てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

書き出し

2006-04-21 17:17:52 | 暮らしと生活
 「親分、た、大変だッ」とガラッ八の八五郎が裏木戸から飛び込んで来た。

 いわずと知れた野村胡堂の『銭形平次捕物控』の冒頭である。昭和6年(1931年)、「オール読物」創刊時に捕物帳執筆を頼まれ、原稿の締め切りに追われた氏は、心の中で「(困った)大変だ」との思いが、この書き出しの「大変だッ」につながり、一瀉千里に40枚書き進んだそうだ。
 「平次」は以後26年間続き、長短あわせて382編という捕物帖の歴史の中で最長・最大のシリーズとして、今でも多くの読者に親しまれている。

 大宅壮一は『文章は最初の三行にあり』というが、文章のネタ切れや書き出しに困った時、決まってこの話を思い出す。
 私なぞ日ごろは文章とは縁遠い生活で、このブログを書くのが精一杯だが、文章を書くって本当に難しい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2007年問題対策 | トップ | 芝桜2種 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

暮らしと生活」カテゴリの最新記事