オードリー・ニッフェネガー「きみがぼくを見つけた日」(講談社ランダムハウス文庫)を読了。
設定はタイムトラベルものなのでSFとしていいと思うのですが、
小説自体は、全くSFではない。
ストーリーは現在を基点に、過去・未来と話が織り交ぜられ、
ヘンリーとクレアの視点が入れ替わります。
この切り替えをもっと効果的に使えれば、小説としての完成度は上がったと
思えるのですが、特に驚きもなく淡々と話が進むので、
お話の展開の盛り上がりに欠けます。
結局、タイムトラベラーとしての主人公ヘンリーの苦悩というより、
その妻クレアの苦悩の物語としての側面が強過ぎるので、
SFモノというよりは、恋愛モノとして読むしかないのでしょう。
娘アルバの存在もどうも弱い。
非常に中途半端な読後感で、正直、残念でなりません。