P・K・ディック「偶然世界」(ハヤカワ文庫SF)、読了。
何だかよく分からん。
ストーリーだけ追っていくだけでは何だか意味不明。
宇宙に行ったのかと思えば、地球に戻ったり、いったい何の話なのか、まったく意味不明。
細部や展開はおもしろいと思えるのですが、
根本のストーリーが全く分からないので、再読した方がいいかも。
難しいのではなく、読んでも頭に残らないのです。
ヴォークトの非Aシリーズに似ていると解説に書いてあったのですが、
非Aの方が全然、おもしろいだろ、という感じです。
キャラクターが没個性なのが、読みにくい原因だと思う。
このあと、高い城の男、ユービックと続けるつもりなのですが、
短篇の方がましなのかな、ディックは。
SFに何を求めているのか、最近そこがズレているからなのかも。
ミステリのと違いは破綻ではなく、ガジェットでもなく、
何を描きたいか、ただその部分だけだと思う。
あとは、小説としてよくできているかどうかの問題ではないかと。