豆とオリーブ

4歳の娘と私の日々日記

『ヒトラー最後の12日間』

2005-07-19 19:32:05 | 映画
『ヒトラー最後の12日間』を観てきました。

ストーリーはナチス崩壊、最後の12日間の出来事をヒトラーの元秘書
ユンゲの目線からみたものです。

この崩壊劇は大きな枠で言うとナチスドイツ、身近では現在の会社組織
ととても似ている。そう思う人はたくさんいたと思います。
ヒトラー含むナチス上層階級たちは地下要塞にてナチス崩壊への時間を
不安と背中合わせに隠れ潜み、反面ドイツ市民たちは武器もなくロシア
から攻撃され、食糧もなく、あげくにはドイツ兵から集団暴行を受ける
等とにかく悲惨極まりない状態。
ヒトラーたちはもちろんそんな市民のこと等どうでもよく、自分達のドイ
ツ再建のみ。それを続行できるなら市民の行く末などおかまいなしという
有り様。近年の会社組織と似ている。

ヒトラーというカリスマに群がっていた上層階級たち。崩壊劇が始まると
逃亡する者、ヒトラーの後任になろうと企てる者、忠誠を守り続ける者と様々。
この映画の一番の見所はヒトラーの人間性に着眼したところ。
これまで単に『大量虐殺の殺人指揮者』だったヒトラーの人間的な面を
かいまみることができる。
そしてドイツ国民の多くが当時ヒトラーが、ナチスドイツが行った
虐殺等のことを知らなかったこと。国民もヒトラーの側近のユンゲたちも
ヒトラーを敬愛して疑うことを知らなかった。

この映画は単にヒトラーの人間性を描いたのではなく、戦争と人間の愚かさ
、弱さ、恐ろしさをうまく撮っている。
重たい内容ではあるけれどぜひ観てもらいたいこの夏のおすすめです。

《余談》
私は昔からヒトラーに興味がありました。どんな環境で育ち、物事を考える人
だったのか。あの虐殺をするにあたるユダヤ人への思想、偏見はどうやって培わ
れたのか。この映画をみてまたヒトラーという人物がわからなくなりました。