とうとう冷房のスイッチを押してしまった。もう此処から出られないぞ。28度に設定して、扇風機を弱にして回している。昼ご飯の後には、冷水のシャワーをも浴びた。すっきりした。
外はカンカン照り。湿っていた畑の土が幾分か乾くだろう。雨ばかりだと、畑の野菜類はみな腐ってしまう。
外に出て行く用事があるんだけど、腰が上がらない。早くすませてしまいたいんだけど、この暑さじゃねえ。
仏教には天人という存在が想起されている。これはしかし人ではない。天界に住む神々のことである。人よりも優れている神々なのだが、なお輪廻の中にある。
天女は、天上界に住んでいる女性の天人。女神たち。彼女たちの背中に翼はない。乗り物は雲である。羽衣をつけている。これが羽の役目をしているのかも知れない。
天人は天人語を使って話している。それが人間には呪文のように聞こえる。
エンジェルはどうだろう? エンジェル語だろうか。どのみち、人の言葉が分からなくては、人に神の意志は伝えられないだろう。
もうすぐお昼。そうだなあ、お昼は軽く素麺でいいなあ。
朝ご飯は納豆ご飯。ご飯は茶碗に半分。茄子と豆腐のお味噌汁。苦瓜の酢漬け。湯剥きされた完熟大玉トマト一個。甘酒入りヨーグルト。これで腹が一杯になった。どんな労働もしていないぐうたら老人だから、腹八分~6分でいいのに、腹一杯。
朝からずっとYouTubeで音楽を聞いている。これでご機嫌。濡れ縁に赤い色の朝顔が咲いている。まだ萎まない。
僕は昨日は感動の半日だった。泣いた。涙が、とととっとこぼれた。
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全国高等学校総合文化祭佐賀県大会、器楽演奏発表部門を聞いた。泣いたのは、福岡県立筑後特別支援学校93人の発表のとき。演奏と歌を聞いた。そんなもの、何処にだって聞けるはずなのに、泣かせた。懸命さが伝わって来たからだ。全員の気持ちがぴたりと合っていた。舞台には車椅子の障害児が並び、その隣を先生が支えていた。ときおり、異様な奇声が発せられた。タンバリンを叩く手のリズムを先生が、生徒のの足先に伝えていた。ここまで仕上げるには、相当の練習を積み重ねたはずだ。それも偲ばれた。見事な出来映えだった。惜しみ無く拍手を送った。
僕は、初めてだったのだ。特別支援学校の障害児の舞台発表を初めて目にしたのだ。その堂々さ、明るさ、懸命さを知ることができたのだ。
気温は室内で30度に達している。湿度は78%。快晴。夏日。風はない。僕は扇風機を回してこれに耐える。今日は何処にも行かない。
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昨日は全国高等学校総合文化祭(略して、「そうぶん祭」)の郷土芸能部門の会場、武雄市文化会館に行って来た。近くに住んでいる友人を誘った。奥様もご一緒に来てくださった。お疲れになられただろう。午後から夕方まで、主に、全国の高校生達が打ち鳴らす力強い和太鼓の演技演奏を、聴いた。人形浄瑠璃も見た。三日間行われるようだが、今日は行かない。休養日。
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明日は、鳥栖市文化会館で開催される合唱祭部門に足を運んでみたい。高校生達の若々しい歌声に、一日ずっと酔い痴れていたい。
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極楽の鳥たちは、きっと、地上界にも下りてくるはずである。地上界でも説法を聞きたい者がいるからである。楽しい気分になりたいという者がいるからである。
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音楽を聞いて楽しくしていられるというのが、もしかしたら、究極の目的なのかも知れないではないか。理屈を知って楽しくなるというのも、それもいいが、「理屈を超えて」というのがもっと素晴らしいようにも思われる。