アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ポケットから手を出せ」2/2

2024年06月16日 | Weblog
 多くの人に希望を与えている障害者、たくさんおられると思います。その中で、「小2の時、事故で右腕肘から下を失った方について」です。彼は、(昨日の本ブログで書きましたが)中学時代柔道大会の受付で、「ポケットから手を出せ」と心ない言葉を浴びせられました。着ていた学生服の右袖は、「中に腕がない」のでヒラヒラします。そのため、彼は学生服の上着右ポケットへ、ヒラヒラしないように右袖を入れていました。ポケットへ手を突っ込んでいると勘違いされたのでした。

 中学校までは柔道を、高校からは「相撲」へ転向しました。相撲には、「障害者の部」などありません。裸一貫、左手一本で健常者と勝負する。高体連相撲北海道大会個人戦で二連覇。高校3年の全国高校総体で個人8強入り。その奮闘する姿はドキュメンタリー番組「土俵の青春・片腕の高校生力士「テレビ東京)」」になり、放映されました。

 大相撲の横綱「照ノ富士関」。大関まで出世したのですが、「糖尿病・C型肝炎・腎臓結石」などを患い、ケガも追い討ちをかけるという不運。たちまち番付が下がり、大関から西序二段四八枚目まで陥落しました。廃業してモンゴルへ帰る話もあったそうです。その後、照ノ富士関はどんどん番付を上げ、大関に返り咲いた。そして、横綱まで上りつめた。
 照ノ富士は、ユーチューブでドキュメンタリー番組「土俵の青春・片腕の高校生力士」を観たという。
「あの体で一生懸命に相撲をとっていた。自分も…という気持ちになった」
 この記事は、大手新聞に写真入りで紹介されました。

 ハインリッヒの法則(1:29:300)からしますと…
 照ノ富士関が感銘をうけた→そのかげで29人が感動して自分を高める努力をした→さらにその背後に、勇気づけられた人が300人いる。
 照ノ富士関のような人は何人もおられるでしょうから、結局はその300倍の人たちに少なからず影響を与えていることになります。
 片腕の高校生力士は、大学へ進学。卒業後は、大学の附属高校教諭に。相撲部を立ち上げ顧問になりました。現在は、北海道へ戻り、母校で相撲部顧問をしています。年齢は、50歳になっています。

 社会人になってからは、国体等で活躍。メディアが何度も取り上げました。報道される都度、人々に感動を与えてきたことは間違いありません。
 隻腕の49歳(昨年)の力士は、昨年、秋田国体以来11年ぶりに「東日本実業団相撲選手権大会」に出場しました。戦績は、団体戦・個人戦あわせて3勝2敗。出場するだけでも素晴らしいのに、勝ち星まであげる。障害者、健常者を問わず「希望」を与えて下さっています。


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