京都再生医科学研究所の中山伸弥教授のグループが「ヒト人工多能性幹
細胞」(iPS細胞)を創出した。“万能細胞”である。世界の再生医療の最先端に
新地平を開いた。人類の夢が遂に実現に向かった。他人の細胞、臓器の移植
には<拒絶反応>は付き物だった。それが自分の皮膚細胞の移植で解消し
た。従来は「胚性幹細胞(ES細胞)」を分化させて応用する仕方だった。それに
は卵子を使った<クローン胚>から作らねばならず<倫理上の問題>があっ
た。即ち“拒絶反応”と“倫理上の問題”の2つがネックだった。それが「ヒトiPS
細胞」という<万能細胞>の樹立によって一挙に解決した。「ヒトiPS細胞」の成
功は米国ヴィンコンシン大学でも成功している。世界の再生医療科学者が、し
のぎを削って熾烈な競争を展開している。その事自体は治療を要する難病患
者にとっては朗報である。例えば「パーキンソン病」、「脊髄損傷」、「重度の糖
尿病」、「心臓・肝臓移植の治療」等の患者の治療には待ち望んでいた大朗報
である。おまけにiPS細胞から卵子や精子をつくることもでき、不妊治療の応用
にも期待が持たれている。希望の持てる光明が射してきた。人間への治療に
は年月が経かるかもしれないが地道に研究を重ね成果を出してほしい。しか
し、それには克服せねばならない問題も山積している。即ち「iPS細胞作成に必
要な遺伝子を皮膚細胞に移入する際に<発がん性のあるヴィルス>を使用し
ている事である。増殖・分化させた組織・臓器が<がん化する恐れ>がある、と
の指摘である。だから『<発がん性のない>ヴィルス』を使用する研究が必須
という。又、自分の皮膚細胞を使用するので自分と同じ遺伝子を持つ人をつく
る事も原理的には可能であるとの事である。そこでも倫理的な問題が生じる。
何れにせよ人類の夢が又、一歩、実現に向かって船出した事は大いに期待さ
れるべきである。即して研究の経過を逐一公開し透明性を高めて更なる研究
に邁進してほしい。今後の朗報ある成果を期待する。・・・
(参考資料:全国紙・地方紙)
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