若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

いいことを大事に

2013-04-16 10:43:46 | 音楽(足利市民合唱団)

歩道に知った顔を見付けました。我が合唱団の誇る素敵テノール 兼 個性派俳優 兼 ムードメーカー 兼 打ち上げエンタメ担当者のI先生でした。

 

若女将 「せんせー、せんせー!」

I先生 「おぉー!今日は気持ちがいいね。山へ少し歩きに行くんだよ。」

若女将 「いいですね♪」

I先生 「それにしても、あれだね。伴奏が素晴らしいよね。林光のね。歌もいいけど、とにかくピアノがいいね。」

若女将 (いきなりの話題展開に驚きつつも) 「はい♪」

I先生 「M先生に言ったんだよ。本当に素晴らしいってね。ありがたいよねぇ。大事にしなくちゃねぇ。」

若女将 「はい♪」

I先生 「いいことを大事にしたいね。いいことを大事にね。」

若女将 「はい!(じーん)」

I先生 「じゃあ、また金曜日にね!」

若女将 「はい♪ いってらっしゃーーい♪」

 

いいことを大事に。

 

本当にそうだよね。朝イチに素敵な会話。いい一日になりそう。

 

<これだけの会話中、車を停めたままでも後続車がこないほどの田舎道。のんきな街だ(笑)。>


暗譜

2013-03-14 18:15:20 | 音楽(足利市民合唱団)

「基本的には」、合唱団でやる曲は暗譜するように心がけています。うちの合唱団は年齢層が広いこともあるのか、暗譜マストではない場合も多いのですが。

なんというか、暗譜作業をしていると、だんだん曲と(ってか詞と)仲良くなってくるような気がするのです。まさに、歌詞と一緒にカラダに入り込んでくる的な(ただ~、カルミナ・ブラーナのときのラテン語だけは~、最後まで敵意むき出しにされた気がして~。つらかったなぁ)。

 

ただ、今回は曲数が多過ぎて、どこから手を付けていいのか分からないよ……と迷っていたのです。でも、あれ?なんだ?意外と覚えてきちゃってる。ふーん、私の脳もまだまだ若いじゃん☆



さーて、仕事も一段落したし、本気で頑張ろうっと。暗譜に成功したって、上手に歌える訳じゃないけどねー、ふん♪ ふふーーん♪

 


変わる楽しみ

2013-02-27 10:21:51 | 音楽(足利市民合唱団)

私は42歳です。もうすぐ43歳になる予定です。この仕事(写真館の若女将)について早10年余、二代目と結婚して早16年余。それほど変化のある毎日でもなくなってきました。外的変化はそりゃあ、様々あるけど、ココで言う変化とは、内的変化、自分が変わるか否かってとこ。

 

そりゃあ、反省して敢えて変わることもあります。

 

1.胃袋のキャパが小さいのだから、食べ始めの段階で、一番好きな具を食べるようにする。

2.不安・苦手な仕事のときほど、「お世話になりまーす!!」とでっかい声で入るようにする。

3.ライティングを決めている時に話し掛けると睨まれるので、とりあえず黙っているようにする。

4.音が外れるのが恥ずかしくて口パクしてた高音も、「えーい、ままよ!」と大声で歌うようにする。

5.可愛いお菓子を頂くと、つい飾り続けて駄目にしてしまうので、写真を撮ったら即座に食べるようにする。

 

などなど。

 

でも、ふと気づいて、「あ、自分が変わった?」と知るのは、とても新鮮です。この年になると、それってあんまり無いから、かえって自覚するんでしょうけど。

 

1.大の苦手だったハミングで、高音を探ってから出すと出しやすい、と感じるらしく、よく「んー…」と練習中にハミングるようになっている。

 

かなり些細なことなんだけど、先日気付いて自分で驚いたもんで。いつの間にか敵が味方になっていたみたいな気持ちでした。

 

 

 

 

自発的に変わったことリストNo.5に基づき、本日食します♪ 

(業務連絡)みどりいろちゃん、サンキュ♪ (写真もうちょっと待ってね)

 

 

 


再会

2013-02-24 18:28:19 | 音楽(足利市民合唱団)

素敵なコンサートへ行ってきました。ココロから尊敬申し上げている(のに、普段はついお友だちみたいにお話しできちゃうお茶目で、可愛らしい方です)高橋ちはる先生と、ご友人の篠加奈子さんとのジョイント・コンサート

数々の美しい曲の中で、わたしが一際ココロ動かされたのは、「紅葉」と「ふるさと」。そう、とってもお馴染みのあの2曲です。「紅葉」なんて、万年ソプラノの私でさえアルトを歌えるほど有名なハーモニーだし、「ふるさと」は途中まで完全な斉唱でした。なのに、どうして、あんなに。

 

私は割と普段、生で音楽に触れる際大切にしているのは、出会い。この世には知らない曲が星の数ほどあるのだから、例えばお目当ての曲があったとしても、その他の知らない曲との出会いにわくわくします。そして大抵、そこに歓びを感じるのです。「あぁ、こんな素敵な曲にまた出会っちまったぁ。」ってな感じで。

 

でも、今日は昔から一緒に居てくれた親友のやさしさに改めて感謝した一瞬、って感じでした。この2曲との、とても新鮮な再会でした。


佐渡裕指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 特別演奏会

2013-02-08 11:22:18 | 音楽(足利市民合唱団)

「うーーん。お腹いっぱい。ご馳走様でした。」

といった感想でした。素晴らしかったです、昨夜の足利市民会館でのコンサート。

 

ベト7(ベートーベンの交響曲第7番イ長調作品92。通ぶってこんな風に呼んでいる)を、佐渡さんの指揮で聴けるということで、それだけでも充分だな、とチケットを購入しました。そして、ベト7は、「神戸に神戸牛を食べに行って、ステーキ食べて、大満足☆」といったところ。

 

予想外だったのは、その他の2曲。田舎の片隅で食事処に迷い、「この店やってんのぉ?」と入った蕎麦屋の天ぷらが絶品だった、的な。

 

1曲目のハイドン交響曲第44番ホ単調「悲しみ」という曲。『……という曲』という表現からも明らかなように、私は全く知らない曲でした。んで、聴き終って「あー、今日はこの1曲だけでも来た甲斐あったなー。」と思いました。あの3楽章を自分のお葬式で流すよう指定したというハイドンさん。今までの「ハ・イ・ド・ン!」というイメージが随分変わりました。様々なレクイエムなどと比べて、なんと明るい別れの音楽。むせび泣くというよりは、故人との楽しかった日々を思い出しながら、微笑んで涙を流している本当に親しかった人々に囲まれて、静かに旅立つ……といった感じ。「美しいなぁ。」とじんわり涙が浮かぶ素敵な音楽でした。佐渡さんとハイドンさん、なんだか合わなそうって勝手に思ってたけど、良かったなー。佐渡さん、譜面台越えて第2バイオリンの前まで歩いて行っちゃう気合の入りようだったし(指揮台がなかった)。

 

そして圧巻だったのは、ペーター=ルーカス グラーフさんのフルート。モーツアルトのフルート協奏曲第1番も流石の存在感でしたが、私はアンコールの独奏ドビュッシーの「シリンクス」という曲に、ぐっときました。初めて聴いた曲だったけど(きっとフルートに馴染みの深い方には有名な曲なんだろう)、きっとグラーフイズムの沁み込んだ演奏だったんだろうなぁ。鳴り止まない拍手に納得でした(私の近くに座っていたご婦人は、休憩時間になっても「まだ拍手したいわね。」と仰ってました)。

 

で、星空を眺めながら、演奏者の方々の乗ったタクシーと競争して自転車をキコキコ漕いで帰宅。「あーー、お腹いっぱい!」と言いながら、実際のお腹はぺこぺこで、ブリ照りとか食べちゃうところが、地元の音楽会って感じでとても贅沢な気分でした♪


打楽器奏者は勇者だ

2012-10-30 13:10:07 | 音楽(足利市民合唱団)

ご迷惑・ご心配をおかけしまくって、マーラー交響曲第2番「復活」、出演することができました。110人の大合唱団の内の一人だから、私が出るか出ないかは、どーでもいいことなんですが、それは私にとって、どーでもいいことじゃあなくて。いつもは『本番より練習が楽しい~』なんて言ってるくらいなんだけど、今回は妙に本番にこだわりがありました、なんでか分からないけど。絶対出たい!ってこんなに強く思ったのは、中学校の合唱コンクール以来かもってくらいに。だから、快く送り出してくれた家族と、練習休んだり体調最悪な私を応援して迎え入れてくれた仲間に心から感謝しています。ありがとう☆☆

 

 

さて、今回私の属するソプラノの前にはオケの打楽器陣がいました。金沢のお寺の和太鼓合宿の資料を取り寄せたり(勇気がなくて行かなかった)、アメリカでドラムのクラスに通ったり、私はとにかく太鼓が好きなんです。今も、若女将の必殺撮影小道具は、『泣く子も黙るでんでん太鼓』ですし。だから、今回はこれ幸いと、打楽器陣に注目して眺めていました(2~4楽章、合唱団は舞台上で座って出番を待っていたのです)。

 

「復活」の曲中で、打楽器が静寂から入り、ぐわーーーっとクレッシェンドする場所があったのですが、その小太鼓さんを見ていて、私は(まったく、完全なるヒトゴトなのに)、ドキドキしてちょっと緊張してしまいました。その超目立つ音を、たった一人で、これだけの人数のオケ&合唱団の創り上げる舞台の上で、責任を持って、思い切って、叩かなきゃならないんだーって。それは打楽器をやろう!と考えた方々にとっては、日常の光景でしょうし、快感の瞬間なんだろうけど、私はあの場に自分が立って、指揮者の合図が自分に向けられる!と想像しただけで、ちょっとお腹痛くなっちゃった。

 

きっと学生時代とかに、何かの機会に恵まれて、シンバル(か、トライアングル)を1回でもバーン(か、チーン)と舞台で叩く経験をしていたら、もっと勇気をもって歌えていたかもなぁ、大勢の中のちっぽけな一人なのに、それでも怖くて声が出せないことがある情けない自分を変えたいなぁ、と思いました。だから今回は、「この次の音、わたしいつも低いんだよなー。どうしよう、黙っちゃおうかなー。」って最初のころ思ってた箇所を、しっかり毎回勇気をもって「出す」ことにこだわりました(業務連絡:先生に「ソプラノ2!ココ、思い切っていかなきゃだめだよ!」と叱られたラストの三連符のとこね)。そしたらね、一曲歌い終わったあとの、達成感がハンパないんだよね。私は勇気をもって歌いきったぜ!的なね。

 

この曲にもらった勇気、忘れずにこれからも携えていきたいと思います。またモジモジし始めた若女将を見付けたら、「ほら、小太鼓、小太鼓」って励ましてね(←既にもう弱気)。


幸せな気持ち

2012-10-15 07:45:29 | 音楽(足利市民合唱団)

今月末に本番があるのに咳が止まらず、昨夜の練習に向かう前は、半ば出ることをあきらめていました。この咳じゃ、歌うどころの騒ぎではない。もう間に合わない。練習出来ないし。なんで私ってこうなの?確かに「秋はアレルギーを誘発するから、風邪ひいちゃ駄目。」と思っていたのに、テレっと風邪をひいた自分が悪いんだ……。ぶーー……正直、凹んでました。今回の本番は、私にとって特別な理由が幾つもあって、近年まれにみる、出たさ加減だったから。

 

見学のつもりで出掛けたけど、「発声練習だけ試しにやってみようかなぁ。」と思ったら、あれ?割と平気?

オケ合わせになっても、「ちょっと出してみようっかなー。」と思ったら、あれれ?歌えるよ?しかも調子良かったりして?

合唱練習になって、「さすがにおとなしくしよう……って、ダメだー、歌えると思うと、歌っちまう!」

 

みるみる私は元気になりました。

 

帰ってきてから録音を聴いて、「ははは。練習休んでたんだから、調子よく歌えるはずもないかっ。」と現実を知り、曲間では割と咳をしていたことも知りましたが、それでも、私は充分HAPPY!毎週必死で練習に行く自分を、時々不思議にさえ感じていたけど、結局のところ、歌が歌えりゃあそれだけで幸せ。かわいいもんだ、と我ながらおかしくなってしまいました。

 

あと半月。迷惑をかけない程度に咳がおさまってくれたら、出られると思います(練習2回休んじゃったけど、昨夜の役員さんの様子だと出てもまだ許されるらしい)。仕事もキツい時期ではあるけれど、とりあえずこの期間だけは、28日(日)マーラー「復活」に出るために、自分のコンディション作りを第一に過ごそうと思っています。


樹氷林

2012-10-11 10:12:43 | 音楽(足利市民合唱団)

いつまでも引きずって恐縮ですが、オペラ「ピーター・グライムズ」が、頭から?カラダから?抜け出て行きません。勿論、わーわー言う撮影のときは大丈夫ですが、ふっと立ち止まった時に、ぼーっとしてしまいます。別に、オペラの主題だの、訴えかけてきた内容だのを、具体的に噛み砕こうとしてる訳じゃぁないと思うんですけど。内容も音楽も、かなり重めだったので、ずっしり塊が残った感覚。

 

その余韻も含めての舞台だと思うので、それはそれでいいのですが、ちょっと気分を替えようかな。次のニンジン、ぶら下げようかな。と、来年のオペラのチケット購入を検討して、ホームページなど開けてみました。「そういえば私、タンホイザー観てないんだよなー。あ、こないだ私が座った席、まだ空いてるじゃん。1月末なら、うまく調整すれば多分行かれるよなー。」……と思いながら、クリックに至らないのは、ちょっとした臆病な怯えがあるから。

 

それは2年前の樹氷の思い出があまりにも完璧で、「多分、2度と行かないんじゃないかな。」と思っているのに近いもの。私たちにとって、足しげく通った蔵王はちょっと特別な土地であり(テレビなんかに登場すると、「あーー、ざおーだ!ざおーだ!」と大騒ぎ)、行きそびれている春の蔵王なんかは是非行きたいと思っているんだけど、真冬の蔵王に再び行って、「でも、前の方が良かったな。」と思ってしまうのが怖いのです。

 

そんなにオペラを観た経験がある訳じゃないけど、何だか今回の「ピーター・グライムズ」って、何かが普通のオペラとは違っていた気がしてならなくて、次に踏み込むのがちょっと不安な感じ。まぁ、いいか。暫くこの重たい感じで、おとなしくしていましょう。


ラジオを録音

2012-10-10 16:21:02 | 音楽(足利市民合唱団)

急にラジオを録音したい事態が起きました。はて?どうすればいいのかな。

 

MDレコーダー機能は故障したままだし、テープレコーダー付ラジオなんて倉庫で埃かぶってる……。最近では、ラジオから流れるけど、歌っている人の名まえが聞きとれない!なんて心配も一切なくなってしまったから(ラジオ局のホームページを閲覧すれば、一目瞭然)、ニーズがなくて考えたこともなかったし。大昔、まだレコーダー付きコンポとか持ってない頃は、ラジオの前にテープレコーダーを置いて録音したりしたけど(そういう時に限って、お母さんに「なおみー、ごはんよー。」とか呼ばれちゃったりする)。ラジオを録音して、適当な歌詞で覚えて、店員さんに歌って、CDを買うなんて荒業も、もうする必要ない時代なんですよね(「なーしごなすとーあーなー♪」と、店頭で歌って、マネキンのテーマソング"Nothing's gonna stop us now"を買った実績あり!)。

 

で、結局どうすればいいかな、と思案した挙句、ラジオを部屋に流して、それをいつも練習で自分の声を録音してくるICレコーダーで録音するという、ウルトラ原始的な方法で録音しちゃいました。このICレコーダーってめっちゃ優秀だから、綺麗に録れるんだ、これが。ただ、テスト録音したのは真夜中だったから問題なかったんだけど、朝ラジオを流して録音ON!して出掛けて帰ってきたら、屋外の車の音や、お隣の電話の音とかも綺麗に入っちゃってました、とほほ。

 

 


2012年、私はピーター・グライムズを観た。

2012-10-04 14:48:39 | 音楽(足利市民合唱団)

新国立劇場の15周年シーズンのオープニング公演、オペラ「ピーター・グライムズ」に行ってきました。

 

昔、オリンピックで、14歳の女の子が、「今まで生きてきた人生の中で一番幸せでした。」と言って、話題になったことがありました。さあ、40年生きてきて、「人生の中で一番」という体験をそうしょっちゅうするかというと、残念ながらそんなにエキサイティングな日々という訳でもありません(それはそれで、疲れるだろうけど)。でも、時々だからその体験は光るのでしょう。間違いなく、今回のオペラは、私の人生の中で一番魂を捕まえる舞台、でした。

 

大抵の舞台で私はよく泣きます。それは、ストーリーに感動して泣くというより、何か音の重なり具合とか、響く具合とかが、動物的な感覚として入り込んできたときに、泣く……と自分なりに解釈しています。ただ今回は、泣くに泣けなかった。多分それはあまりにも悲しいと涙が出ないのと似た、人間の構造上の問題でしょう。結局あとから考えてみて、圧倒的な合唱や、訴えかけるアリアなど、ものすごい密度で畳み掛けてくる舞台の中で、1つのシーンを除いて、全く泣くことはありませんでした。その1つのシーンも、感動したというよりは、少し穏やかになり、波が収まったような気がして、じんわり来たといった感じでした※。こんなにギリギリと集中を余儀なくされたことは無かったから、終演時には本当に疲れ果ててしまいました(病み上がりに無理して行ったし。二代目にお願いして途中の駅まで迎えに来てもらってしまったほどの消耗でした)。

 

本当に行かれて良かった。自分の人生に、「2012年のピーター・グライムズを観た。」という体験が足されて、本当に良かったです。

 

 

※ご存知の方へ。女性の4重唱のシーンでした。ただ、そのシーンも最後はうぐっと涙を呑みこむようなエンディングなんですが。