蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

高速道路の殺人車達

2012-05-06 23:55:14 | 朽ちゆく草の想い

5年目の信州・雪山通い、今年になって高速のSAでやたら眼につくポスター。それは、高速道路上でハネられる人の事故が、最近多発しているので気をつけてね、と言うモノだった。

ナンデ高速の車がビュンビュン走っている道路上で、人がハネ飛ばされて死ぬのか。
それは、事故とか故障で車を止めて、外に出ていた人に、後続の車、主にトラックが突っ込んできて、ドーンとハネ飛ばされるらしい。
だから気をつけてね、とポスターは警告していた。

そして、人をハネ飛ばして殺したトラックの運チャンは、過失致死で逮捕される。
「そんなン、大体高速道路上に人がいるなんて、ありえヘンでしょ」、逮捕された運チャンのそんな嘆きが聞こえてそう。

ワタクシも恥ずかしながら、高速道である事情により停止し、道路上に出た事がある。

5年前まで勤めていた特殊機械メーカーで、まだ営業をやっていた頃だった。
独善的な営業トップが、不倫事件を起こした部下に、「相手の女と一緒になりたければ、彼女を連れてまず広島へ行け」、と命じてまで強行開設した営業所は、たった3年、20世紀の最後の年に終わった。
21世紀になり、不倫事件の彼は不倫相手と更に西へ、福岡営業所へ飛ばされ、ワタクシは大阪支店から広島通いをする事になった。
「それて、営業所を閉めた責任で、大阪から通わされてル様なモンやん、その営業トップとかは、オマエを辞めさせようとしてるンちゃうかぁ?」、口の悪いトモダチは、心配半分にそうからかった。
出来ることなら辞めたかったが、まだ扶養義務が残っている。広島へはほぼ毎週、火曜日に自宅から直行、木曜日に自宅へ直帰と言うパターンだった。

広島県内の中国道、本郷ICから連続するトンネルを過ぎた先のSA、いつもそこで燃料を補給していた。その日もそうするつもりだった。
しかし、いくつ目かのトンネルを出る寸前、急に車は減速した。ついにガス欠だ。すぐ後ろに大型トラックがパッシングしながら迫って来る。そしてギリギリでかわして行ってくれた。
トンネルを出た所で車は停止。
その車はマニュアルだったので、路側帯をセルで動かし、何とか非常電話まで行った。
電話に出た係員に、ガス欠であることを伝えると、「JAFに行かせるので、ガードレールの外で待っていて下さい」、と言われた。
高速の路側帯はそこそこ広い。走行車線との余裕はかなりあるはずだ。なんでガードレールの外に出ないといけないのか、最初は不思議だったが、その後何台かの大型トラックがゴォ~ッと横を通り過ぎて行き、その度に我がシラガ、ブォ~ッと風にあおられると、これはコワイ。
大型トラックは案外近くを走りすぎて行く。三角の停止板を10m程手前に出しているのに。

ガードレールの外で大人しく待つこと数10分、JAFの親切なオジサンがやって来て軽油10リッター補給。ワタクシ、JAFの会員だったので、出張費はタダだった。

事故や故障などで仕方なく停車した後、走行車線側はおろか路側帯ででもボォ~ッと突っ立っていたら、エライ怖い目に遭う、と言う事がよ~く判った。

しかし、パンクなんかでタイヤ交換する時は大変だ。常に後ろから来るトラックの動きを確認しておかないといけない。
そして、ぶつかったり、ぶつけられたりして動けなくなったら、どうするンだろう。

自分の走行前方に車が停まっていたり、人が突っ立っているとかを予想しないで疾走するトラック。

そう言うトラックが殺人車となる事例が、最近多いから気をつけろ、と警告しているポスター。

実際、そう言う事故のニュース、確かによく見かける。

先週の3日AM2時前の事故。草津PAの近くの上り車線。ここは新名神への分岐手前で2車線が4車線(3車線?)に広がっている。
一番右の「追い越し車線」を走っていた車に別の車が追突し、停車。そこへトラックが突っ込んできて、外へ出ていた追突された方の男性が、亡くなったそうだ。同乗のお孫さんも重体とか。
この事故、最初の追突事故の後、直ぐトラックが突っ込んできたのかどうか、よく判らないが、いずれにせよ、気をつけろ、ガードレールの外に出よ、と言われて避けられたケースなのか、どうか。中央分離帯側のガードレールの外は、直ぐ反対側の追越車線だし。アァこわッ。

大体、何故最初の追突事故が起きたのだろう。4車線の一番右のレーン、しかも深夜、車はスイスイ走れていたはずだ。
追突したのは77歳の男性、同乗者は73歳の「知人女性」とか。ジイサンが4歳下のカノジョを乗せて、深夜の高速をドライブ。イネムリでもしていたのだろうか。
ここは、ワタクシも毎回、一番右のレーンを通っている。今後は常に後ろから近付く車に注意しよう。
トラックの運チャンは過失致死で逮捕されたそうだが、彼は仕事で走っていて、最初に追突事故を起こしたジイサンは明らかに遊びだ。運ちゃんが気の毒、としか言いようがない。

3月末の阪和道の事故。AM3時頃の、場所は松原市。
この道はほとんど知らないが、東京のトラックと和歌山のトラックの運チャン同士が、「通行を巡るトラブル」で、走行車線、追越車線にトラックを停め、口論している所へ別のトラックが突っ込んで、ケンカ中の30代の運チャン、二人とも亡くなったそうだ。
高速上を塞ぐようにトラックを停め、ケンカするおバカに、突っ込んで、結果死なせたトラックの運チャンが、過失致死で逮捕される。これはギャグなのか。

21世紀になった年、ガス欠を起こし高速道路で車を停めたワタクシ。
その時、危険だからガードレールの外にいろ、と言われた。確かに、高速上にいる怖さはよく判った。
それから10年程経って、最近はそれを怖い、とは思わないおバカが増えたのか。

それなら、高速道路に出る事の怖さが判らないおバカが最近多いから、気をつけて走れ、と言う警告に替えた方がイイ、と思うけど。

しかし何故、高速に出ると危ない、怖いと思わないおバカが増えたのか。

「ジミン党をぶっ潰す!」、と言って人気を集め、そのジミン党の親分になったコイズミとか言う政治家サンは、’01年から’06年までソウリをやって、郵政改革とか民営化とか、構造改革で沢山の規制緩和などもやって、「自由」にお金儲けが出来る世界はサイコーに素晴らしい、と言う時代になって、その流れで、ソウリを引き継いだアベとか言う男は、ナゼか教育基本法を変に替えて、その男も含め、その後ソウリはほぼ1年ごとに代わり、多くが元ジミン党だったミンシュ党に政権交代したけど、相変わらず1年ほどでソウリは代わり、そして10年以上経った。

今年、郵政民営化は見直され、しかし、規制緩和は貸し切りバス業界にトンデモナイ価格競争をもたらし、安かろう悪かろうのバス会社が、その低価格に釣られバスに乗った7人をコロした、らしい。

それらの出来事と関係あるかどうかは判らないけど、高速道路上には怖いもの知らずのおバカが、「自由」に車外に出て突っ立っていたり、ケンカしたりしている。

殺人車にならない様、気をつけましょう。