徒然なか話

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久留米絣 ~織屋おでん~

2022-04-20 19:02:56 | 日本文化
 今日、歩いて熊本県伝統工芸館の前を通りかかったら、入口の看板に「久留米絣(くるめかすり)」の文字が見えた。元久留米市民としてはスルーするのもどうかと思い、立ち寄ってみた。八女郡広川町に集積している久留米絣の織元の一つ「山藍」の展示販売会だった。
 久留米および筑後地方の人たちにとって、井上伝(いのうえでん)という少女が考案した「久留米絣」は誇りである。
 江戸時代後期、久留米城下で生まれた井上伝(当時13歳)は、色あせてまだらになった着物の模様にヒントを得、「久留米絣」を考案した。その後、技術に改良が重ねられ、「久留米絣」は久留米藩内はもちろん、全国に広く知られるようになり、今日では久留米を代表する伝統工芸品となった。「絵がすり」で苦労していた伝は、近所で天才のほまれ高い少年久重に助けを求め、久重は見事にこの技術的難問を解決した。この久重少年こそが後の「からくり儀右衛門」こと江戸時代後期から明治時代初期にかけて活躍した発明家、田中久重である。久重は幼い頃からモノづくりに才能を発揮し、からくり人形に始まり精巧な万年時計に至るまで、数々の発明品を世に出すとともに、多くの後継者を育て、技術大国日本の礎を築いた。伝と久重の二人が同じ久留米の近所に住んでいたという奇跡が「久留米絣」を生んだともいえる。二人の故郷、久留米市通外町の五穀神社には二人の胸像が仲良く並んでいる。


「織屋おでん」商標の久留米絣は全国で爆発的に売れたという。

   ▼井上伝物語


 機織りは農村の子女の副業として筑後地方一円に広まり、機織りの音を模してそろばんを使う作業唄「久留米機織り唄(そろばん踊り)」がお座敷などで広まって行った。現在では夏祭りで総踊りが行われている。

   ▼久留米機織り唄


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2 コメント

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Re:小父さんK様 (FUSA)
2022-04-20 23:11:07
綿織物の久留米絣と絹織物の博多織、福岡県は織物どころですね。

子供の柔軟な発想があって初めて生まれたんでしょうね。

郷土史家などと言われますと汗顔の至りです。つまみ食いの浅い知識と受売りばかりですよ(-_-;)
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Unknown (小父さんK)
2022-04-20 21:21:31
「久留米絣(くるめかすり)」という言葉に懐かしさを感じるとともに、ほとんど忘れかけていました。

少女が考案したが考案したんだとは!

>機織りの音を模してそろばんを使う作業唄「久留米機織り唄(そろばん踊り)」がお座敷などで広まって行った。現在では夏祭りで総踊りが行われている。

FUSAさんは謙遜されますが、本物の郷土史家ですね。

高齢者大学か、小中高等学校で教壇に立たれてはいかがかと思います。

有難うございました。
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