その昔、足利には「デイリー洋菓子店」という銘店がありました。
里帰りの折、「何が食べたい?」と尋ねられれば必ず名前をあげていた「デイリーのバナナパイ♪」。ある友人はよくある質問ベスト3のひとつ、「最後の晩餐は何がいい?」に迷わずこのバナナパイを答えたほど。
ところがある日、貼り紙一枚でそのお店は閉店してしまいました。あのとき、お店の前で立ちすくんだ気持ちは今でも忘れられません。
それから早20年ほど経ったでしょうか……。
「職場近くのケーキ屋さんと親しくなったから、頑張って説明して再現してもらったの!試作品より生クリームを増やしてもらったんだよ!今度のはおぐちゃんも食べてみて!」
と今日、親友が訪ねてきました。嗚呼!このシンプルこの上ない、カスタード、バナナ、生クリーム、以上!の味。えーーん、懐かしいよぉぉぉ。
「なんでバナナパイって名前だったんだろ?って不思議には思ったんだけど……」という天然具合も素晴らしい親友。勿論、タルト生地じゃなくてパイ生地だったから「バナナパイ」って名前だったのよ、すーちゃん♪(でも、タルト生地もめっちゃ美味しかったことをここに証言致します)。