蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

栂池冬景色’14年その11、自然園から船越の頭

2014-04-08 15:20:09 | 山とスキーでブラブラ

白馬乗鞍から小蓮華へ続く稜線に、ピークの様に見えるのは“船越ノ頭”と言うらしい。乗鞍より200m弱高い。

自然園からこの稜線へは、4回挑戦して2回ギブアップした。
稜線へ近付くにつれ、傾斜が急になり、チョットコワイ。雪庇が張り出していたこともあり、両手に持ったスキーを雪面に突き刺しながら、キックステップで越えた事もある。

いずれにせよ、林道から標高差1000m弱、これはキツイ。
近年、自転車で100km走ったり、標高差で1000m登ったりすると、しばしば脚を攣るワタクシ、昨年は行こうとも思わなかった。

しかし前日、乗鞍から数グループがその稜線にいるのを見て、2日、チョット行ってみることにした。なんならロープウェイで楽をしてもイイし、足攣ったらヤメたらイイし、「自然園から稜線へ行けるトコまで」と、定宿の主人に告げて宿を出る。

ゴンドラを降りて、通勤電車の乗り換えの如く、ロープウェイの方へバックカントリーの若者達に続くと、前を行くアベックのお嬢さんが、「アァ~っ」と言って板をVの字に広げて止まった。時間は9時。
「ロープウェイ、出てしもたかぁ?」
「エエ、今、上、通って行きました」
「じゃあ次、30分後だよぅ」と、オニイチャンの方が嘆いている。まぁエエやン、30分、二人でオシャベリでもしておけば。

ワタクシは、この日も林道を歩きましょ。前日とは違って、リフトはちゃんと動いていた。

Imgp0759 9時10分、林道着。パトロールが二人、降りてきた。「オハヨウゴザイマ~ス」「ゴクロウサン」

栂の森から直接林道へ上がって来て、最初のショートカットで追い抜いて行った2人組、スゴク速い。服装や装備を見ると、あれは山岳スキーレースのアスリート(?)、それにしても早い。

Imgp0760 10時、自然園着。

かなり先に3人組、その後に一人、乗鞍の斜面に沿ってトラバースしていく4人組が見えるが、近くには誰もいない。

Imgp0762 11時10分、背の高いダケカンパ(白雪姫)をシラビソの小木(こびと達)が取り囲むように生えている場所で、今年も休憩。

その先では4人組が休憩中。挨拶をして追い抜く。
しかし、その中の若者1人、スゴイ早さで追い付いて来て、色々話しながら登る。2月半ばの豪雪災害時、彼は清里で3日間、車に閉じ込められたそうだ。
その後、彼は他の3人を待つべく腰を下ろした。トレースはダケカンパの群生へ続いている。

このトレースは、ダケカンパの群生を過ぎると、金山沢へ滑り降りて行くのだろう、いつもそうだ、と思っていたら、ナント、稜線へ続いていた。

船越ノ頭へトレースが付いているのを見たのは初めてだ。やはり、4月になると皆さん、稜線へ上がるのか。しかし、このトレースはアリガタイ。

そして、稜線へ続く支稜には、真っ直ぐなトレースやジグザグのトレースが、何本もついていた。

ワタクシ、右足の付け根辺りが攣ってきた。曲げると痛い。右足は半歩ずつ出して登る。そして傾斜が段々急になり、ジグザクで向きを替える時、ムチャクチャ緊張する。

Imgp0763 13時半、何とか稜線着、フゥ~う。風は少し強くなったが、シールはキチンと畳むことが出来た。

Imgp0764 杓子~小日向の尾根と、その向こうに唐松~八方尾根が望める。

Imgp0765 小蓮華への稜線には3人組が見える。

Imgp0766 自然園と栂の森ゲレンデを見降ろす。

稜線を少し下ると斜面が見えた。皆さんそこから滑り出した様だ。

Imgp0767 斜面に入ると、いくつものシュプール。どれが自分のなのか判らない。

Imgp0782 誰も滑っていない斜面を探して下る。

Imgp0770 前日下った乗鞍の南面。よく見ると二つのシュプールが確認出来る。Imgp0772 マッサラの斜面が続く。

Imgp0773_2 かなり下まで降りてきた。

Imgp0785 14時20分、自然園に着いて振り返る。自分がどこを下って来たのかがよく見えた。右端の無数のシュプールは、先程の4人組のものらしい。ダケカンパの群生を越えた辺りから下ったようだ。

Imgp0787 南俣の谷から振り返ると、シラビソの林の向こうに船越ノ頭がチョコッと見えた。

14時50分、栂の森のカフェテリアへ着いて、ビール一缶呑みながら、30分程ボォ~っとした。

Imgp0788 15時半、鐘の鳴る丘から見上げる白馬三山のシルエット、のどかな午後。

Imgp0781 小学生がスキーレッスン中、穏やかな雪解けの午後。

Imgp0786 3日、午後からは雨の予報だが、見事なモルゲンロート。

朝食後、10時前まで部屋でゴロッとしていたが、取りあえず雨が降り出すまでゲレンデを滑ることにした。

Imgp0790 10時半、天狗原から上は雲に隠れている。

Imgp0791 馬ノ背の尾根は立入禁止。

Imgp0793 当然この日は、ヘリは休止。乗り場を盛り直し中。

Imgp0794 ハンノ木コース途中から五竜、鹿島槍が見えた。

Imgp0795 ゲレンデあちこちから水が流れている。

Imgp0799 しかし、まだまだタップリな雪。

この時期、スキースクールもヒマなのか、インストラクターがあちこちで遊んでいる。テレマークをしている人もいる。
ン?、あれはなに?ボードを履いて、両手にはストック。昔、2本の板がくっ付いた状態の、確かモノスキーと言うモノがあったが、明らかに横向きに履いている。
近くで止まったので、「それはスキーですか、ボードですが、どっち?」と訊いてみた。

要するに、このスキースクールのセンセイは、戯れでボードで滑ってみたが、やはり上手く滑れず、何回もコケるのでストックを使って見たとの事。
「スキーとボードは全く別モンです、ストックないとコワイ、コワイ」
「でも上手いコト滑ってますやン、さすがやねぇ、そうやって滑れるンやったら、新しい滑り方としてやったらどうです?」
「イヤ、ボクらは基礎スキーの普及が仕事なので、ヘンなコトやったら怒られます、それじゃまたァ」、と言ってサァ~っと滑って行った。

Imgp0800 14時を過ぎても雨は降り出さず、結局、栂の森~ハンノ木コースを6往復して、この日はオシマイ。

Imgp0801 途中からコース外に出て、31日から止まっているリフトの乗り場近くへ行くと、雪の割れた湿地にミズバショウが現れていた。

次週は定宿が水曜からなら泊れるとのコトなので、それで今年の栂池冬景色を終わることにする。


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