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ダニエル・E・リーバーマン「人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病」

2018-08-05 | 人類史

 ヒトの歴史について体系的にまとめた本をずっと読みたいと思っていたが、やっとぶちあたった。この本によると、

600万年前~:猿人類から分岐して直立二足歩行を開始。果実中心食。

400万年前~100万年前:アウストラロピテクス出現。果実+葉、茎、草、塊茎、種子食。

260万年前~20万年前:ホモ属出現。狩猟採集。

20万年前~:ホモ・サピエンス(現生人類)の出現。

4.5万年前:最初の靴。

1万年前:農業革命。最初のサンダル。

5500年前:現存する最古の靴(モカシン)。

250年前~:産業革命。

 狩猟民族と農耕民族という切り分けがあるけど、歴史的な流れでは狩猟採集→農耕文化(牧畜を含む)の流れで、しかも農耕を始めたのは時間軸から言うと約1万年前ということで、「ごく最近」ということを改めて理解した。20万年前とか600万年前とか言われてもその違いに関しての実感はわかないが、とにかくものすごい長い時間をかけて今の人体の仕組みができ上ったことがわかる。

 ところで、著者のリーバーマン博士は「BORN TO RUN」にも言及している。この本の中(訳者あとがきを含む)でも触れられているが、「BORN TO RUN」が出たのが2009年で、1年後に「ネイチャー」誌にベアフットランニングについての論文を発表した、とある。

 この本の端的なスタンスは下記の引用でわかるだろう。

 「いまこれを読んでいるあなたは、おそらくどこかに座りながら、人工照明を使って文字を見ているだろう。そして足には靴を履いていて、部屋の空気はエアコンで冷やされたり暖められてしているかもしれない。そしてときどき炭酸飲料をすすっている。この状況は、あなたのお祖母さんが見ても普通だと思うかもしれないが、じつはこれらのどれ一つとしてー座っていることや、本を読んでいることでさえー人間にとっては正常でない。」(下巻p211)

 とはいっても、押しつけがましくなにかを強制しているわけではなく、どう折り合いをつけていくのか考える必要があるというスタンスだ。肥満や近視や糖尿病や心臓病や虫歯や水虫やある種の癌など、過去にはなかったか極めて珍しかったとされる病気の予防を考えるヒントにはなるかもしれない。別に強制的に裸足で走る必要はないです^^

合掌。


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