18世紀後半のデンマーク。
ドイツ人医師のストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)は、精神的な病を患っている国王クリスチャン7世(ミケル・ボー・フォルスガール)の侍医となる。
国王の信頼を得たストルーエンセは、一方で王妃カロリーネ(アリシア・ヴィキャンデル)と惹(ひ)かれ合うように。 しかし事実上の摂政として手腕を振るうようになったストルーエンセを、保守派貴族たちは快く思わず……。
「イギリス王太子の娘、カロリーネが15歳でデンマーク王クリスチャン7世と結婚したのは、アントワネットの嫁入りより4年前のこと。そのカロリーネとドイツから来た王の侍医ストルーエンセとの不倫愛、そしてストルーエンセの王国支配は、デンマーク人にとっては恥ずべき歴史上のスキャンダルだという。 しかし、映画はそうしたイメージにとらわれず、王と王妃、ストルーエンセそれぞれの立場に立って見落とされがちな史実を掘り起こし、奥深い人間ドラマとして構築してみせる。ここで描かれるストルーエンセは権力をほしいままにした野心家というより、啓蒙思想に則り庶民のための改革を進めた理想家だ。彼に特権を奪われ、巻き返しを図る貴族や皇太后らの権謀術数は実にスリリング。 だが、それ以上にこのドラマを面白くスリリングにしているのは、王の存在だ。クリスチャン7世は精神を病み、子供っぽく突拍子もない奇行に走りがち。そんな王を、王妃は理解できずに失望する。一方、ストルーエンセは王が引用したシェイクスピアの台詞に反応したことで、王にとってかけがえのない存在となる。つまり3人の関係は、完全なる三角関係なのだ。ストルーエンセを説得力たっぷりに演じるマッツ・ミケルセンはもちろん素晴らしい。と同時に、ストルーエンセが保護者のような愛情を抱かずにはいられなかったに違いないと思わせる、国王役のミケル・ボー・フォルスガードの演技も忘れがたいのだ。(若林ゆり)(映画.com)」より
実話を基にした見応えのある内容でした。
マッツ・ミケルセンの静かな中にある説得ある演技力もさることながら、
国王を演じたミケル・ボー・フォルスガールの演技も必見でした。
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