The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

マジック・イン・ムーンライト 感想

2015-04-17 | 映画
-マジック・イン・ムーンライト感想 ー
(Magic In The Moonlight) ー邦題にすると何故”the”を省くのか? 



2014制作
ウッディ・アレン監督

「マジック イン ムーンライト」観て来ました。
ロマンティック コメディーとかラブコメ系はあまり観ないのですが、今回は
ウッディ・アレン監督でコリン・ファース出演と この組み合わせであれば見逃す
事は出来ません。
久し振りに肩の力を抜いて鑑賞しました。
コリン・ファース(以下CF)のロマコメって珍しいかと思ったら、思い出しました。
「ラブ アクチュアリー」もありましたっけ。
オムニバス形式のロマコメだったと思いますが、口下手で不器用な作家を演じて
いて あれも良かったなー。(LAで思い出しましたが、あの時のマーティンの演技
は笑いました)。 雰囲気のある良い役者さんだと思いましたね。

今回のCFは怪しい中国人風の天才マジシャン スタンリー。

↑ 殆どフーマンチュー風

傲慢で皮肉屋、毒舌満開の現実主義者で 何やら面倒な男だのー。
何時もより高いトーンで饒舌で畳みかける語り口で ウィットに富んだセリフは
思わずニヤニヤさせられました。

アメリカ人の占い師 ソフィ(エマ・ストーン)は大きな目でチャーミング。 
凄く可愛い。 如何にもって感じで霊視する姿は怪しげだけどキュートですね。

南仏の美しい風景、又コール・ポーターを始めとする音楽が 舞台となる1920年
代の画面の雰囲気と合っていて素晴らしいです。

衣装も良かったですね。 ソフィの衣装は可愛いし(私は特に帽子が気に入りまし
た)、スタンリーも正装時は勿論、リゾート地らしいサマースーツ姿も又素敵でしたね。
他にも スタンリーの叔母のドレスが上品でエレガントで特に好きでした。


先日インタビュー嫌いのアレン監督が珍しく取材に応じていたのですが、その時に
「この作品は絶対面白いと思う。 もし面白くなかったら電話をしてくれれば 善処
しよう」って語って居ました。 アレンらしい対応でした。



以下内容概略に触れますので ネタバレご注意下さい。


舞台でマジックを終えたスタンリーの元を マジシャン仲間である友人が訪れ
大富豪の未亡人が入れあげるアメリカ人女性霊能者がトリックを使って詐欺を
行っているのではないかと疑い その正体を暴いて欲しいと依頼します。
スタンリーはマジシャンである正体を隠しソフィに会いますが、初対面の時から
色々霊視されてしまいます。
未亡人の亡夫の交霊会があり何とかトリックを暴こうとするスタンリーもなかなか
見破る事は出来ません。
ソフィは未亡人の息子に求愛されているのですが、彼の留守中に2人の時間を過ごす
うちにスタンリーは次第にソフィに惹かれていくのですが へそ曲りな彼は中々
その気持ちを自分で認める事が出来ません。


↑ この時のソフィの帽子も凄く可愛い!

親代わりの叔母に紹介すると誰も知る筈のない彼女の過去を霊視するの聞いて
驚愕するスタンリーはそれまでの現実主義を改めざるを得ないと認めました。
そんな状況の中、2人はお互いに惹かれて行くのですが 素直でない彼は何時も
の毒舌を吐くことしか出来ずにいます。
そんな時、叔母が交通事故で重傷だと聞き病院に駆けつけるスタンリーは今まで
信じていなかった神に祈ります。
そして突然気付きます。
何故ソフィが誰も知らなかった叔母の過去、マジシャンである本性を見抜けたのか
思い返して彼女のトリックを知る事になります。

叔母も無事回復した後、ソフィがプロポーズされた事を聞き 慌てて彼女を訪れ又
もや皮肉な言葉で結婚を留まり自分と結婚する様に言うのですが ソフィを怒らせて
しまいます。


↑ ソフィのドレスもゴージャスだし スタンリーの正装も素敵!

叔母の所へ戻り後悔と愚痴を言うスタンリーに トランプをしながらさり気なくつぶ
やく様にソフィを元の婚約者と比較し 如何に元の婚約者が優れて相性ピッタリな
相手か語る叔母さん、凄いんです。
子供の頃からスタンリーの性格を知り尽くし、へそ曲りなスタンリーが反対意見を述べる
事を知っているからこその叔母の策略に見事に載せられたスタンリー。
婚約者に電話で別れを告げました。

そして、その時・・・・

言ってみればベタなハッピーエンドなのですが、そこはオシャレなアレン風で
終わります。

最後は不覚にも涙してしまう私でございました。
この様な作品で泣くか? と思いましたが 歳のせいで涙腺ゆるんでいるのかし
ら?

可愛げのない面倒なスタンリーが天真爛漫でキュートなソフィに惹かれている
事に気付いてから 自分の気持ちが上手く消化出来ず右往左往させられツンデレ
状態になるに従ってだんだん可愛くなってきます。

でも久々にほっこりした気持ちで観終わりました。
”ウッディ・アレンMagic“ と述べていらした方が多かったのですが、正にその通り
だったと感じました。

そして、やっぱりCF素敵です。
このキャストでなければもっと浮ついた作品になって居たんではないかと
改めて感じさせられました。

それにしてもアレン監督、80歳にしてあの感性。
なんて素晴らしいんでしょう。
これからも年に1本制作したいと語って居ましたが、まだまだ楽しみです。


ところで、ロバの耳の私はつい気になったのです。
元の婚約者オリビア、としてその後ソフィと・・・・・
あれ?何処かで聞いたような オリビア→ソフィ。
本題とは全く別の次元で1人ドツボに嵌り込んでしまった私でございます。