アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

粗食派のパン食は許されるか

2008年08月08日 | Weblog
  粗食派のパン食は許されるか 

 米とパンは、和と洋という概念を持っているのが、還暦の還暦たる所以。その概念を、粉々どころか、微粉粒に挽かれてしまったのが、米製のパン!小麦の価格が高騰している為の窮余の策という。米からパンが作られるとは!!

 幕内秀夫さんという方がおられる。知らない人でも、「粗食のすすめ」の著者といえば、「ああ、そういう名前だったんだ」と、頷いていただける。幕内さんは、とにかく「米・米・米」なんです。横浜の工藤公康投手の食事の指導もしています(著書に「工藤公康 粗食は最強の体をつくる!」があります)。

 「パンはダメダ」と言われるが…私はパン食なのでたまらず質問しました。「病気療養中で、塩分を控えなければなりません。米を主食にすると、おかずは塩分を含んだものがほとんどになってしまいます。我が家の朝食はパンなので、塩分皆無で済むのです。「野菜ジュース」「きな粉にバナナをのせ、プレーンヨーグルトをかけて、擂りごまと抹茶とブルーベリーをトッピングしたもの(←これ、我が家のスペシャルなんです)」「オムレツ(塩コショウなし)」「パン」「コーヒー」毎朝これです。
 幕内さん、少し考えた後、「それでいいです。塩分制限の場合、パンは有効です。御飯では、副食がなかなか大変なんです」と、おっしゃられました。

 幕内さんには、貸しもあります。御本人は知るよしもないのですが。大学の教授による健康と食事の講演で、講師先生が次のようにおっしゃった。
 「・・・こういうものを摂取しなければなりません。これらを粗食と言った人がおり、書いた本がベストセラーに。米、麦、豆、これら粗食ですか?野菜は粗食ですか?粗食のすすめを書いた人が、高級レストランでステーキを食べていたそうです・・・」
 このままでは幕内さんの名誉が傷つけっられ放し。その場で挽回出来るのは私しかいなかった。講演後段で、「何か御質問は?」の時、意を決して挙手した。
 「粗食のすすめ、に関してですが、穀物・野菜が粗食という意味ではなく、高カロリーの見た目が田舎くさくないものやジャンクフードが、あたかも豪華な、「食」というイメージをもたれていることに対して敢えて、「粗食」という表現をしたのではないでしょうか。それから、幕内さんが、レストランでステーキを食おうが、どぶろくを飲もうが(←これは、言わなかった)いいんじゃないですか。主張と行動は、あながち一致する必要はないと思います。いかがでしょうか」
 …幕内さんという名前を出したとき、講師先生の顔色が変わりました。「御指摘承っておきます。ありがとうございました」と、あっさり肩すかしされました。こうゆうところは老かいです。しかし、困った顔をしていました。調子に乗って、ウケねらいで同業者の悪口を言ったんだから、責めは負っていただかないとね。この先生、週刊文春の、「『粗食のすすめ』著者のゴージャスな生活」という記事を読んだんですよきっと。いくら200万部売ったといえども500円の本ですよ。印税7%。ゴージャスな生活が出来るわけないでしょう。たまにゃあステーキでも食べたくなりますよ。週刊文春、おもしろいけど記事の信憑性…還暦パパの方が高いんじゃないの。還暦パパは、誇張(少しですよ)、偏見、独断、自分でボケて自分でツッコミを入れる…など、尋常ではありませんが、「嘘」はありませんから。御飯とパンのことを書くつもりが、大相撲とは関係ない、幕内さんのことを書いてしまった。ようやく話をもどして…「御飯を食べなさい。パンは良くない」の幕内さん、米から作ったパンはどう扱うのでしょうか?愚問でした。原料はともかく、パンはパンですね。

 私は、朝はパン。今は、「塩分制限」という身ですから怪我の功名になっていますが、はじめは、朝のコーヒーに御飯は合わないなあと感じ、パンにしました。好きなパンは、バゲット!これは、パンの傑作です。ところが、田舎のパン屋さんは、「やわらかいバゲット…」なんです。ドンクのバゲットまでもがいつのまにか柔らかくなってしまって…。柔らかいバゲットは、すでにバゲットではありません。野球のバットの代わりになるようなものが、バゲットです。この嗜好に、時折横槍が入ります。「バゲットって、食パンの耳を食ってるようなもので、固くて美味しくない」ってんだから・・・。食パンの耳って、美味しいところでしょ!それこそ嗜好の問題だと言われるでしょうが、「食パンの耳がうまい」のは普遍的な味覚だと思いますよ。フランスのその昔の話ですが、「食パンの耳が美味しいけど、耳だけ食べたいけど、耳は周囲に少しだけ。『中も外も全部耳のパン』って出来ないものか?試行錯誤の末できあがったのがバゲット。フランスパンと言われる所以でもあります。
 What did you have for lunch? の問いに、I ate pan.という中高生がいます。とっさだと、知っていてもbreadが出てこないんですね。パンはカタカナだから、ついつい英語と勘違い?ちなみに、台湾、韓国でも、「パン」です。日本の統治時代に入って行ったからです。

 バゲットのほかに、美味いのは・・・我が家の、ズッキーニパン、クルミパン。フルーツケーキのようにしっかり固く、一度に半斤は、食べられます。
 あとは、「ナン」ですねえ。ナンは、国により、地方により形も味も違います。発酵させるものもあれば、無発酵のものもあります。どれもいいです!どれか選べと言われると、発酵させてタンドールで焼いた、インドのナンですね。
 元同盟国の、プレッツェルやライ麦パンもいいですねえ。プレッツェルの語源は、あの形と関係があります。「腕組み」を意味するラテン語です。色は、焦げたのではなく、焼く前に、薄めたカセイソーダに漬けるからあの色に焼き上がります。カセイソーダは劇物だろうって?2~4%に薄めたものですから、大丈夫。枝豆以上に、ビールに合うかも。
 ヨーロッパのパンは、その歴史と共に歩んできているので、1,000種類を超えるパンがあるそうです。実際はその倍もあるんじゃないかな。ライ麦パンひとつとっても、10種類以上ありますから。ライ麦と小麦の比率で、全て名前が違い、さらに焼き方の違いでもそれぞれに名前がありますから。
 
 人類の主食は、「米またはパン」ではなかったですね・・・

1 アザラシが主食…イヌイットの人たち
3 ヤムイモ、ジャガイモ、キャッサバ、ナツメヤシ、サゴヤシ、パンノキなどの根栽類が主食… アフリカ、サハラ、アラビア半島、アンデス、アマゾン、オセアニア
3 トウモロコシ、アワ、ヒエなど雑穀が主食…アメリカ、アフリカ
4 小麦、ライ麦、オート麦、大麦などが主食… 地中海、ヨーロッパ、トルコ、イラク、イラン、インド西部、中国北部
5 米が主食…日本、インド南部、東南アジア、中国南部、朝鮮半島南部

 人類は、その地にあるものを上手に食べ生きてきたのですねえ。ボーダレスの時代につき、私が「米」を主食にしなくても許して。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい (更科)
2008-08-08 13:23:02
素晴らしいブログです。

こんなに中身の濃いブログを知りません。

斬新な切り口と、豊富な知識、ユーモアのセンス、どれも素晴らしかった。

これからも楽しみに読ませていただきます。