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探し物を探しに行こう、行けるときに

2007-08-28 | 読書【SF】
 今日、近くの新古書店で見つけました。
梶尾真治「躁宇宙・箱宇宙」(徳間文庫)。
探していない時ほど、見つかるものです。
1985年の本です。
このタイトルにずっと惹かれていました。
(中身は、ほぼ最近出た短編集に再録されてます)
あと、買おうかどうか迷っていたけど「冷たい方程式」(ハヤカワSF文庫)も購入。


ここ数日、読書する元気なしです。
そう意味も込めて明日、小旅行へ出かけます。
まあ、天気がよければかな。



ノルウェイの森、読了

2007-08-24 | 読書【読了】
 この夏の宿題にしていた村上春樹「ノルウェイの森」(講談社文庫)を読了。
売れ過ぎたこの小説のために、ムラカミハルキ本人がショックを受けた程の作品。
この本は当時も、それ以降も売れ続けているベストセラー。
何年か前に、最初数ページで挫折し、しばらく本棚に眠っていたのですが、
はやいうち読んでおいた方がいいなと思っていました。
長年の宿題をここで片付けておこうと手に取りました。

感想は、前作「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」(新潮文庫)から比べると
ストレートな展開で、
話の骨格自体は、はっきりと見えているだけに、何だかすべてが軽くて薄い。
このライト感は、あとの国境の南~やねじまき~にはないですね。
ただ、これ所々かなり×××なシーンが多いですね。
まあ、それらがないと全くエンターテイメントとしては、締まらないですが。
(あんまり、中高生にはどうかとおもいます)
(もっと言ってしまえば、大学時代に読まなく良かった)
(ちょっと遠くから眺める行為がこの小説にはちょうど良いです)

読んでいて頭に浮かんだ風景は、月でしたね。
満月でもなく、イメージしたのは三日月から上弦の月。

「新しい月に抱かれた古い月」

~地球照です。

もちろん古い月が直子で、新しい月が緑です。
段端と、月が満ちていくにつれて、古い月は消えてゆく。
そんな感じでした。
予定された結末に向けて、1969-70年という時代の歯車が回り続ける物語。

しかし、本文にもある通り、ライ麦畑の主人公のような、ってのは本当にそう思いますね。
丁寧というか何と言うか、こんなしゃべり方の人いないって。
ムラカミハルキ熱がすでに冷めているからなんでしょうが、
こういう小説ばかり読んでるとダメになると感じる自分がちゃんといます。
ダメだよと言うことできる、それも必要なことじゃないでしょうか。






神様がくれた指、読了

2007-08-23 | 読書【読了】
 
 昨日、日付が変わった頃、佐藤多佳子「神様がくれた指」(新潮社)を読了。
最初は、IWGPシリーズみたいな感じがして、どうかなと思ったのですが、
後半スピード感が増して、一気に読了しました。
おもしろかったです。
「スリ」がテーマというかむしろ、昼間さんが中々どうして、いいキャラでした。
しかし、それぞれのキャラクターにオリジナリティもリアリティも全くなかったのは問題かな。

あとは「しゃべれどもしゃべれども」を読めばコンプリです。
といっても映画化までしたものを今更読むのは…。
(やっぱり著作が少ないからなー、寡黙な作家を待つのはつらいですね)






最近、読書リストを整理していて気付いたことを少しメモしておきます。

・今年は8月の時点で、去年の読書量を越えました。
 →この辺は、まあ暇な時間が多いということで…

・昨年は三浦綾子、川上弘美、佐藤多佳子などでした。
 今年は、(乙一、桜庭一樹、米澤穂信)路線と(日野啓三、津島佑子)路線の2本立て。
 →図書館に頻繁に行くことと本屋さんで本をあまり買わないということ。

・よく買うのは、光文社古典新訳文庫ってのは昨年も今年も変わらず。
 →秋以降の新刊に期待したいです。

以上。


クドリャフカの順番、読了

2007-08-21 | 読書【読了】
 
 今日は、久々に図書館でお勉強。
といってもしっかり昼寝してましたが…。
しかし、今日も暑い、暑かった。
今年、本当にいつまで続くのかわかりません。

それで、
米澤穂信「クドリャフカの順番 「十文字」事件」(角川書店)
佐藤多佳子「神様がくれた指」(新潮社)
の2冊を貸し出してもらいました。

さっそく、クドリャフカ~を読了。
古典部シリーズ第三弾です。古典部シリーズは夏に読むのがいいです。
って、2年前に出た本です。(もう2年も経つのかな?)
前作、前々作が夏の角川文庫100冊に入ったのが記憶に新しいのですが、
そういえば、昨年は「ボトルネック」が出た年でした。
もうすでに忘れかけていることに不安…。

今回が最終巻ということをどこか念頭に置きつつ
(やっぱり学園モノって続けるのに限界があるのかな)
複雑な心境で読んでましたが、いつもと視点が違うだけに、おもしろかったです。
スペード&ハート、クローバー&ダイア。
古典部4人のキャラクターが成長していく感じがよかっただけに
ここで終わるのかーと、少々残念な気持ちです。
今年中には、短編集が出るそうなので(秋ぐらい?)、そちらにも期待です。

残った疑問がひとつ。
タイトルのクドリャフカ、何か本筋に関係ありました?

それとずっと引っかかっていた新居昭乃「スプートニク」の歌詞の謎が解けました。
クローカとライカ犬の疑問が氷解。
ちゃんと曲の解説を調べればいいんですけどね。
スプートニク2号のライカ犬の名前が「クドリャフカ」ってことでいいのでしょうか。
Wikiを見たのですが、はっきりと出典があるわけではないので信頼性がゼロ。





砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない、読了

2007-08-19 | 読書【読了】
 
 桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(富士見書房)を読了。
お話の展開的は相変わらずですが、グングン読ませてくれて、おもしろかったです。
『少女には向かない職業』とほぼ同じプロットってことはこっちが原型なのかな?
とは思いましたが。

この本を読んでて、ようやく分かったのは、
桜庭一樹の生み出すセカイ観が、乙一と似ていること。
(作風とかネタとかはいいとして、まあ納得というレベルですが…)
身近な(と言ってもこの場合は超現実的な)人物が死んだり殺されたりというのを
平気で読んでいるのか、今の世代は。
キケンな感じだけど、それもまた尊ぶべき一つの価値観なのか~?
ヒィー、ちょっと私には付いていけないけど、
サスペンス映画とかドラマとか映像では普通か。






エッセイ集は文庫よりハードカヴァーがよろし

2007-08-19 | 読書【未カテゴライズ】
 
 久々に新古書店で
コニー・ウィリス(大森望・訳)『航路 下』(ソニー・マガジンズ)
川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』(新潮社)
を購入しました。

航路は上巻は文庫版で持っているのですが、これはハードカヴァー版。
まあ、いいかサイズは…。
村上春樹『海辺のカフカ』(新潮社)なんて上巻は買ったけど、下巻は図書館で貸し出しだし。

ゆっくり~は、
『あるようなないような』(中央公論新社)、『何となくな日々』(岩波書店)に続くエッセイ集第3弾。
このエッセイ集は装丁にだまされないように、あんまりまとまってないので。
すでに文庫化されてますが、買ったのはこちらもハードカヴァー。
エッセイ集は、何と言っても文庫よりもハードです。



本屋の今後に憂う

2007-08-17 | 読書【未カテゴライズ】
 
 今日、朝のとくダネで初版部数だとか本の再販について触れられてました。
この業界、初版1万部以下が普通。
知っていてもこれはどうしようもないからね…。
特に地方の本屋に新刊本ないよ、ほんと。
Amazonで買った方がたしかに確実。
でも、店頭で選んでこそと思うのですが、私は古いでしょうか?
探す苦労と時間こそが本屋の楽しみ(苦行とも言う)である。
それが嫌なら本屋に本を求めるな、といいたいです。
そんな人は、平積みされた売れてる本だけ買っていっておくれ。
(やっぱり、この辺が狭いかな本好き(本屋好き)の心として)
ネットは検索するだけで、実際に手に取ることはできないのが現状。
それもあと何年かすれば無くなるかもとは思いますが、
でも、今はリアルな感触にこだわりたいです。

そんなこんなを考えながらも、今日は図書館に行ってきました。
買わずに図書館頼みだった、
ケリー・リンク(柴田元幸・訳)『マジック・フォー・ビギナーズ』(早川書房)
を借りてきました。
プリーストの『双生児』に続くハードカヴァー版のプラチナ・ファンタジイ第二弾。
これで2000円切ってたらみんな買うのに、
ハヤカワやっぱり分かってないよ、値段。

あと、
桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(富士見書房)
もあったのでついでに。
この本は今年出た本かと思ったら再刊でした。
文庫→ハードカヴァーという希有な運命を辿ったそうです。
まあでも、桜庭一樹だから。
内容は読まずとも オチにはあんまり期待してません。







夜の網にトラワレテ

2007-08-13 | 読書【未カテゴライズ】
 
 今日、放送大学のレポートを二つ仕上げて、ポストに投函。
この暑さの中、久々に論文を書くのは疲れました。

その後、野中ともその新刊『おどりば金魚』(集英社)を購入。
誘惑に勝てず、買ってしまいました。

さあ、そろそろ第2ステージに向けて、勉強するか~。




風に舞いあがるビニールシート、読了

2007-08-03 | 読書【読了】
 
森絵都「風に舞いあがるビニールシート」(文芸春秋)を読了。
作品集としては、何だかな~といった感じです。
最後に収録されている表題作だけ、内容も題材も他の5作から異色を放っています。
と言っても、6作品の根底に流れているものは、従来の作品と変わりません。
情景、不安、いいわけ、存在の光。
ちから強く、世界をさあ進んで行きなさいという思いに溢れています。
前回も書きましたが、やっぱりこの境地の先を見てみたいです、
ファンとしては。


ブッツァーティ(訳:関口 英子) 「神を見た犬」(光文社古典新訳文庫)をちびちび読みながら
次は、野中ともそ「フラグラーの海上鉄道」(集英社文庫)をそろそろ読もうか、
それともアルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」(ハヤカワSF文庫)にしようかと
真夏の読書活動は進んでゆく。