雀の生息数は、この20年間で5分の1に減少したらしい。
この超近代化路線の20年間で、雀の生育条件がそれほどに悪くなってしまったということになる。
まず第一に、巣が作られる藁屋根の家がなくなってしまったよねえ。瓦屋根には巣をかける隙間がない。
どこもかしこも鉄筋コンクリート。橋も駅舎も美術館もマンションも入り込む隙間がない。
性能のいい大型コンバインの登場で、落ち穂の穀物を落とす確率が急速に下がって、餌が探せなくなった。
天敵のカラスが増え続けている。天敵の猫が増え続けている。
人間のいる近くにしか住めないほどの人間贔屓なのに、人間は、これを拒否したような、快適な、いい暮らしぶりを推し進めて行くばかり。ちっとも保護してはもらえない。
雀は稲につく害虫を食べて人間に尽くして来たのに、である。稲も少しは食べたけどね。
ああ、なんとかしてあげたいなあ。
雀のお宿の昔話の、恩返しもあることだし。