アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

今年も冗語のうちに暮れていきます…

2011年12月29日 | Weblog
 近年、「丁寧すぎる日本語」が増えてきておりまして…
 いつも気になるのが、「以上をもちまして、○○を終わります」。「もちまして」を漢字にすると、「以ちまして」となる。つまり、御丁寧に「以」を重ねた。
 「机の机上を整理しなさい」
 「馬から落馬しました」
 「現代口語を言語学が否定する資格はない」という話になれば、以上を以ちましても、机の机上も、馬から落馬も、皆許される…。「旅行に行く」も「目的的」も、習慣的に使われているし…よくいう日本語の乱れとはちがうモノだからガタガタ言わなくてもいいかな。

 「ガタガタ」は、ガタを重ねているから丁寧すぎるんじゃないかって?ガタガタは、オノマトピアだから丁寧に重ねたものとは違います。「畳語」で、主に世俗的な表現。擬態語、擬声語に多い。
 クタクタ、ポカポカ、カラカラ、ブーブー、モーモー…これら、重ねなければ何が何だか分からない。
 「遠足へ行ってきて、クタだ」…意味が解らない。
 「天気が良くてポカだ」…天気が失敗でもしたのか?

 幼児語も、畳語にしますねえ。「(靴を)履き履きちまちょう」「寝ん寝ちまちょう」「噛み噛みちてね」…変だって?実際使うでしょう!

 「我々は…」これは、「我」と「我」を重ねました。通常「我々」と表記します。「々」は、重ね字とか踊り字とか呼ばれています。
 名詞の複数形の表現に畳語がよく使われます。「人々」「国々」「村々」「神々」「日々」「山々」…。「時々」「寒々」は、 副詞的表現ですね。歳末は、「外は寒々、懐も寒々…」。

 中国語は、畳語が多いです。パンダの名前は、全てではないかも知れませんが、畳語。「ランラン」「カンカン」「ペケペケ」…「ペケペケというパンダがいるのか?」って?た、たぶんいると思います。四川省の山中に。

 犬の鳴き声は、外国でも殆ど畳語です。
 日本語…wan-wan、英語…bow-wow、ドイツ語…wau-wau、イタリア語…bau-bau、ノルウェー語…voff-voff、ロシア語…gaf-gaf、中国語…wang-wang
 どれも、確かに犬の鳴き声ですね。地球人の耳は人種国籍の如何を問わず同じように聞こえるということでしょう。

 丁寧すぎる日本語から、ガタガタと畳語(じょうご)へ陥ってしまいましたぁ。私が書くと、畳語は冗語(じょうご)になってしまいます。