世界一健康長寿のニライの風来坊

豊饒を齎す理想郷は海の彼方の蓬莱島!ニライの島夢郷!!その桃源郷を求めて南の風来坊は今日も迷走する。

稲盛和夫氏の哲学「人は何のために生きるか」

2005年09月08日 | Weblog
読解した断章の梗概を以下に連続して提示します。

第二十章 「足るを知る」ことについて

京大の霊長類研究の第一人者の故伊谷純一郎先生の話。・・・チンパンジーの研究のためにアフリカの山に何ヶ月も滞在するらしい。その時の原始狩猟民族の集落での経験した話では狩に出かける時に一族の男が総出で弓矢を手に出かける。誰か一人でも一頭の獲物を捕ると、その日の狩は終わり。集落に帰って獲物を解体して一族で分け合う。仕留めた男が一番いい肉を家族向けに取り血縁の濃い順に親、兄弟・姉妹、義理の親・・・とお裾分けしていく。末端では肉片も小さくなっていく。伊谷先生は「もっと捕ってたらふく食える様にしたらいいのに」と言うと、「いや、村の掟に反する。昔からの慣わしだ。」といったと言う。欲望の赴くままの乱獲は野生動物の減少を招き何れ食糧難になり自滅の道を辿る事になる。彼等は本能的にその事を知っていたのだろう、と。又チンパンジーの社会でも言えるという。普段は木の上の生活だが、たまに地上に降りて来て動物を倒し肉食する。一頭を仕留めると狩を止めて居合わせた全員で肉食する。原始狩猟民族もチンパンジーの社会でも自分が生きる為に欲望を抑え自分を取巻く環境との共生を図る知恵を持っている。アフリカには現在でも原始的な焼畑農業を営む部族がいるが伊谷先生達が立ち寄るとご馳走を出して歓待するという。以前フランスの調査隊が何日間か逗留した時もご馳走を出して歓待したが自分たちの食料が欠乏し食糧難に陥ったという。「何故そんな事をするのか、食料はどの位作っているのか」、と聞くと「一年間食べられる分しか作らない」と言ったという。「それなら訪問者に食べさせたら足りなくなるに決まっている、少し余分に生産したら」と言うと「それはできない。の神様が許さないからだ。」と酋長は答えたそうだ。・・・焼畑農業を営む彼等は肥料を使わずに毎年生産する。例えば10年単位で一定期間そこに住み生産し生活する。又別の土地で焼畑農業を営み生活する。10回位の循環で最初の土地に戻って来る頃には最初の森は鬱蒼とした森林になっている。文明を享受しない原住民の生活の知恵である。森の再生能力を超えて森を焼き払わないのである。今は、ひもじい思いをしても厳格にルールを守り続ける。その原住民の姿に触れ伊谷先生は、いたく感服されたという。「共生」の生き方が遺伝子的に彼等にインプットされ脈々と受け継がれているのであろう、と。森羅万象が未来永劫に生き続けていく為には「足るを知る」事が不可欠である事を原住民の掟からもいえるのではなかろうか、と指摘される。翻って科学が発達し豊かな生活を享受している先進諸国の私達は欲望の赴くままに満たされない現状に不満を抱いて生活している。私たち日本人は、もう十分に豊かになっている。そろそろ「足るを知る」の実践と「共生の思想」を持もって物質的のみならず精神的にも豊な社会を築いていけるはずだ、と伊谷先生の実践と経験から学んだ事を氏の信念として披瀝された。


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