今日は5月31日。明日から6月だ。雨の降る6月だ。
雨が降らないと田圃に水が入らない。水が入らないと、田起こしが出来ない。田起しができないと、田植えが出来ない。
よくしたもんだ。雨が降る。田圃に水が入る。田起こしが進んで、田植えが始まる。6月は、万事順調に推移する月だ。よい月だ。
今日は5月31日。明日から6月だ。雨の降る6月だ。
雨が降らないと田圃に水が入らない。水が入らないと、田起こしが出来ない。田起しができないと、田植えが出来ない。
よくしたもんだ。雨が降る。田圃に水が入る。田起こしが進んで、田植えが始まる。6月は、万事順調に推移する月だ。よい月だ。
天気予報だと午後の5時からは曇りになる、らしい。
それから畑に出よう。
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いま出て行ったら、焼け焦げそう。わたしはこうして我が儘を通す。通すことが出来る。
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でも、家の周りの道路では下水道工事が進んでいる。大型機械が活動している。土砂を運ぶトラックが行き来している。警備員の人たちが笛を鳴らしている。働いている人は、天気の都合に合わせられない。日照りの下にいて焼け焦げていらっしゃる。雨が降れば雨に濡れたままだ。
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偉いなあ偉いなあと思う。頭を下げたくなる。
緑の木陰に入ると、いい風が吹いて来る。蒸し暑さが消えたようになる。汗が引く。ひんやりして来る。幸福を覚える。
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なんということもない幸福なんだけど、それでも人を幸福にさせる。
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そういう幸福がたくさんある。回りにたくさんたくさんある。気づかないことが多いが、それに気付くこともある。
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世の中捨てたもんじゃないな、と思う。笑い声が出る。
満足すべきこと、満足していいことが、99%ある。そうであるのに、残りの1%が不平を鳴らす。騒動を起こす。がなりたてる。暴れまくる。
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するとそれがまるで99%もあるように見えてしまう。錯覚してしまう。1%の不平分子の言う通りになると、天地がひっくり返る。一天掻き曇って嵐が来る。
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静かになってみると、満足の99%が出現して来て、安心をさせてくれる。だから静かになることがとても大事になって来る。わたしのこころの内幕だ、これが。
コーヒーを淹れてもらった。3時を過ぎた。コーヒーを飲みながら、安物のカステラの切れ端を食べる。甘い。
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今日は一ヶ月ぶりに、久しぶりに、新聞の読者文芸欄に投稿する川柳部門、俳句部門、短歌部門の作品を書いた。3作品ずつ。午前中いっぱい推敲した。難産だった。
投稿を完了させて一段落した。
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いつもいつも落選に泣いているのに、それでも書きたい、投稿したいという意欲がむっくりと起こって来る。意欲が起こってくるのは悪いことじゃない。
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選考するのは選者。選ばれないのは仕方がないことだ。そう思って、思い聞かせている。
午後からからりと晴れた。晴れ渡った。気温が27℃ある。暑い。下着一枚になる。
冬の寒さをしのぐためのコタツがもう要らなくなった。昨日、取り払った。コタツの掛け布団上下を洗濯に出して来たところ。
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窓を開け放つ。網戸にしていると、風が室内に入って来る。涼しい。雨がこんなふうに止んでしまったのなら、畑に出て行ってもよさそうだ。
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5時頃から北の畑に一輪車を押して出掛けよう。里芋の親芋を植え付けて上げよう。畑に畝を盛り上げて。そこに。ゆったりと。
昨秋、子芋を収穫した後、親芋だけを畑の片隅に集めて土を被せておいた。それがどっさりある。
我が家の庭先に「酔芙蓉(すいふよう)」が元気にこんもりと葉を茂らせている。植えてから2年目を迎える。
夏になれば花を着ける。朝は純白だが、午後には、まるで酒に酔ったように頬を赤く染める。夕方には落花して果てる。
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芙蓉の花はアオイ科の落葉低木。東アジア暖地が原産。九州や沖縄地方に自生している。高さ1~2m。夏から秋にかけて淡紅色または白い色の、やや大型の一日花を開く。気品のある柔らかな花だ。
樹皮は製紙に用いられる。「きはちす」とも「木(もく)芙蓉」ともいう。季語は秋。
芙蓉はもともと池に咲く蓮の華の別称。
美人の譬え。(そういえば美人の風貌をしている)
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毛虫がある日わわわっと遣って来てあっというまに葉っぱを食べ尽くしてしまうから、急いで慌てて、殺虫剤を噴霧してやらないといけない。
大丈夫! 何度かそう言って聞かせてやる。自分が自分に。
大丈夫ではないように思えてしまう。ついつい。
そういう弱々しい自分がいる。青い顔をしている。
なるようにしかならないんだから。度胸を決めなくちゃ。
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この自分にそんな度胸が座っているか? 座っていないようにも思えるが、いざというときが来てしまったら、おおずからに度胸がつくんじゃないか、とも思う。
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僕たちはみな安心していいところに生まれて来て、安心して旅を終えるようになっている、はずだ。最後の土壇場までの、その間の中間地点では、疑心暗鬼して、安心した気分になれなくとも、最後の最後では、すぽっと安心ができるんじゃないか。それに賭ける。
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この僕は、中間地点の道程ももうあと僅かなところまで来ている。今日は梅雨に入って、雨ばっかりが逞しく振る舞っている。
雨が降っているせいで、まだ6時前10分なのに、窓の外が薄暗い。雨はしとしとしとと降っている。オレンジ色の透かし百合が花房をキャッチミットにして、静かに安心して雨をキャッチしている。水滴が溜まって零れて行く。一日そうやって立ち尽くしている。軸足(茎)が疲れないかな、と外野席の僕はちょっと心配してやる。
(心配は要らないのに)
(野の花にはそれだけの対応力があるのに)
やややや、雨脚が強くなってきたぞ。よく降るなあ。
僕はさっきから読書タイムに入っている。
たくさんは食べられない。胃袋の大きさに合わせていていいようになっているみたい。
欲望もたくさんは受け付けられない。こころの胃袋の大きさによらしめられている。
充足を覚えたらそこで行き止まりになっている。