病院のベッドで目を開けたジャン=ドーは、自分が何週間も昏睡状態だった事を知る。
そして身体がまったく動かず、唯一動かすことができるのは左目だけだという事も。
ジャン=ドーは雑誌「ELLE」の編集者で、三人の子どもの父親だった。
彼は言語療法士の導きにより、目のまばたきによって意思を伝える事を学ぶ。
やがて彼はそのまばたきで自伝を書き始めた。
その時、彼の記憶と想像力は、動かない体から蝶のように飛び立った…。
この作品は原作『潜水服と蝶』、実話を映画化したもの。
主演のマチュー・アマルリックの演技もしかり、まばたきだけの主人公の心理と空想の世界が上手く描かれている。
最後のクレジットのシーンを見ながら、ジャン・ドーはこの作品を残すために生まれてきたのかな、とふと思った。
「007 慰めの報酬」以来、マチュー・アマルリックの演技、なんともいえない雰囲気と存在感が好きだ。
外人にしては小柄なのだけれど、人のオーラ、存在感は体の大小ではないと思う。
次回の作品が楽しみ