~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

今週のコンサート

2021年09月25日 22時51分00秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)
ちょうど広島での予定が一日ぽっかり空き、「さて、家の片付けでもするかなあ」と思っていたところ、
玉島で松本和将さんのリサイタルがあることを知り、急遽行ってまいりました。

9月20日(月・祝)14:00開演  玉島市民交流センター 湊ホール
ベートーヴェン生誕250年記念 ピアノソナタ全32曲 演奏会
第5弾 最終章
第29番、第30番、第31番、第32番




これまたコロナで延期になって、厳重な対策を施してやっと開催にこぎつけたという公演のひとつですね。
たまたま行ける日だったというのもありますけど、
第29番「ハンマークラヴィーア」のテンポを上げた、という情報をご本人のツィッターから得ていたということと、
シゲル・カワイを持ち込まれるということ知った、ということも、行く気になった要因というか誘因。

なんせ、私自身「ハンマークラヴィーア」は松本さんに足掛け1年半近くレッスンしていただき、
とりあえず人前では2回弾きました。(…が、今では、全貌を思い出すのも難儀する状態💦)
「(あまりにも無理なテンポゆえ)メトロノームがおかしいんじゃないか?」と言われている指定テンポに迫るものだ、ときけば、そりゃ行きたくもなりますって(笑)。

いやあ、速かったです。あそことか、あそことか、大丈夫なんだろうか?…と老婆心全開でしたが、さすが、快調に弾かれました。
とくに第4楽章が聴いていても分かりやすく、湧き水から始まった川が、さまざまな過程を経て大海に注ぎ込むような、一連のストーリーとして入ってきました。

後半、30、31、32番。
32番の彫琢と説得力が圧倒的でした。
冒頭から、力まないほんといい響きで、これまで少なくとも3回は聴いていますけど、最初からここまで聴き手として掴まれたことはなかったような。
2楽章のアリエッタは客席の方も微動だにせず、みなさん音に集中している気配がすごい。
例のジャズのスイング風の箇所(確か昨年テンポを遅くすることにされた)も馴染んできて、松本スタイルが完成されたなあ、という気がしました。
そして低音のうなり!(たぶん平行弦ではこうはいかない…)

32番が始まった時、「どんな手垢のついた曲でも、あたかも今生まれたばかりの曲を初演しているように弾くのは素晴らしいなことだ」というどこかで読んだ文が頭に浮かんで、まさにそんな不思議な感じを味わいました。「ベートーヴェンってこんな曲書いたんだ!なんてすごいんだ」って感想が浮かんできて、演奏がどうこうということを忘れていた、ということです。
終わった時は余韻を楽しみたくて拍手をしたくなかったけど、しないわけにもいかずシブシブ(笑)しましたが、最後のMCで、まさにそのようなことを言われていて、ちょっと驚いた次第。


そして3日後の23日(木)15時開演
「上里はな子・松本和将 デュオリサイタル」@プリモ芸術工房
に行ってまいりました。





シューマン: 子供の情景
ベートーヴェン: ヴァイオリンソナタ第10番
(休憩)
クライスラー: プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
リヒャルト・シュトラウス: ヴァイオリンソナタ

アンコール  美しきロスマリン

前夜、配信チケットを買っていたのですよ。
朝、洗濯をしながら、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリンソナタ(庄司紗矢香&イタマール・ゴラン)を聴いていたんですが、
「これは、はな子さんの音に絶対合ってる曲だ!さぞ凄かろう」と思い、
家族には「ちょっと出かけてくる。帰りは6時前」と言い置いて、結局ライブに来ちゃいました。
リヒャルト・シュトラウス、期待通りでした!
2楽章の息の長い歌、
3楽章の、ローゼンカバリエとティル・オイレンシュピーゲルが混ざったような(笑)、噴き上げたりくすぐったりするような自在な音型と、艶やかで迫力ある演奏。これは楽しい。

「子供の情景」は、ここの空間とこのピアノにちょうど良い感じで、自分もいつかここ借りて弾いてみたいな…と思ったり。
ベートーヴェンの10番は、ピアノソナタでいうと第27番と第28番の間くらいの時期に書かれたものだと思いますが、いまだに私の中では不思議な曲。それだけにまたぜひ聴きたいです。
クライスラーの通称ミシミシは、これまでもはな子さんで聴いていますけれども、いつ聴いてもテンションと迫力に圧倒されます。

それにしても、
松本さんは月曜日に倉敷で、ベートーヴェンの29、30、31、32番を弾かれ、
はな子さんは前夜京都で、ラヴェルとシューベルトの四重奏曲を弾かれたばかり。
なんというタフなお二人!

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