村上春樹「1Q84 BOOK1・上下」(新潮文庫)、「1Q84 BOOK2・上下」(同)を一気に読了。
来月末刊行のBOOK3まで待つのではなく、
あえて同時に単行本が出た2冊から読むというのが、ある種の拘りがあってのことでした。
読んでの感想を一言で言えば、「おもしろくない」、だろうな、悪いけど。
アンチだからというわけではなく、読んでいるからこそ、何だかな~という感想しかでない。
物語としておもしろくないだけであって、ぐいぐいお話は読ませてくれます。
約1300ページを繰る手は全く止まりません。
そういう部分では、おもしろい、と言えるのですが、ただそれだけで、
この物語は今、求められていないな、という気がします。
まだ、2009年という時勢なら分かるが、この2012年に読む本ではないのかもしれない…。
作家としての成熟というより、幼さが露呈している感じが、もうダメです。
性描写ばかりで相変わらず、他人に全くお薦めできない作家ではある…。
3人称、という部分はいいと思います、地の文がネチネチしていなくて。
今更、思い出したかのような『愛』って何だよ(笑)。
作家が歩み寄ったのか、それとも今までの自分の作風を維持したくないのか、
たくさん変化は感じます。
主人公がバットを振らなくなったとかね。
でも、何だか中途半端な作品であることは否めない。
感じとしては『国境の南、太陽の西』に一番近いのかな?よく分かりませんが…。
BOOK3でその印象が変わることを祈るしかない。