夜」のイメージが大きくなり過ぎていて

地質学者や教師としての側面をどうも忘れていました。

後付けの印象の方が大きくなり過ぎて、本来の姿を失ってしまうものだと、

改めて感じました。

それは、自分の根底に流れるものに“宮沢賢治”が深い潮流としてあることに

気付いたともいえます。

無意識的ないろんな選択に関与していた、

と今更ながら気付くわけです。

例えば、“理科”への架け橋であり、【SF】への入り口であったということです。

もちろん、すべてそれだけではないのですが、

誰かに聞かれたときには、ひとつの答えにはなるかもしれない、と思ったわけです。

だからこそ、詩集「春と修羅」は、この今読むべきかなと思っています。



人生が選択の連続で成り立っているとしたら、

正しいのか間違っているのかを、いつどこで誰がどうやって決めるのだろうか?

そもそも言葉や概念を越えた存在を想像することは

できるのであろうか、と。

アインシュタインの発想法そのものにある種の共感を覚えるとともに

“そのこと”を考え続けようと持続するにはどれだけのエネルギーが必要なのか、と。

深く深く2つのルーツを考える、誕生月なのです。




さようならノートPC

2009-02-15 | 家電

机を買ったため部屋が狭くなったので、ipodのみのために使っていた

古い方のノートPCを漸く片付けた。とはいっても買ってから5年は経ってないので

何だかなと思うのですが、256MBでXPなので重くて重くて。

とはいっても今使っているのもXP最末期の2年前のモデルで512MB。

でも、起動もゲームもすいすい動くので十分快適。

むしろ、vistaはいらない。もし次のノートを買うのであれば、

vistaの次のOSに変わる頃のXP SP3の5万円以下のNBが狙い目かなと思ったりします。

(ソニーの9もいいとは思うのですが、あまりに薄く小さ過ぎて壊れそうで)

インターネットとメールくらいなので、それで十分かも。


ところで、ituneとipodは1セットでしか使えないので、引越しの際には非常にめんどくさい。

とはいえ、聞かない曲を一掃できたのはよかったのかもしれない。

何百曲とストックされていれも三ヶ月聞かないものはほぼ二度と聞かないと言ってもいい。

この辺は、服と同じ感覚なのかもしれない。


firefoxのお気に入りもついでに移動しようとバックアップを取ったのですが、

引越し先のノートPCではバックアップ読み込んでもらえず。

バージョンの違い?それともそもそもそんな機能ではないの?

大量にある出版社のリンクや検索サイトにひっかからないものなど

再登録がめんどくさいです。


このブログも読書のカテゴリーをもう少し古典・NF・SF・サイエンス・児童文学

などに分けた方がいいかなと思ったり思わなかったり。





「月下氷人」の意味

2009-02-13 | 読書【未カテゴライズ】

今年に入ってでた翻訳モノで、

ヘミングウェイ「移動祝祭日」(新潮文庫)

フィッツジェラルド「ベンジャミン・バトン」(角川文庫)

など光文社古典新訳文庫の効果なのか、各社で翻訳モノが見直されています。

いいことだなと思います。

企画そのものが長く続いて欲しいなと思います。

翻訳モノだけでなく、日本文学も見直されているようで、

こちらも末永く続いて欲しいです。

こちらは、「青空文庫」があるといえばあるのですが…。


タイトルの、月下氷人(げっかひょうじん)とは月下老と氷上人の2つの故事を

併せた言葉で、唐の時代の故事成語です。「中国故事物語 愛情の巻」(河出文庫)より

月下老は赤い糸ならぬ赤い縄の話、氷上人は夢でみた氷の上の人の話。

ともに、男性が結婚する相手の女性のことを想像(妄想?)する話で、

月光の下の老人や氷上の人の夢を見た人が結婚の仲立ちをするので

月下氷人は“仲人”の意味として使われます。

花の月下美人(げっかびじん)とは関係ありません。

ちなみに月下美人はサボテン科だそうです。





シベリア高気圧と言うけれど

2009-02-07 | 読書【未カテゴライズ】

著作が大量にあり過ぎて正直どれから読めばいいのか困る井上靖のうち

「河岸に立ちて 歴史の川 沙漠の川」(新潮文庫)を読んでいたら、

レナ川のところで大黒屋工太夫を題材にした小説

「おろしや国酔夢譚」(文春文庫)があるとのこと。

「天平の甍」のような歴史モノなのかどうかは不明。

それから、アムール川のところで榎本武揚の話題が。

榎本武揚は、明治維新を旧幕府側として生き残り、その後もものすごい経歴を経た人物で、

なぜかあの安部公房までも小説の題材にしている歴史上の人物。

その榎本武揚が書いた「シベリア日記」というものがあるというので、

ためしに調べてみるとありました。昨年、没後100年ということで

復刊されたであろう榎本武揚「シベリア日記」(講談社学術文庫)。

これはいろんな意味でおもしろそうな本です。

また、シベリア日記で調べていると「坂本美雨」もひっかかったので、

何でだろうと思ったら過去にテレビ番組でシベリア鉄道横断をしたとか。

それが本にでもなっていたら…と思ったのですが、それはないようです。

大黒屋光太夫つながりでは

椎名誠「シベリア追跡」、「零下59度の旅」(集英社文庫)もあります。

あとは「シベリア民話集」(岩波文庫)などがあります。

知っているようで知らない“シベリア”が見えてきます。