09年度予算財務省原案は08年度一般会計の当初予算に比べ
農業予算は6.7%減額である。厳しい内容となった。一般会計全般は08年度よ
り6.6%の増額で過去最大の“88兆5480億円になった。6.7%減の農業予算
は<2兆4601億円>である。例年なら当然、復活折衝に臨むとこらだが今回
は 百年に一度 の世界的金融危機に見舞われ官邸・首相主導の 重点課題推
進枠の 3330億円 と調整財源の200億円 で処理される。24日の臨時閣議
で政府案を決定する。農業予算は09年度で連続減額である。4割に満たない
自給率を上げるには厳しい査定である。自給率向上を喧伝する割には腑に落
ちない予算だし整合性を欠いている。8月の農水省の概算要求より17.9%も減
額されている。WTOの趨勢からして日本農業を死守するにも呑めない内容で
ある。麻生首相の英断で「重点課題推進枠」 の <3330億円> で重点配分
すべきである。その折衝に農業関係者は全力を注ぐべきである。食の倫理が
喧しい折柄、原初の生命維持の農の重要性を再認識し国民一丸となって予算
獲得、折衝に邁進してほしい。折衝の焦点は「水田等有効活用促進交付金」、
「耕作放棄地等再生利用緊急対策」である。期待したい。
※付記:資料 ・・・【09年度農林水産予算原案】・・・
●農林水産予算総額・・・2兆4601億円
▲公共事業費・・・・・・・・・・・9952億円
▲非公共事業費・・・・・1兆4649億円
■主な事業・・・食糧供給力の強化の取り組み推進
△水田・畑作経営所得安定対策
1.生産条件不利補正対策・・・1537.6億円
2.収入減少影響緩和対策・・・・757.6億円
△地域担い手経営基盤強化総合対策実験事業・・・81.4億円
△農地確保・利用支援事業・・・70.8億円
△農地確保・利用推進体制支援事業・・・4.8億円
■農山漁村活性化 △中山間地域等直接支払交付金・・・221.5億円
△農地・水・環境保全向上対策277.0億円
■食の安全・安心の確保 △食品安全確保・試験事業・・・10.4億円
■国産材への転換と利用拡大
△木材産業原料転換等構造改革緊急対策事業・・・5.0億円